エミネム『Revival』収録曲「Nowhere Fast」ロングver.で全米ライフル協会を批判
iHeartRadioアワードのパフォーマンス中に、エミネムが新たなヴァースを「Nowhere Fast」に加え全米ライフル協会 (NRA) を激しく非難してからわずか数日後、『Revival』収録のこの楽曲を改めてロング・ヴァージョンとして録り直したものを発表した。
過去10年に起きた最も悲惨なアメリカの高校での銃撃事件の2つを引き合いに出しながらラッパーはこう歌う
Sandy Hook, Stoneman Douglas, another lone wolf gunman
Sometimes I don’t know what this world has come to
It’s blowin’ up
サンディフック小学校 ストーンマン・ダグラス高校 もう一人の一匹狼殺し屋
時々 この世界がどうなっているのかわからなくなる
破滅しているだろ
エミネムは次に、銃規制を支持しない後ろ盾がある政治家たちを非難しながら、全米ライフル協会に対する厳しい批判を開始する。新しいヴァースを不吉な音で締めくくる前に、ラッパーは続ける。
They love their guns more than their children
Shh, I think another [gunman] just entered our building…
やつらは子供よりも銃を愛しているんだ
静かにするんだ もう一人のガンマンが俺たちのビルに侵入したみたいだ
「Nowhere Fast」のオリジナル・ヴァージョンでは、テロ攻撃や北朝鮮の核戦争、その他の重大な懸念にエミネムは失望していた。そしてこのロングヴァージョンはエミネムの悲観的な世界観をより浮き彫りにしている。
The world’s screwed, it’s already fuked
世界はめちゃくちゃだ すでにくたばっている
Ashes blowing in the air
The world’s on fire, but we don’t care
灰が空に漂い
世界は燃えている でも俺たちは気にしないんだ
これから数ヶ月の間、コーチェラ・フェスティバル、ボナルー・フェスティバル、ガバナーズ・ボール、ファイヤーフライ・ミュージック・フェスティバル、ボストン・コーリング・ミュージック・フェスティバルとヘッドライナーを務める予定のラッパー、エミネムは「Nowhere Fast」のロング・ヴァージョンを演奏することも期待されている。
iHeartRadioアワードでのエミネムによる「Nowhere Fast」のパフォーマンスのプレゼンターとなったのはストーンマン・ダグラス高校乱射事件の生存者であるアレックス・モスクワだ。彼は事件についてこのように述べている。「お悔やみの言葉を述べるだけで、このような悲劇を繰り返さないための必要な改革を行わない政治家にはうんざりです。もし選挙で選ばれた政治家たちが、僕らの身を安全に守るための正しい策を取ってくれないのであれば、僕らは無視するわけにはいかないほど大きな声をあげていきます」。
2017年12月にリリースされたエミネムの最新作『Revival』は初週に13万2千枚のアルバムを売り上げて、全英アルバム・チャートでは1位を獲得。エド・シーランの『÷ (ディバイド)』の後にこの年の2番目に大きな売り上げとなり、エミネム8枚目となる連続的なナンバーワン・アルバムとなった。また全米アルバム・チャートでも首位を収めたこの8枚目の継続的なアルバムは、エミネムがチャート上位に立て続けに8度目のチャートインした最初のミュージック・アクトであることを確かなものとした。
Written by Tim Peacock
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