ヒドゥル・グドナドッティル、アカデミー賞受賞スピーチ訳。『ジョーカー』サントラで作曲賞を受賞
2020年2月10日に行われた第92回アカデミー賞授賞式にて、映画『ジョーカー』が作曲賞を受賞し、作曲を担当したアイスランド人アーティストのヒドゥル・グドナドッティルが登壇しました。作曲賞の受賞は女性としては史上4人目、1997年以来23年ぶりとなります。
今回のアカデミー賞は、監督賞候補に女性監督が一人もいないことが批判されていましたが、ヒドゥルはそのことも含んだのか、女性たちへのメッセージでスピーチを締めくくりました。その全文をご覧ください。
#Oscars Moment: Hildur Guðnadóttir (@hildurness) wins Best Original Score for @jokermovie. pic.twitter.com/uwrOuBszuD
— The Academy (@TheAcademy) February 10, 2020
本当に感動しています。アカデミーの皆さん、私を温かく迎えてくれてありがとうございます。ただただ、なんと言ったらいいのかわかりません。
この賞にノミネートされた方は、皆さん巨匠ばかりで。皆さんと知り合うことができてとても光栄です。とても特別でした。
映画作曲家の創造性というのは、監督との対話によってのみ生まれるものです。トッド・フィリップス、あなたは私をこの旅に招待し、とても注意深く耳を傾けてくれ、寛大でもありました。とてもとても感謝しています。
私の家族が今日はここにきています。私の素敵な夫のサム、私の愛する人で、親友、そして私の分身。あなたなしでは、路頭に迷っていたことでしょう。母と息子のコ―ディン、ここからは姿はみえないけど本当に愛しています。
自分の内側で沸き立つ音楽が聞こえる女の子たち、女性たち、母たち、娘たち。声をあげてください、私たちはみなさんの声が必要なのです。
ヒドゥル・グドナドッティル
『ジョーカー(オリジナル・サウンドトラック)』
iTunes / Apple Music / Spotify
ヒドゥル・グドナドッティルが2020年1月に公開した新曲。タイトルは「People Get Faces」という意味
- ヒドゥル・グドナドッティル:『ジョーカー』『チェルノブイリ』で絶賛される作曲家
- 映画『ジョーカー』の劇中にはクリームやシナトラらの楽曲が使用
- ジョーカーはなぜシナトラを口ずさむのか?
- “現実はアートを模倣する”『サタデー・ナイト・フィーバー』の意外な真相と虚構
- 映画『メッセージ』にマックス・リヒターが使われた理由とは
- 『スター・ウォーズ エピソード4』のスコアが持つ革新性
- 史上最高の映画音楽BEST50【全曲試聴付き】
- ハリウッド史上最高の映画挿入歌50選
- 映画音楽作曲家とサントラの歴史