映画『フェーム』で名を上げ、『フラッシュダンス』主題歌を歌ったアイリーン・キャラが逝去
1980年公開の映画『フェイム』の主役ココ役で一躍有名になり、自身が歌った同作の主題歌「Fame」はアカデミー歌曲賞受賞を受賞、1983年公開映画『フラッシュダンス』の主題歌「Flashdance… What a Feeling」が大ヒットを記録して、オスカーとグラミー賞の両方を受賞するなど、俳優や歌手として幅広く活躍したアイリーン・キャラ(Irene Cara)が2022年11月25日に63歳で逝去した。
彼女はマイアミで亡くなり、現時点で死因は不明。この訃報は、彼女の広報担当者が公表し、その中ではアイリーン・キャラを「美しく才能のある魂で、その遺産は彼女の音楽と映画を通じて永遠に生き続けるでしょう」と表現している。
<関連記事>
・オリビア・ニュートン=ジョンが73歳で逝去。その功績を辿る
・2022年に亡くなったミュージシャン、音楽業界の関係者たち
その生涯
アイリーン・キャラは1959年3月18日、プエルトリコ人の父とキューバ系アメリカ人の母との間に5人兄弟の末っ子として誕生した。幼い頃からテレビに出演し、最初はスペイン語の番組で、その後、ブロードウェイの作品や1970年代の昼メロ「Love of Life」に出演していた。
主演かつ主題歌も担当したアラン・パーカー監督による1980年の映画『フェイム』にて、アイリーン・キャラは国内外で成功をおさめ、主題歌「Fame」は全米シングルチャートで4位を記録。UK、アイルランド、オランダなどでもベストセラー入り、米ビルボードのダンスチャートでは1位を獲得して、アカデミー歌曲賞受賞を受賞した。同サントラ収録曲では、マイケル・ゴアとレズリー・ゴアの姉弟が作曲したバラード曲「Out Here On My Own」もヒットを記録して自身2度目の全米トップ10入りを果たした。この曲は珍しいことに「Fame」と一緒にアカデミー歌曲賞受賞にノミネートされた。
『フラッシュダンス』での大ヒット
1982年、アイリーン・キャラはデビューアルバム『Anyone Can See』をリリースし、翌年には映画『フラッシュダンス』の主題歌でジョルジオ・モロダー、キース・フォージーと共作した「Flashdance… What a Feeling」でさらに華やかな成功を収めた。
この曲は全米および全世界で1位を獲得し、アカデミー賞歌曲賞、グラミー賞最優秀女性ポップ・ボーカル・パフォーマンス賞、ゴールデングローブ賞最優秀オリジナル曲賞、アメリカ音楽賞最優秀R&B女性アーティスト賞、最優秀ポップ・シングル賞を含む数多くの賞を受賞した。
その後、クリント・イーストウッドとバート・レイノルズ主演の『シティヒート』や、テイタム・オニールと共演した『暴力天使』など俳優として活躍。1987年の『Carasmatic』を最後にメジャーレーベルでのレコーディングキャリアは終了したが、2011年には自身のバンドHot Caramelでアルバムをリリースしている。
Written By Paul Sexton
- オリビア・ニュートン・ジョン アーティストページ
- オリビア・ニュートン=ジョン『Physical』の40周年記念盤が発売
- 80~90年代「カセット・テープ」を売ったアーティスト達
- ヨット・ロック:AORに対する冷やかしから生まれた起源不明のサブジャンル
- 1980年代を代表するダイアー・ストレイツのアルバム『Brothers In Arms』