INXS『KICK』発売35周年を記念して配信された空間オーディオのメイキング映像が公開
INXS(インエクセス)の名作アルバム『KICK』発売35周年を記念して、Apple Musicで独占配信されている空間オーディオ・エディションの制作現場より、プロデューサーのジャイルズ・マーティンが、同アルバムを臨場感あふれる空間オーディオ(イマーシブ・ミックス)へとリミックスするスタジオ作業の様子やメンバーの最新インタビューを収めた新たなメイキング映像が公開された。
<関連記事>
・INXSのアルバム『KICK』が発売35周年を記念して空間オーディオで配信開始
・インエクセスの20曲:世界的成功とマイケル・ハッチェンスの悲劇的な死
・オーストラリアから世界へ羽ばたいたINXS(インエクセス)の軌跡
UK出身で、過去に2度のグラミー賞を受賞している音楽プロデューサーのジャイルズ・マーティンは、この映像の中で次のように語っている。
「このアルバムが、当時13歳だった私をどんな気持ちにさせたのか、世界にどう感じさせたのか、そして彼らがどのようにのし上がり、注目されていったのかについて考えています。私の仕事は、作品を一度バラバラにして、それをまた元に戻すことです。没入型のサウンドを作り上げるためには、アルバム本来のサウンドを再現しなければなりません」
INXSのメンバーであるティム・ファリスもこのアルバムについての議論に加わり、こう語っている。
「没入型ミックス聴くという体験は最初は衝撃的でした。そこには様々な複雑さがあります。とても繊細なバランスが求められるんです」
同じくメンバーのカーク・ペンギリーはこう付け加えた。
「一番最初にそのミックスを聴いた時、“おや、攻撃的なサウンドがちょっと失われてしまったな”と思いました。マーティンは、レコードを作り変える上での最初の通過点への反応を受けて、その途中で失われたロックンロールのヒントを取り戻すために、作業を重ねていきました」
アルバム『KICK』の空間オーディオ・エディションの制作は、そうしたある種のコラボレーション作業によって完成した。INXSにとって『KICK』のように、アーティストのキャリアにとって、欠かせないレコードにおける最も重要な要素は、それを正しく仕上げることなのだ。
声明の中でカーク・ペンギリーは次のように述べている。
「このレコードが最初に録音された35年前の80年代には、アウトボードなど、その時代特有の多くの外部機器が必要でした。それらの機材はもう手に入らないので、今日の技術でレコードを再現し、正確に音を加工してくれたジャイルズには脱帽です。オリジナル・アルバムのサウンドが3D空間に広がっているような、とても素晴らしい音に仕上がっています」
Written By Larisha Paul
INXS『KICK』空間オーディオ
2022年4月4日配信開始
Apple Music
- INXS アーティストページ
- INXSのアルバム『KICK』が発売35周年を記念して空間オーディオで配信開始
- インエクセスの20曲:世界的成功とマイケル・ハッチェンスの悲劇的な死
- オーストラリアから世界へ羽ばたいたINXS(インエクセス)の軌跡
- INXS、自身初の全英No.1アルバム『Welcome To Wherever You Are』
- クラシック・ポップ関連記事