ケンドリック・ラマーが謎めいたサイトを公開して新作アルバムをアナウンス
長く音楽界の表部隊からその姿を消していたケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)が、“Oklama”と名付けられた謎めいたウェブサイトをを公開し、2017年の『DAMN.』に次ぐ、ニュー・アルバムをリリースすることを発表した。
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極力シンプルに、ミニマルにデザインされた同ウェブサイト上には、「nu thoughts」と題されたフォルダが置かれており、そこには“Oklama”の署名が入った次なるスタジオ・アルバムに関する声明文が掲載されている。ケンドリック・ラマーは、LAに拠点を置く“トップ・ドーグ・エンタテインメント(Top Dawg Entertainment)”との実りあるパートナーシップについて言及しつつ、今作が“TDEからの最後のアルバムとなる”ことを次のように明記している。
私は一日の大半を、つかの間の思考を巡らせながら過ごしています。書くこと。聴くこと。そして古いビーチクルーザー(自転車)を集めること。朝のサイクリングは、私を静寂の丘に留めてくれます。もう何ヶ月も携帯電話は使っていません。愛、喪失、悲しみは私の安らぎの場所をかき乱しますが、神の光は私の音楽や家族を通して語りかけてくれます。私を取り巻く世界が進化していく中で、最も重要なことについて考えています。自分の言葉が次にどのような人生を歩むのかについて。
TDEでの最後のアルバムを制作しながら、17年の時を経て、このような文化的な痕跡の一部になれたことに喜びを感じています。苦闘、成功、そして最も重要なのは、兄弟愛です。トップ・ドーグが実直なクリエイターたちの母体として使われ続けますように。私が自分の人生の天職を追求し続けるように。物事の終わりには美しさがあります。そして、常に未知なるものへの確信があるのです。私のことを気にかけてくれてありがとうございます。私も皆さんのために祈っています。すぐにお会いしましょう。 – oklama
具体的なリリース日などはまだ明かされていないが、この声明により、2017年にリリースされた『DAMN.』以来、約4年振りのニュー・アルバムが発売されることが明らかになった。また、この声明を受けて、トップ・ドーグ・エンタテインメントの最高経営責任者兼創設者であるアンソニー・“トップ・ドーグ”・ティフィスは次のように述べている。
「ドット(ケンドリックの愛称)のTDEでの最後のアルバムということで、これはむしろヴィクトリー・ランであり、お祝いでもあります。彼がこの先何をしようと成功することは間違いありませんし、私たちも全面的にサポートするつもりです」
今年6月、ケンドリック・ラマーが11月にラスベガスで開催される“Day N Nite Festival”に出演することが発表されて以降、ファンの間では、彼が新作を発表するのではないかと噂が囁かれ始めていた。さらに、同フェスティバルのポスターには、ヘッドライナーを務める彼の名前の下に、「デビュー作“Section.80”から“DAMN”までラスベガスで一夜限りの」という見出し付けられており、このステージが彼のこれまでのキャリアの集大成となり、ニュー・アルバムからの新曲も披露するだろうと言われている。
Written By Will Schube
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