ダイアー・ストレイツの“もう一人のギタリスト”、ジャック・ソンニが68歳で逝去。その功績を辿る
ダイアー・ストレイツ(Dire Straits)の最大のヒット作である1985年のアルバム『Brothers In Arms』期に、マーク・ノップラーと共に“もう一人のギタリスト”と称されたジャック・ソンニ(Jack Sonni)が、2023年8月30日、68歳で逝去した。
ペンシルバニア出身の彼は、過去にダイアー・ストレイツのツアーやアルバムに参加したミュージシャン集団であるダイアー・ストレイツ・レガシー(Dire Straits Legacy)のメンバーとして知られている。
ダイアー・ストレイツの共同創設メンバーのジョン・イルズリーは、自身のフェイスブックでこう追悼を捧げている。
「ジャック・ソンニが亡くなったという悲しい知らせを聞いてとても残念です。“Brothers In Arms”のツアーに彼が参加してくれてとても楽しかったし、良い思い出です。R.I.P.ジャック」
ダイアー・ストレイツ・レガシーは今週、ジャック・ソンニが体調不良のため、バンドの次のライヴに参加できないことを発表していた。死因はまだ発表されていない。
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その生涯
1954年12月9日、ペンシルベニア州インディアナで生まれたジャック・ソンニは、初期に始めたピアノとトランペットからギターに転向後、人気セッション・ギタリストのエリオット・ランドールに師事し、彼の説得で移住したニューヨークで自身の最初のバンド、レジャー・クラスを結成した。
バンド活動の傍ら、NYの有名ギター・ショップ“Rudy’s Music Stop”で働いていた彼は、そこでデヴィッド・ノップラー、そして兄のマークと出会う。デヴィッド・ノップラー、そしてハル・リンデスの脱退後、ジャック・ソンニは数百万枚のセールスを記録したバンドの5作目のアルバム『Brothers In Arms』と、それに伴う大規模なワールド・ツアーに参加することになった。
「The Man’s Too Strong」にギター・シンセサイザーのパートを加え、ウェンブリー・スタジアムで行われた“ライヴ・エイド(LIVE AID)”でもバンドと共演した彼の姿は、マーク・ノップラーと並んで、彼らのステージで撮影された不朽のイメージの多くに写っている。
2021年の回顧録『My Life In Dire Straits』の中で、ジョン・イルズリーは次のように記している。
「ギターのハルの交代させるために僕たちはすぐに動かなければならなくなり、マークの友人であるジャック・ソンニをニューヨークからモンセラートに呼び寄せた。危険をはらんだ決断ではあったが、結果、関係者全員に大きな利益をもたらした。ジャックは、ロウアー・マンハッタンのパワー・ステーション(現アバター・スタジオ)から数ブロック離れた、僕たちのお気に入りの店Rudy’s Music Stopで働いていて、そこでマークと出会った。彼の演奏は確かなものだったし、みんなと気が合ったので、ロック史上最も売れたツアーのひとつにジャックが参加することになった。マークが“たまにはファーザー・クリスマス(サンタクロース)を演じるのもいいね”と言っていたのを覚えている」
2000年代に入ると、ジャック・ソンニは楽器小売店“Guitar Centre”のマーケティング・コミュニケーション部門の部長に就任し、後年は文学作品の執筆も手掛けながら、レジャー・クラスでライヴ活動を再開し、ダイアー・ストレイツ・レガシーの仲間入りを果たした。
Written By Paul Sexton
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