フリートウッド・マックのクリスティン・マクヴィーが79歳で逝去。その功績を辿る

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Christine McVie - Photo: Kevin Mazur/Getty Images

フリートウッド・マックのリード・ヴォーカルとキーボード奏者として知られるクリスティン・マクヴィー(Christine McVie)が79歳で逝去した。フリートウッド・マックの公式ツイッターは次のように追悼を捧げている。

「クリスティン・マクヴィーの訃報を知り、悲しみを表す言葉もありません。彼女は真の意味で唯一無二の存在で、特別で、計り知れない才能の持ち主でした。彼女は誰もがバンドが望み得る最高のミュージシャンであり、誰もがその人生で望み得る最高の友人でした。彼女と人生を共にすることができて、私たちは本当に幸運でした。個人として、そしてバンドとして、私たちはクリスティンを深く愛していましたし、彼女との素晴らしい思い出に感謝しています。彼女の死はとても惜しまれることでしょう」

クリスティン・マクヴィーは今年6月、過去3作のソロ・アルバムからの楽曲を収録したコンピレーション『Songbird』をリリースしたばかりで、2017年にはバンドメイトであるリンジー・バッキンガムとジョイント・アルバムを発表していた。

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キャリア初期とフリートウッド・マックへの加入

1943年、ランカシャー州の湖水地方の村バウスでクリスティン・パーフェクトとして生まれたクリスティン・マクヴィーは、バーミンガム近郊で育ち、1960年代に地元のビート・バンドで音楽活動をスタートした。

彼女の最初の成功は、当時ライヴアクトとして高い人気を誇っていたブルース・バンドのチキン・シャックでのことで、彼女がヴォーカルを務めたエタ・ジェイムズの「I’d Rather Go Blind」のカヴァーがイギリス国内でヒットを記録した。

1970年にベースのジョン・マクヴィーとの結婚を機に、彼の姓を名乗り、フリートウッド・マックに加入した彼女は、すぐにバンドの先駆的なポップ・サウンドに欠くことのできない重要メンバーとなった。

ピーター・グリーン時代の成功を維持するために奮闘し、1970年代前半にはバンドメンバーが何度も入れ替わる中、彼女とアメリカ人のボブ・ウェルチは『Bare Trees』『Penguin』『Mystery To Me』などの過小評価されているアルバムで彼らのサウンドの主軸を担うようになる。

クリスティン・マクヴィーの独特の歌声とピアノの演奏スタイル、そして彼女の書く曲の優しさは、数百万枚を売り上げた大ヒット・アルバム『Rumours』からの全英TOP10ヒット「You Make Loving Fun」など、バンドの多くの代表曲を生み出した。

ソングライターとしての彼女の最大のヒット曲は、全英チャート最高3位を記録した「Don’t Stop」だが、「Over My Head」や「Songbird」などのバラード曲も同様に賞賛された。

 

生前のクリスティンの発言

クリスティン・マクヴィーは、長年在籍したフリートウッド・マックでの活動について常に率直かつ正直であった。1988年5月13日に行われたガーディアン紙のマーク・クーパーとのインタビューの中で、彼女はバンドとの関係についてこう説明している。

「それはちょっとしたメロドラマみたいなもので、そう言われても気にしません。このバンドにはいつも奇妙なことが起こるんです。その渦中にいると、哲学的になる。新メンバーはバンドに新しい息吹を与え、バンドは再び勢いを取り戻す。今回はアルバム間隔を5年も空けるつもりはありません。私たちのキャリアを通じて、多くの多様なメンバー交代がありました。このバンドでは何でもありで、ひとつのスタイルに安住することはありませんが、ミック(・フリートウッド)とジョンの演奏方法によって、このバンドの演奏はすべてフリートウッド・マックのように聴こえます。彼らのやること全てにシンプルさと基礎をなすクオリティがあるんです」

また、2022年のガーディアン紙のインタビューで、彼女はフリートウッド・マックの最も好きだった時代を回想していた。

「スティーヴィー(・ニックス)とリンジー(・バッキンガム)の時代、あれはかなりセンセーショナルでした。私たちはいろんな場面で喧嘩をしましたが、音楽とステージ上の激しさは格別でした。私たちはUKでは全く振るわなかったので、アメリカに渡って、この長く壮大な音楽の旅に出ることになったんです。当時、スティーヴィーとリンジーはデュオとして活動していて、私が今でも大好きな素晴らしいレコード(『Buckingham Nicks』)を制作したのですが、なかなかうまくいっていなかったんです。そこでミック(・フリートウッド)が彼らを私たちを引き合わせたのだと思います。私たちは、メキシコ料理レストランで会って、マルガリータを何杯か飲みながら、一緒にやってみようということになったんです。みんなでとても小さなリハーサル・ルームに入って、爆竹の如く鳴り響き合いました」

Written By Sam Armstrong



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