ムラ・マサが、黒人女性のライヴ業界での就業を支援する人材育成コースを開設
グラミー受賞プロデューサーで、ソングライター、DJとして活動するムラ・マサ(Mura Masa)と彼のチームは、黒人女性たちがライヴ・ミュージック業界で働く機会を多く得られるように支援することを目的とした人材育成コースをスタートする。先日の“Blackout Tuesday(ブラックアウト・チューズデー)”にあわせて、ムラ・マサは自身のインスタグラム上で、ロンドンを拠点とする12週間の訓練プログラムを発表した。
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まずはロンドン・エリアに在住の黒人女性10名を対象に週末に開催される同コースでは、会場のロビー係、ミキシングやモニター・エンジニアリング、照明といった会場クルーの役割を学ぶための訓練を実施する。
ジョージ・フロイドの死を受けて、組織的な人種差別や警察による残虐行為に対する抗議デモがアメリカ全土で続いている中、ムラ・マサは沈黙するのではなく、行動を起こす必要性を感じている、と自身のインスタグラムに記している。
「まずは僕たちが自分のショウを企画している時に、個人的に議論してきた問題を解決するために、こういった役割を担う有色人種の女性たちが深刻に足りてないという現状を変えていきたいと思っています。この業界にいる方なら、それがどれだけ深刻であるかはお分かりいただけるはずです。僕は個人的にこのプロジェクトへの資金提供を引き受け、時間と労力をかけて手助けしていくことをとても楽しみにしています。そして今後においては、音楽業界のありとあらゆる地位の仲間たち、特に権力や富を持つ立場にある方たちに、沈黙したり、怒りの声明を発表したりするのではなく、こういったプログラムの創造や支援に、どのように関わり、資金提供をしていけるのかを検討するように促し、強精していきたいと思っています。私たちの惰性が今の状況を生んでしまったのです。一緒にこの問題に取り組み、この機会に行動を起こしましょう」
数日前、ムラ・マサは、さらなる自身の考えをインスタグラムでこう共有している。
「これまで、僕は、多くの場合(ほぼ常に)、白人男性の声は、論議には必要とされていないと思い込んでいたため、こういった問題について発言することに消極的でした。でも、今では誰もが、特に私や他の多くのミュージシャンのように特権を与えられた立場にある人間は、個人的に信じるものだけでなく、正しく、公平なもののために立ち上がる必要があることに気が付きました」
イギリスを拠点に活動するムラ・マサこと、アレックス・クロッサン(Alex Crossan)は、17歳の時に自主リリースしたトラック「Lotus Eater」がBBC Radio 1でオンエアされたことがきっかけで世に知られるようになった。ポリドールとインタースコープ・レコードと提携した自身のレーベル、Anchor Point Recordsの設立以来、彼は2017年の『Mura Masa』、そして今年1月の『R.Y.C.(Raw Youth Collegeの略)』という2作のフル・アルバムをリリースしている。
リミキサー、プロデューサー、ライターとして注目を集める彼は、今や引く手あまたのコラボレーターで、過去にはナイル・ロジャース&シック、BTS、トラヴィス・スコット、アリアナ・グランデらと共作してきた。さらに、2017年にはハイムの「Walking Away」のリミックスでグラミー賞“最優秀リミックス・レコーディング賞”を受賞し、今年初めにはアルバム『R.Y.C.』に収録の「Deal Wiv It」で、スロウタイと共にNMEアワードで“最優秀コラボレーション賞”を受賞している。
Written By Sophie Smith
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ムラ・マサ『R.Y.C.』
2020年1月31日発売
CD / iTunes / Apple Music / Spotify