UTFOやフル・フォースで活躍したカンゴール・キッドが55歳で逝去
伝説的ラップグループ、UTFOやフル・フォース(Full Force)のメンバーであり、ラップのパイオニアであるカンゴール・キッド(Kangol Kid)が2021年12月18日に逝去した。享年55だった。死因は結腸癌で、亡くなる数ヶ月前から闘病生活を送っていた。
ニューヨークのプロモーターであるヴァン・シルクは、12月18日にHipHopDXの取材に応じ、彼の死を発表した。彼はこう伝えている
「少し前、彼の大腸がんとの闘いがステージ2の段階で、この病気との闘いについて話し合いました。そして彼は10月に転移していることを教えてくれました。皆さんには前立腺と大腸の検査を受けることをお勧めします。ブラザーのカンゴールよ、安らかに」
<関連記事>
・クエストラブが『サマー・オブ・ソウル』にてVanguard Awardを受賞
・『サマー・オブ・ソウル』とクエストラブが残した功績を辿る
・2021年に亡くなったミュージシャン、音楽業界の関係者たち
最初、ブレイクダンスをやっていたカンゴール・キッドは、1980年代半ばに最も人気のあったラップ&ブレイクダンスのグループ「UTFO」のメンバーとして、ラップ界にその名を轟かせた。
1984年、UTFOのヒットシングル「Roxanne, Roxanne」はヒップホップチャートのトップに躍り出た。1987年にリリースしたサード・アルバム『Lethal』は、同年末にはラップアルバムとして1位の売り上げを記録した。
「Roxanne, Roxanne」をきっかけに、アーティストが特定の曲に反応する「アンサー・トラック」が普及し、ロクサーヌ・シャンテと名乗る14歳のラッパーが「Roxanne’s Revenge」を発売。その後、ロクサーヌを名乗る女の子の曲が大量に登場し、オリジナルの架空の女の子をディスった男性アーティストも多数登場し、最終的には「ロクサーヌの話をするのはやめてくれ」というレコードも登場するほどだった。
1985年、カンゴールは、リサ・リサ&カルト・ジャムのデビュー・アルバム『Lisa Lisa & Cult Jam with Full Force』の作曲を担当した。このアルバムは、リードトラックである「I Wonder If I Take You Home」「All Cried Out」「Can You Feel the Beat」で知られている。
Written By Sam Armstrong
- ザ・ルーツ アーティストページ
- クエストラブが『サマー・オブ・ソウル』にてVanguard Awardを受賞
- 『サマー・オブ・ソウル』とクエストラブが残した功績を辿る
- クエストラブ初監督『サマー・オブ・ソウル』8/27に日本公開決定
- ザ・ルーツの創設メンバー、マリク・Bが47歳で逝去。その半生を辿る
- 政治的で社会性を持つコンシャス・ヒップホップ、2010年代のベスト20曲
- 「Black Lives Matter 2020」:繰り返される人種問題と抗議運動
- ヒップホップと政治問題の歴史:グランドマスターからケンドリックまで
- パブリック・エネミー結成35年後の脱退劇の真相と米大統領選
- ‘黄金時代’1990年に発売されたヒップホップ・アルバム5選
- 「Soul Food Assassins/ブラックカルチャーと命名哲学」
- ヒップホップ関連記事