行方不明だった1991年のケイト・ブッシュによるエルトン・ジョンのカヴァー「Rocket Man」MVが公開
アヴァン・ポップの鬼才、ケイト・ブッシュが長らく行方がわからなかった1991年のエルトン・ジョンのカヴァー「Rocket Man」のミュージック・ビデオを公開した。
このカヴァーは3月にリリースされる『The Other Side』と名付けられた4枚組のレア音源集からの1曲で、その他にも同じくエルトン・ジョンの「Candle In The Wind」やジョージ&アイラ・ガーシュウィン兄弟の「The Man I Love」のカヴァーなどが収録されている。
謎めいた歌手は、このミュージック・ビデオの公開に至った経緯や、エルトン・ジョンへの親愛の念について次のように語っている。
「エルトン・ジョンのこの曲がシングルとしてリリースされて買った当時のことを覚えています。大のお気に入りで、ずっと聴いていたんです。70年代のアーティストは皆ギターを弾いていたけど、エルトンはピアノで、私は彼のように弾けたらって夢みていました。それから何年も経った1989年、エルトン・ジョンとバーニー・トーピンが様々なアーティストが彼らの楽曲を歌うカヴァー集『Two Rooms』を企画したんです。そして光栄なことに私にも参加のオファーがあって、私は‘Rocket Man’を選びました。この曲をカヴァーするにあたり、彼らはクリエイティヴ面のことは私に全て任せてくれて、私にとって人生で一番好きな曲のひとつを自由にアレンジできるなんて恐れ多かったけど、同時にとても楽しかったです。だから、オリジナルとは全く違うアレンジで、思い切ってレゲエ・ヴァージョンにしたらって思いました。私のカヴァーがこのアルバムからのファースト・シングルとしてリリースされた時はすごく嬉く思いました」。
そうして1991年にリリースされた彼女がレゲエ・アレンジで歌う「Rocket Man」はオーストラリアのシングル・チャートで最高2位を獲得する大成功を収め、イギリスのチャートでも12位を記録した。
このミュージック・ビデオは、サテンのバックドロップが心地よく揺らめく劇場の舞台を思わせるセットで、ケイト・ブッシュがウクレレを弾いて歌っているという、彼女のアヴァンギャルドな美学が反映された仕上がりになっている。
2017年まで、エルトン・ジョンの「Rocket Man」には正式なミュージック・ビデオが存在していなかったが、YouTubeのコンペにより、映像作家のマジッド・アディンがエルトン・ジョンとバーニー・トーピンによるこの70年代のクラシック作品を映像として再現した。
ケイト・ブッシュは今回のレア音源集から「Under The Ivy」や「The Man I Love」を含む新たなミュージック・ビデオを公開する予定。このレア音源集は海外で昨年10月にリリースされていた18枚ものLPから成るボックス・セットに収録されていた。
Written by Laura Stavropoulos
- エルトン・ジョン伝記映画『Rocketman』の新トレイラーが公開
- エルトン・ジョンの伝記映画『Rocketman』の新映像公開
- エルトン・ジョンの発言20選
- ケイト・ブッシュのお気に入り:キャプテン・ビーフハート
- ライオット・ガールズ:世界を変えた女性ミュージシャンたち
- エルトン・ジョン 関連記事