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トニ-・トニ-・トニ-の創設メンバー、ドゥエイン・ウィギンスが64歳で逝去。その功績を辿る
“ニュー・ジャック・スウィング”ブームをけん引したグループ、トニ-・トニ-・トニ-(Tony! Toni! Toné!)の創設メンバーであるドゥエイン・ウィギンス(D’Wayne Wiggins)が、膀胱がんのため64歳で逝去した。
この訃報をSNSで伝えた彼の遺族は次のように述べている。
「ドゥエインの人生は比類なきものであり、彼の音楽と活動は、故郷であるカリフォルニア州オークランドを含め、世界中の何百万人もの人々に影響を与えました。彼はギタリスト、プロデューサー、作曲家、慈善家、指導者であり、トニ-・トニ-・トニ-の創設メンバーでした。彼は、新進の若手アーティストの育成と指導に深い情熱を注ぎ、多くの才能あるミュージシャンの初期のキャリア形成を支えてきました」
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その生涯
ドゥエイン・ウィギンスは、1980年代に弟のラファエル・サディークといとこのティモシー・クリスチャン・ライリーと共にオークランドでトニ-・トニ-・トニ-を結成。
R&B、ジャズ、ヒップホップ、ポップ、ダンスを融合させたサウンドで、ニュー・ジャック・スウィング・ムーブメントの中心的存在となった。彼らの音楽はブルーノ・マーズからNewJeansまで、後の世代のアーティストにもインスピレーションを与え続けている。
トニ-・トニ-・トニ-が1988年にウィング・レコードからリリースしたデビュー・アルバム『Who?』からは、「Little Walter」や「Baby Doll」などのヒット曲が生まれ、全米レコード協会(RIAA)よりゴールド認定を受けた。
続く1990年の『The Revival』はさらなる成功を収め、プラチナ認定を達成した。1993年にリリースした3作目のアルバム『Sons of Soul』からの「Anniversary」は、1994年のグラミー賞で“最優秀R&Bソング”と“最優秀R&Bパフォーマンス(ヴォーカル入りデュオまたはグループ部門)”に初ノミネート。
1996年の『House of Music』がグループにとって最後のスタジオ・アルバムとなったが、2005年には“Just Me and You Tour”で一時的に再結成し、2023年にも再びステージに立った。
ドゥエイン・ウィギンスはグループの再結成当時、CNNのインタビューで「自宅にいるような安心感に勝るものはないし、一緒にステージに立つのは、まるで自宅のリビングで過ごしているような感覚なんだ」と語っていた。
2000年には、セルフ・プロデュースによる唯一のソロ・アルバム『Eyes Never Lie』を発表しているが、彼の才能はそれにとどまらず、ソングライター、プロデューサーとして多くのアーティストのアルバムにも貢献している。彼が手掛けたヒット曲の中には、デスティニーズ・チャイルドの「Fancy」、「Killing Time」、「My Song」、クリスティーナ・アギレラの「Impossible」、アリシア・キーズの「Diary」などがある。
Written By Sam Armstrong
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