キース・ジャレットが自身の75歳の誕生日に未発表音源「Answer Me」を公開

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Photo: Woong Chul An

ジャズ/クラシック・ピアニストのキース・ジャレット(Keith Jarrett)が、2020年5月8日の75歳の誕生日に未発表音源「Answer Me」を公開した。ドイツの有名レーベルECMからデジタルでリリースされたこのバージョンは、2016年にブダペストで行われたライヴで録音された1950年代の曲で、とても愛されているナンバーだ。

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この洗練されたトラックは、ソロの即興演奏、デュエット、トリオ、カルテット、その他数え切れないほどのECMのカタログに加えられることになった。

キース・ジャレットとECMとの関わりは、1971年後半、プロデューサーのマンフレッド・アイヒャーとの影響力のあるソロ・ピアノ・アルバム『Facing You』から始まった。ジャズのフィールドでの卓越した才能に加え、ジャレットはクラシックのレパートリーでも高い評価を得ており、1980年代後半からはクラシックの録音も次々と発表。ニューヨーク・タイムズ紙のジョン・ロックウェルに「第一級のクラシック・ピアニスト」と評されるほどであった。

キース・ジャレットの75歳の誕生日を祝して、フランスの国営ラジオチャンネルFrance Musiqueは一日中様々な番組でキースについての特集を放送している。その中には、現地時間の午後6時からジャレットに捧げるアレックス・ドゥティルとのオープン・ジャズ・ショーも含まれている。

今回公開された未発表音源「Answer Me」は、オーストリアの作詞家フレッド・ラウチとドイツの音楽家ゲルハルト・ウィンクラーが作詞した曲で、別名「Answer Me, My Love」とも呼ばれている。ドイツ語の原題は「Schütt die Sorgen in ein Gläschen Wein, Mütterlein」、または単に「Mütterlein」であった。カール・シグマンは1952年に英語の歌詞を書き、その後フランキー・レインとデヴィッド・ウィットフィールドの両名の大ヒット曲となった。

「Answer Me」は1954年のレコーディング以降、ナット・キング・コールのカバーでも有名となった。この曲は1976年にスコットランドのシンガーソングライター、バーバラ・ディクソンによって再びイギリスでヒットとなった。他にもジーン・ピトニー、インプレッションズ、ピーチズ・アンド・ハーブ、ブライアン・フェリー、ジョニ・ミッチェルなどによる解釈を含む数多くのカバー・バージョンが存在している。

また、キース・ジャレットの75歳の誕生日を記念して、彼のプレイリストが簡単に作れるキース・ジャレット・プレイリスト・ジェネレーターも登場している。こちらは好きな曲をクリックするだけで簡単にプレイリストが作れるサイトとなっている(サイトはこちら)。

Written By Paul Sexton




キース・ジャレット「Answer Me (Live from Budapest)」
2020年5月8日配信
Apple Music / Spotify

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