ホセ・ジェイムズ、ビル・ウィザーズに捧げた新作『Lean On Me』を語る

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9月 19, 2018

ItoMasaki

ジャズ・ヴォーカリストのホセ・ジェイムズが9月28日（日本盤は9月21日）にブルーノート・レコードから偉大なるソウル・シンガーソングライター、ビル・ウィザーズへのトリビュート・アルバム『Lean On Me』をリリースする。今作では、ビル・ウィザーズの生誕80周年を祝うべく、彼の不朽の名曲12曲をフィーチャーしている。

このアルバムはキャピトル・スタジオのスタジオBでレコーディングされ、ブルーノート・レコードの社長であるドン・ウォズがプロデュースを手掛けている。今作のバンドおよび共演アーティストには、ベーシストのピノ・パラディーノ、キーボードのクリス・バワーズ、ギタリストのブラッド・アレン・ウィリアムズ、ドラマーのネイト・スミス、そしてスペシャル・ゲストに、歌手のレイラ・ハサウェイ、そしてサクソフォニストのマルクス・ストリックランド、トランペッターの黒田卓也らが名を連ねている。アルバムのトレイラー映像は下記よりご覧いただける。

「ビルは、一生愛される楽曲を書いてきたんだ」と、ホセ・ジェイムスは語った。「彼の楽曲にはヒップ・ホップのビートを入れちゃいけないし、10分間のビバップのソロで解体することもできない。彼の作品に正解は1つしかなくて、最高のバンドと現れて、テープを回して、その場の雰囲気を掴むことだけさ」。

今作より、ビル・ウィザーズが1972年にR&Bチャートで2位を獲得し、これまでにアイザック・ヘイズやアル・ジャロウ、グレイス・ジョーンズ、そして1993年のミック・ジャガーとレニー・クラヴィッツによるデュエットなど多くのアーティスト達にカヴァーされてきた名曲「Use Me」の新ヴァージョンがリリースに先駆けて公開されている。

ここ数年のホセ・ジェイムズのライヴ・セットでは、ビル・ウィザーズの楽曲のカヴァーを多数取り入れるようになり、それが”人々が泣き、踊り、歌い、叫ぶと行った理想の教会のようなもの”とさえ感じさせる巨大なメドレーにまで発展している。「それはとてもパワフルだったよ」と、彼は語っている。『Lean On Me』は昨年末からツアー・プロジェクトとして始まったが、ホセ・ジェイムズはいつか作品化したいと思っていたという。

「ドン・ウォズに連絡して、”こんなカヴァーはかっこいいと思う？”って訊いたんだ。そしたら、ドンが”さあな。ビルに訊いてみよう”って言い出したから、僕は”オーマイガー！なんてことをやらかしてしまったんだ”って思ったよ。でも、後日、有名なハリウッドのレストラン’Musso & Frank Grill’でビルと食事した時に、このプロジェクトのことを承諾してくれたんだ」

「ビル・ウィザーズに会えたことは、僕の人生における宝物のひとつになったよ。彼は真の天才だし、今まで会った中で最高にカッコいい人物の1人だね。彼と過ごした1時間で、音楽学校や10年分のライヴよりも多くのことを学んだんだ」

「みんな彼に憧れている、有能なソングライターはみんなさ。ビル・ウィザーズは、ポール・マッカートニーやスティーヴィー・ワンダー、ジョニ・ミッチェル、スモーキー・ロビンソン、キャロル・キング、レナード・コーエン、ブルース・スプリングスティーン、ボブ・ディラン、ポール・サイモン、エルトン・ジョン、ビリー・ジョエルらと同じく、偉大なる神様の1人なんだって知っているのさ」

「それから彼は、ファンクやブルース、R&B、ゴスペルをブレンドした、とても洗練された音楽を作り出した素晴らしいシンガーでもあるのさ。彼に僕がカヴァーしたい彼の楽曲のリストを見せたら、すごく気に入ってくれたんだ。彼は自分の音楽が今でも世界中の人々の生活や心の中に生きていて、彼の人生や才能を讃えたがっていることを喜んでくれている思うよ」

ホセ・ジェイムズは『Lean On Me』に収録されている楽曲について「全ての言葉を信じなければならない。ビル・ウィザーズに偽りはないよ。自分の感情や肉体、それから優しさに正直になって、曝け出せばいいんだ」と語る。

Written by Paul Sexton