フランク・ザッパ『Whisky a Go Go, 1968』発売を記念した新動画が公開
フランク・ザッパ&マザーズ・オブ・インヴェンション(Frank Zappa & The Mothers Of Invention)の歴史に迫るYouTubeシリーズ“The Whisky a Go Go”より新たにエピソード4が公開され、案内人を務めるジョー・トラヴァース(ザッパ家のテープ倉庫管理人)と元GTO’sのパメラ・デ・バーが、彼らが初めてウィスキー・ア・ゴーゴーでパフォーマンスした夜を振り返っている。
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動画の内容
ジョー・トラヴァースは、彼らが実際にパフォーマンスしたのはステージ上ではなく、フロアだったことを明かし、その経緯を次のように説明している。
「ジョニー・リヴァースは当時のハウス・バンドだった。彼らが休暇に入ったんだけど、ステージから機材を移動させなかったから、フランクをこの梁の前の床にセットアップさせたんだ。この場所は今も当時のままだよ。それを証明する写真があるから、そうだとわかるんだ」
パメラ・デ・バーがこう訊ねる。
「じゃあ、みんな階段の前に座っていたの?」
ジョー・トラヴァースは笑いながらこう答える。
「いや、みんな立っていたんだけど、とても滑稽だった。とはいえ、彼らは幸運を掴んだんだ。ウィスキー(・ア・ゴーゴー)で演奏できたんだから。ここは文字通り、約60年前に歴史が作られた場所だ。そうして今、僕たちがここにいる」
伝説的ライブが発掘されて発売
このYouTubeシリーズ“The Whisky a Go Go”は、6月21日にリリースされたフランク・ザッパ&マザーズ・オブ・インヴェンションのライヴ・アルバム『Whisky a Go Go, 1968』を記念して企画されたものだ。
サンセット大通り8901番地にあるウィスキー・ア・ゴーゴーは、フランク・ザッパと彼のバンド、マザーズ・オブ・インヴェンションが1968年7月23日に伝説的なパフォーマンスを行った場所であり、その公演はライヴ・アルバムとしてリリースされるはずだった。このライヴを宣伝するため、フランク・ザッパはロサンゼルス・フリープレス紙に次のような手書きの広告を掲載した。
「マザーズ・オブ・インヴェンションは、1968年7月23日にウィスキー・ア・ゴーゴーを5時間にわたって占拠し、前例のない楽しみを提供するイベントに皆様を誠意をもってご招待します。このイベントは、次のレコードアルバムのために秘密裏に録音されます。ドレスコードは自由。開始時間は夕方付近です。R.S.V.D.T.」
アーメット・ザッパとジョー・トラヴァースがプロデュースしたこの膨大なコレクションは、55年以上の歳月をかけて制作されたもので、マザーズ・オブ・インヴェンションが伝説的な夜に行った3ステージのパフォーマンスが全て収められている。同アルバムは、クレイグ・パーカー・アダムス(ウィンズロー・コネチカット・スタジオ)がオリジナルの1インチ8トラック・アナログ・テープをハイレゾ96kHz / 24bitでデジタル化し、ジョン・ポリート (オーディオ・メカニクス) がマスタリングを手がけた2023年を最新マスターを使用。
180g重量盤ブラックヴァイナルの5LPと3CDの2形態で発売中のスーパー・デラックス・エディションのボックス・セットには、ジョージ・ロドリゲスが撮影した当時の秘蔵写真など、貴重な資料の数々を掲載した英文ブックレットに加え、ジョー・トラヴァースによる包括的なライナーノーツ、元GTO’sのパメラ・デ・バーの回想録、同日のライヴに出演していたアリス・クーパーとザッパの息子であるアーメット・ザッパの対談が付属する。
Written By Tim Peacock
2024年6月21日発売(5LPは7月12日発売)
SHM-CD /5LP/ iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music
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