ウッドストック・フェスティバルの共同創設者マイケル・ラングが77歳で逝去。その功績を辿る

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Michael Lang photo: Myrna M. Suarez/Getty Images

ウッドストック・フェスティバルの共同創設者・主宰者として知られるマイケル・ラング(Michael Lang)が2022年1月8日に77歳で逝去した。遺族のスポークスマンであるマイケル・パニョッタによると彼は稀なタイプの非ホジキンリンパ腫のため、ニューヨークのスローン・ケタリング病院で息を引き取ったという。

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1944年にNYブルックリンで生まれたマイケル・ラングは、1969年に開催されたウッドストック・フェスティバルの共同創設者として音楽史に永遠にその名を刻んだ。

1968年に、フランク・ザッパ、ジョン・リー・フッカー、ジミ・ヘンドリックスらが出演した“マイアミ・ポップ・フェスティバル”を立ち上げたマイケル・ラングは、ニューヨーク州北部のウッドストックへと移り住み、その地で出会ったミュージシャンのアーティ・コーンフェルドらと共に、後に“ウッドストック・ミュージック&アートフェア”(ウッドストック・フェスティバルの正式名)へと発展する“アクエリアン博覧会”の構想を練った。

ニューヨーク州ベセルにあるマックス・ヤスガー所有の農場で開催された同フェスティバルは、3日間で推定40万人を集客し、1970年に公開されたドキュメンタリー映画では、マイケル・ラングの姿も大々的にフィーチャーされている。

ジミ・ヘンドリックス、ザ・フー、サンタナ、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル、ジョーン・バエズ、ジャニス・ジョプリン、ジェファーソン・エアプレイン、キャンド・ヒート、ジョー・コッカー、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング、ザ・バンドらが出演した1969年のウッドストック・フェスティバルは、音楽の一時代を象徴する伝説として語り継がれ、マイケル・ラングは1994年と1999年に同名のアニバーサリー・イベントを共同プロデュースしたが、2019年に計画されていた“ウッドストック50”は最終的に中止となった。

ジョー・コッカーの長年のマネージャーとして知られるマイケル・ラングは、リッキー・リー・ジョーンズやウィリー・デヴィルといったアーティストのマネジメントにも携わり、自身のレーベルJust Sunshine Recordsを運営。彼が設立した“Michael Lang Organization”は、プリンス、スヌープ・ドッグ、スティーリー・ダン、シャキーラ、マドンナ、ノラ・ジョーンズなど、多くのスターたちの仕事を手掛けてきた。彼は2019年のPollstar誌のインタビューで次のように語っていた。

「1969年、ウッドストックに出演したバンドは皆カウンターカルチャーの一部でした 。彼らは私たちの生活に深く関わっていたんです。単なるエンターテインメントではなく、社会的な問題意識を持っていました。彼らは私たちの世代の一部でした」

「ウッドストックは、人々がより良い自分を表現するための環境を提供した、と言えるでしょう。それを与えることで、うまくいくように思えます。おそらく、この種のイベントとしては、史上最も平和なものだったでしょう。それは、期待や、人々があの場所に創りたいものがあったからです」

 

Written By Paul Sexton



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