第65回グラミー賞授賞式でヒップホップの誕生50周年を祝う盛大なトリビュート・ステージが披露
米LA時間2023年2月5日に開催された第65回グラミー賞授賞式で、クエストラヴとLL・クール・Jによってキュレーションされたヒップホップの誕生50周年を祝う壮大なトリビュート・ステージが繰り広げられた。
ザ・ルーツのブラック・ソートによるMCから幕開けしたこの日のステージには、RUN DMC、DJ・ジャジー・ジェフ、クエストラヴら、ヒップホップ界の錚々たる面々が集結した。披露された楽曲はプレイリストにまとめました（Apple Music / Spotify / YouTube）。
＜関連記事＞
・【まとめ】2023年、第65回グラミー賞全受賞者とパフォーマンス楽曲
・ヒップホップ・ヒーローズ：ゴールデン・エイジ
・ヒップホップ・ヒーローズ：2000年以降のラップ新世紀
自身のトレードマークでもあるラジカセと共に「I Can’t Live Without My Radio」を披露したLL・クール・Jは、ソルト・ン・ペパにステージを譲り、続くラキムもクエストラヴのドラム演奏で「Eric B is President」を披露。
パブリック・エナミーのチャックDとフレイヴァー・フレイヴによる「Rebel Without A Pause」のパフォーマンス後には、間髪入れずに再びLL・クール・Jとブラックソートが登場し「El Shabazz Skit」をパフォーマンス。
ヒューストンの伝説的ラッパー、スカーフェイスは、自身のグループ、ゲトー・ボーイズの「Mind Playing Tricks On Me」の一節を披露した後、アイス-Tの「New Jack Hustler (Nino’s Theme)」にステージを引き継ぎ、クイーン・ラティファによる「U.N.I.T.Y.」に続いて登場したメソッド・マンはウータン・クランのロゴをバックに「Method Man」パフォーマンスを披露し、観客席にいるジェイ・Zが思わず一緒にラップする姿も目撃されている。ビッグ・ボーイがステージに現れ、アウトキャストのヒット曲「ATLiens」を披露する場面では、観客席のファレルが満面の笑みを浮かべていた。
バスタ・ライムスは「Put Your Hands Where My Eyes Could See」と「Look At Me Now」の超高速ラップで観客を沸かせ、ミッシー・エリオットは不朽の名曲「Lose Control」を披露。
ミッシー・エリオットのパフォーマンス後は、クイーン・ラティファがMCで繋ぎ、続いてネリーが自身のヒット曲「Hot In Herre」を、ベイエリアを代表するラッパー、トゥー・ショートは「Blow The Whistle」を披露した。
その後も、DJドラマのターンテーブルにアシストされながらザ・ロックスとスウィス・ビーツが「We Gonna Make It」を披露したかと思えば、リル・ベイビーが中央ステージから「A Milli」をパフォーマンス。ヒップホップ界の新星、グロリラによる「F.N.F. (Let’s Go)」に続いて、リル・ウージー・ヴァートが得意のダンス・パフォーマンスでステージを盛り上げ、壮大なメドレーを締め括った。
LL・クール・Jは、この記念すべきトリビュート・パフォーマンスの最後に、ヒップホップの繁栄に貢献した世界各地の都市に感謝の意を述べ、ヒップホップの誕生50周年を祝った。
また、ドクター・ドレーにちなんで名付けられ、ブラック・ミュージックに貢献し、世界中にポジティブなインパクトを残したアーティストに贈られるグラミー賞の新部門“ドクター・ドレー グローバル・インパクト賞”の記念すべき第1回には、ドクター・ドレー本人が選ばれている。
Written By Sam Armstrong
披露された楽曲はプレイリストにまとめました
（Apple Music / Spotify / YouTube）
Grandmaster Flash, Barshon, Mele Mel, Rahiem & Scorpio 「Flash to the Beat / The Message」
Run-DMC「King of Rock」
LL Cool J「I Can’t Live Without My Radio」
DJ Jazzy Jeff「Rock the Bells」
Salt-N-Pepa and DJ Spinderella「My Mic Sounds Nice」
Rakim「Eric B. Is President」
Chuck D & Flavor Flav (Public Enemy)「Rebel Without a Pause」
Black Thought, LL Cool J「El Shabazz Skit」
De La Soul「Buddy」
Scarface「Mind Playing Tricks on Me」
Ice-T「New Jack Hustler (Nino’s Theme)」
Queen Latifah「U.N.I.T.Y.」
Method Man「Method Man」
Big Boi「ATLiens」
Busta Rhymes with Spliff Star「Put Your Hands Where My Eyes Could See / Look At Me Now」
Missy Elliott「Lose Control」
Nelly with City Spud「Hot In Herre」
Too $hort「Blow The Whistle」
Swizz Beatz & The Lox「We Gonna Make It」
Lil Baby「Freestyle」
GloRilla「F.N.F. (Let’s Go)」
Lil Uzi Vert「Just Wanna Rock」
- 【まとめ】2023年、第65回グラミー賞全受賞者とパフォーマンス楽曲
- 史上最高のグラミー・パフォーマンス18選【動画付き】
- 復興した21世紀のモータウン：ヒップホップを取り入れた現代アメリカのサウンド
- 政治的で社会性を持つコンシャス・ヒップホップのベスト20曲
- ヒップホップと政治問題の歴史
