ジョン・レノンの“キリスト発言”を記録した音楽ジャーナリストのモーリーン・クリーヴが逝去
英国人ジャーナリストで、ザ・ビートルズをいち早く世に紹介した音楽ライターのひとりとして知られるモーリーン・クリーヴ(Maureen Cleave)が、2021年11月6日、イギリスのオールドバラの自宅で逝去した。享年87歳。
死因は明らかにされていないが、娘のドラ・ニコルズによると、彼女はアルツハイマー病を患っていたという。
モーリーン・クリーヴは、1934年10月20日に、大英帝国の植民地下にあったインドで生まれた。その後、ボブ・ディラン、ジョーン・バエズ、ザ・ローリング・ストーンズなど、数々の音楽スターらとの対談を掲載したコラムで、本格的な芸術表現としてのポップ・ミュージックの地位を高めることに貢献していく。
<関連記事>
・ビートルズの新作ドキュメンタリー『Get Back』が11/25〜Disney+で独占配信
・ポールが新作『McCartney III』や映画『The Beatles: Get Back』について語る
・『Let It Be』はどうやってできたのか:ゲット・バック・セッションと屋上ライヴ
When Maureen Cleave began writing the column “Disc Date” in 1961, serious writing about pop music was in its infancy. She helped raise its profile, in conversations with luminaries including Bob Dylan, Joan Baez and the Rolling Stones. https://t.co/tmbizNgDnw
— New York Times Music (@nytimesmusic) November 17, 2021
この訃報を最初に報じたニューヨーク・タイムズ紙は、訃報に加えて、彼女がザ・ビートルズを定期的に取材し、当時の紙面に掲載された記事は、彼らとの非常に親しい関係性が伝わるものだったと記している。1963年に、The Standard紙に掲載された「The Year of the Beatles」という見出しの記事は、大手新聞社によるザ・ビートルズに関する最初の特集記事のひとつとなった。
モーリーン・クリーヴのキャリアにおいて、最も世間の注目を集めたのは、1966年3月に掲載されたジョン・レノンとの対談で、組織的な宗教に対する彼の考えを掘り下げたその記事は大きな物議を醸した。同インタビューの中で、ジョン・レノンは、下記のように語っていた。
「キリスト教は衰えていくだろうね。消えて縮小していく。議論の必要はないよ。僕は正しいし、そうだとわかるだろう。今では僕たちはキリストより人気がある。ロックンロールかキリスト教、どちらが先に消えるかはわからない」
彼女は、このジョン・レノンの通称“キリスト発言”を記録したジャーナリストとして、一部では称賛され、また一部では嘲笑された。
ポール・マッカートニーは、ザ・ビートルズ解散後に制作されたアルバム、ドキュメンタリービデオ、ドキュメンタリーブックの3部作『The Beatles Anthology』の中で、バンドにとって頼りになるジャーナリストの一人だったという彼女について、「モーリーンは面白くて話しやすかった」と語り、またジョン・レノンも、「モーリーンのことはよく知っていたし、肩の力を抜いて話せる人だったので、なんでも自由に話してしまうという残念な失敗を犯してしまった」と付け加えている。ジョン・レノンの当時の発言は、“オックスフォード引用事典”にも掲載された。
Written By Sam Armstrong
ザ・ビートルズ『Let It Be』(スペシャル・エディション)
2021年10月15日発売
5CD+1Blu-ray / 2CD / 1CD / 4LP+EP / 1LP / 1LPピクチャーディスク
最新ドキュメンタリー
『ザ・ビートルズ:Get Back』
11月25日(木)・26日(金)・27日(土)ディズニープラスにて全3話連続見放題で独占配信
監督:ピーター・ジャクソン (「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ、『彼らは生きていた』)
出演:ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター
伝説のロックバンド、ザ・ビートルズの3日連続6時間の時空を超えた《体験型ドキュメンタリー・エンターテイメント》が、ディスニープラスで独占配信。巨匠ピーター・ジャクソン監督によって、“Get Back(復活)”を掲げて集まった4人が名盤『Let It Be』に収録される名曲の数々を生み出す歴史的瞬間や、ラスト・ライブとなった42分間の“ルーフトップ・コンサート”が史上初ノーカット完全版として甦る。解散後、半世紀を超えて明かされる衝撃の真実とは?
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン ©2021 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
公式サイト
映画公式書籍
『ザ・ビートルズ:Get Back』(日本語版)
価格:¥ 8,800 (本体 8,000+税)
発売日:2021年10月12日発売予定 ページ数:240ページ
サイズ:B4変型判(302mm x 254mm) ハードカヴァー仕様(上製本)
ISBN:978-4-401-65036-1
発売:株式会社シンコーミュージック・エンタテイメント
購入はこちら
- ザ・ビートルズ アーティスト・ページ
- ザ・ビートルズ関連記事
- ザ・ビートルズの新ドキュメンタリー映画公開に先駆けて公式写真集が発売
- ビートルズ『Let It Be』特別版から「The Long and Winding Road」公開
- 映画『The Beatles : Get Back』について現時点で判明している事柄
- 『ザ・ビートルズ:Get Back』5分間の映像が先行公開
- ピーター・ジャクソン監督によるビートルズの新ドキュメンタリー映画
- リンゴ・スターが、ドキュメンタリー映画『Get Back』について語る
- ポールが新作『McCartney III』や映画『The Beatles: Get Back』について語る
- ザ・ビートルズのルーフトップ・ライヴ:バンド最後の公でのパフォーマンス
- 『Let It Be』はどうやってできたのか:ゲットバックセッションと屋上ライヴ