カニエ・ウェストの20年以上を捉えた新ドキュメンタリー・シリーズが今年Netflixで配信決定
カニエ・ウェスト(Kanye West)の未公開ホームビデオやレア映像を収めた複数話から成るドキュメンタリー・シリーズが、2021年にNetflixで配信されることが明らかになった。
本作は、アーティスト/プロデューサーで、アディダスとのスニーカー・ブランド“イージー(Yeezy)”の創始者としても知られるカニエ・ウェストの人生や仕事の舞台裏を20年以上にわたって記録してきた2人のミュージックビデオ/映像作家によって企画されたものだ。
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米ビルボード誌によると、Netflixは、TIME Studios、そしてクラレンス・“クーディー”・シモンズとチケ・オザーによって共同制作されたタイトル未定のドキュメンタリー作品を取得したという。
クーディー&チケ(Coodie & Chike)として活動する2人の映像作家は、カニエ・ウェストと深い繋がりがあり、彼の最初のミュージック・ビデオである「Through the Wire」と「Jesus Walks」(3つ目のヴァージョン)の監督としても知られている。2014年のビルボード誌とのインタビューの中で、クラレンス・“クーディー”・シモンズは、カニエ・ウェストが、他の監督が手掛けた最初の2つのヴァージョンには、“魂と彼が求めている感覚がない”ことから、彼らに別の解釈でミュージック・ビデオを制作してほしいと依頼したことを明かしている。
今回のドキュメンタリー・シリーズの具体的な内容は現時点ではまだ正式に発表されていないが、今年後半にNetfilxで配信がスタートする予定だ。
クーディー&チケが長編コンテンツへと制作の幅を広げて以降は、スポーツ専門チャンネルのESPN創設30周年を記念した2012年のドキュメンタリー・シリーズのために、将来有望な高校バスケットボール選手だったベン・ウィルソンの銃殺事件とその事件が彼の地元であるシカゴのコミュニティに与えた影響を描いた『Benji』や、2019年には元NBA選手ステフォン・マーブリーを描いたNetflixドキュメンタリー『A Kid From Coney Island』の監督を務めている。
2人は今回のドキュメンタリー作品を、エミー賞受賞歴を誇るTIME誌の映画・テレビ部門であるTIME Studiosと共同制作している。同スタジオが手掛けた過去の作品には、アフリカ系アメリカ人の人権のために闘った故・ジョン・ルイス下院議員を描いた2020年のドキュメンタリー『John Lewis: Good Trouble』や、2018年のアレサ・フランクリンのコンサート・フィルム『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』などがある。
ビルボード誌によるとクラレンス・“クーディー”・シモンズは、1990年代からシカゴでカニエ・ウェストを撮影しており、カニエがラッパー/プロデューサーとして成功するまでの過程、名声が彼に与えた影響、さらにはヒップホップが大衆文化に与えた影響、進化し続ける社会とセレブリティとの関係性などについて描いており、今回のドキュメンタリー・シリーズは、この2人の関係性がバックボーンになっているという。
さらに同シリーズでは、カニエ・ウェストの母親であるドンダ・ウェストの死と、それが彼に与えた影響、ここ数年の彼の個人的な進化やファッション・デザインへの進出と成功、2020年の米大統領選出馬での失敗なども取り上げられるそうだ。
Written By Will Schube
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