フォーク&カントリーのシンガーソングライターのナンシー・グリフィスが逝去。その功績を辿る
グラミー受賞経験を持つフォーク、カントリーのソングライターのナンシー・グリフィス(Nanci Griffith)が2021年8月13日に亡くなったことが公表された。享年は68、死因は明らかにされていない。
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1953年にテキサス州セギンで生まれたナンシー・グリフィスは、さまざまな職業に就いていたが、根底にあるのは最初から音楽アーティストであったということだ。彼女の最初の4枚のアルバムは、1978年以降にインディペンデント・レーベルで録音されたもので、自作曲を中心に、ジミー・デイル・ギルモアの「Tonight I Think I’m Gonna Go Downtown」やライル・ロヴェットの「If I Were The Woman You Wanted」などのカバー曲が収録されている。
1978年のデビュー・アルバム『There’s a Light Beyond These Woods』や1982年の『Poet In My Window』で詩的な歌声を聴かせた彼女は、自由になりたいと願う才能を感じさせ、テネシー州ナッシュビルにあるカウボーイ・ジャック・クレメントのCowboy Arms Hotel and Recording Spaで録音された壮大な『Once In A Very Blue Moon』(1984年)でそれを実現した。
キャリアの後半では、ベラ・フレックやマーク・オコナーといった一流のプレイヤーをバックに起用したことで、彼女のカントリー・ヴォイスはより自由になった。この音楽によって、彼女はますます熱心なイギリスのファンを獲得。南部ゴシックの流れを汲むグリフィスは、この時代に映画のような風景を描き出す曲を作っていた。
常に現代的なセンスを持ちながらも、過去に目を向けていたナンシー・グリフィスは、ノスタルジックなアメリカの視線と最新のテクノロジーを融合させていた。2006年の『Ruby’s Torch』では素晴らしいトーチソングを提供し、2009年の『The Loving Kind』では重みのある政治的声明を発表している。
また、2012年にリリースされた『Intersection』は、ナッシュビルのホームスタジオで制作されたもので、彼女が、真に偉大なアメリカーナやカントリーの人々のように、長期にわたって活動を続けていることを示している。
今年初め、ナンシー・グリフィスは、ライトニン・ホプキンス、レフティ・フリゼール、マーク・ジェイムスとともに、テキサス・ヘリテージ・ソングライターズ・アソシエーションの2022年の殿堂入りが発表されたばかりだった。
Written By Sam Armstrong