ミラクルズのシンガー/ソングライターのウォーレン・ピート・ムーアが死去
モータウンを代表するグループ、スモーキー・ロビンソン率いるミラクルズのボーカリスト、そしてソングライターとして活躍したウォーレン・ピート・ムーアが11月19日、ラスベガスで亡くなった。享年78歳だった。この記事を書いている現在(2017年11月22日)死因はまだわかっていない。
「素晴らしい人間であり、モータウン・ファミリーの貴重なメンバーであるウォーレン・ピート・ムーアが亡くなった知らせを聞いて深い悲しみに包まれています」とモータウン・レコードの創設者、ベリー・ゴーディーはローリング・ストーンズ誌に伝えた。「ピートは私たちの一番最初のグループ、ザ・ミラクルズのオリジナルメンバーでした。スモーキー・ロビンソンの柔らかく、独特なリードボーカルの後ろで素晴らしいベース・ボイスを持つ寡黙な人でした。ミラクルズのヒット曲も幾つか共同で制作していました」。
ムーアはロビンソンの幼馴染だった。彼らはデトロイトで育ち、10代のころに、のちのミラクルズとなるボーカル・グループを一緒に結成した。アメリカで26曲もトップ40入りしたグループのヒット曲には、「You’ve Really Got A Hold On Me」や「Shop Around」などがある。1970年には、「The Tears of a Clown(邦題: 涙のクラウン)」がイギリスとアメリカのポップチャートで1位となった。ミラクルズはベリー・ゴーディーが手がけたモータウン・レコードの最も早い成功事例のひとつだった。
ムーアは「The Tracks of My Tears(邦題: 涙のトラック・ドライブ)」や「Ooo Baby」、そして数百万枚のセールスを誇る米Billboard誌で1位となった「Love Machine(邦題: ラブ・マシーン)」など多数のミラクルズの楽曲を共同で手がけていた。またムーアはロビンソンと一緒に、テンプテーションズの「It’s Growing」や「Since I Lost My Baby」のほか、1,000万枚セールスを記録したマーヴィン・ゲイの「Ain’t That Peculiar(邦題: あなたなしでは)」と「I’ll Be Doggone」の2曲の楽曲も手がけている。
スモーキー・ロビンソンに次ぐミラクルズの最も多作なソングライターとして、ムーアが作曲し、提供してきた楽曲はリンダ・ロンシュタット、マイケル・ジャクソン、マーヴィン・ゲイ、アネサ・フランクリン、ジョージ・マイケル、ローリング・ストーンズ、ラムゼイ・ルイス、トム・ジョーンズ、ルーサー・ヴァンドロス、テンプテーションズ、フォー・トップス、そしてデビー・ブーンによってレコーディングされてきた。
1987年にはロビンソンのみがロックの殿堂入りを果たしたが、その決定を覆すかのように、2012年ムーアはミラクルズの他メンバーと共に特別委員会によってロックの殿堂入りを果たし、バンドにはハリウッド・ウォーク・オブ・フェームの星形プレートも2009年に与えられた。
スモーキー・ロビンソンはツイッターで彼のバンド仲間を追悼した。「ピート・ムーアは僕が11歳の頃からの兄弟だ。彼を亡くしたことを本当に寂しく思う」
Written By Tim Peacock
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