エルトン・ジョン、ローリング・ストーンズのアレンジャーだったポール・バックマスターが死去

Published on

グラミー受賞者のアレンジャー、そしてエルトン・ジョンやデヴィッド・ボウイ、ザ・ローリング・ストーンズらと一緒に活動を行ってきたアーティスト、ポール・バックマスターが71歳で亡くなった。死因は明かにされていない。

ポール・バックマスターの事務所、マクダニエル・エンターテインメント社は亡くなったポール・バックマスターへの追悼をツイートした。「私たちの愛する友人であり、長年の仕事仲間であるポール・バックマスターが亡くなったことをお知らせするのは心が非常に重いです。ポールの象徴的なアレンジメントは世界に届き、そして彼の死は深く惜しまれるでしょう。情報共有が可能になりましたら詳細をお知らせします」。

ポール・バックマスターの母親はコンサート・ピアニストだった。子供のころからポール・バックマスターはロンドンのプライヴェート・スクールでチェロを学んだ。意外なことに学校教育が終わるまで彼はどうやってレコードをアレンジするのかすら学んだことがなかった。

恐らくポール・バックマスターによるオーケストラのアレンジメントとして一番知られているのは、デヴィッド・ボウイの『Space Oddity』、エルトン・ジョンの初期アルバム『Elton John(邦題: 僕の歌は君の歌)』、『Tumbleweed Connection(邦題: エルトン・ジョン3)』と『Madman Across The Water(邦題: マッドマン)』、そしてポール・バックマスターがオーケストラをアレンジ、指揮したザ・ローリング・ストーンズの「Moonlight Mile」や「Sway」が収録された『Sticky Fingers』だろう。彼のアレンジメントは、ニルソンの「Without You」やカーリー・サイモン「You’re So Vain(邦題: うつろな愛)」、そしてガンズ・アンド・ローゼズの『Chinese Democracy』に収録の「Madagascar」で聴くことができる。

「ポールは彼に価するほどの功績は認められてきていなかったと思う」とエルトン・ジョンは1973年、ローリング・ストーンズ誌に語っている。「彼は非常に多くのストリングス作曲家に影響を与えてきたと思うよ、特に ”Elton John(邦題: 僕の歌は君の歌)” では。みんなポール・バックマスターをつまみとっていた。例えば、ジョン・レノンの『Imagine 』とかね。つまんだとは言わないけど、でも彼は「How Do You Sleep(邦題: 眠れるかい?)」にたくさんのストリングスを使っている。ポール・バックマスターがやるまでは、そんなにストリングスを使う人はいなかったと思うんだ。感傷的になることもなく、恐ろしくなることもなく、ストリングスを使えるということをポール・バックマスターは彼らにやってみせたんだ」。

また彼がデヴィッド・ボウイと共にアレンジを手伝い、制作を行った映画『地球に落ちてきた男』やニルソン主演の映画『夜の悪魔』のサウンドトラックなどポール・バックマスターは作曲同様に演奏もこなした。

最近、ポール・バックマスターがコラボレートを行ったのはハートの2016年発売アルバム『Beautiful Broken』、そして1位となったテイラー・スウィフトの「Speak Now」である。2002年にはトレインの「Drops of Jupiter」のアレンジでも彼はグラミー賞を受賞した。

彼のファンはもちろん、1984年にイギリスで2位となった「Break My Stride(邦題: 想い出のステップ)」の長年の共同製作者であったマシュー・ワイルダーなど今まで一緒に活動してきた仲間たちはソーシャルメディア上でポール・バックマスターの死を追悼している。

Written by Tim Peacock


Share this story

Don't Miss

{"vars":{"account":"UA-90870517-1"},"triggers":{"trackPageview":{"on":"visible","request":"pageview"}}}
モバイルバージョンを終了