シルク・ドゥ・ソレイユ『ザ・ビートルズ・ラブ』の出演者がザ・ビートルズとの特別な繋がりを明かす独占インタビュー
2006年の初演以来、大絶賛されている『ザ・ビートルズ・ラブ』は、ザ・ビートルズの音楽を、シルク・ドゥ・ソレイユがサーカス仕立ての芸術的ステージセットとアクロバットなパフォーマンスで再解釈、再創造した劇場公演だ。
過去に3度のグラミー賞を受賞したシルク・ドゥ・ソレイユとザ・ビートルズのアップル・コアによる共同プロジェクト『ザ・ビートルズ・ラブ』は、ザ・ビートルズ作品の独創的な世界観にインスパイアされて制作。ワールドクラスの空中曲芸師や曲芸師、ダンサーたちによって命を吹き込まれた“ロックンロール・ポエム”と称されている。
ザ・ビートルズの伝説的プロデューサーとして知られるジョージ・マーティンの息子で、『ザ・ビートルズ・ラブ』の音楽監督ジャイルズ・マーティンは、“ザ・ビートルズとスタジオの中にいる感覚を最もリアルに体験できるショウ”として注目されるこの公演のサウンドトラックのために徹底的なリミックスを施して2006年11月に『LOVE』として発売。『ザ・ビートルズ・ラブ』のリスニング体験をさらなる高みへと押し上げた。
ラスベガスのミラージュに特別に建設された360度の劇場で上演されている『ザ・ビートルズ・ラブ』に出演する2人のシルク・ドゥ・ソレイユのメンバー、俳優ウイス・デ・ビュイッソンと曲芸師ソフィア・シングルトンがuDiscover Musicのインタビューに応じ、ザ・ビートルズの音楽と彼ら自身の繋がりについて語ってくれた。 インタビュー全編は下記の映像でご覧いただけるが、記事の中でもその一部をご紹介しよう。
ザ・ビートルズの音楽を初めて聴いたのは?
ソフィア:リヴァプールで生まれ育った私にとって彼らはとても身近な存在でした。私は以前ペニーレインのすぐ側に住んでいたので、車でその前を通りかかった時、なぜみんなが道路標識の写真を撮っているのか母に尋ねた記憶があります。母はまだとても幼かった私に説明してくれました。ザ・ビートルズと観光文化の中心地だったリヴァプールで育ったことは幸運だったと思います。
ウイス:僕は南アフリカで生まれ育ったので、幼い頃はザ・ビートルズの音楽にあまり触れる機会はありませんでした。僕にとってザ・ビートルズの最初の思い出は、僕の親友のお父さんが車の中で流していた彼らの曲を聴いていたことです。 それから、学校の歌のクラスでも「Ob-La-Di, Ob-La-Da」を歌っていたんですが、あれがザ・ビートルズの曲だと知ったのは、随分後になってからでした。
『ザ・ビートルズ・ラブ』でお気に入りのシーンは?
ソフィア:このショウのオープニング・シーンは最高の出来です。私は身内だから贔屓目もあるかもしれませんが、本当に素晴らしいんです。 ちょっと不気味なスタートですが、そこからすぐに「Get Back」に入って、ステージが爆発します。音楽のクオリティと、劇場中で感じられる興奮…それがお気に入りの瞬間なんです。
『ザ・ビートルズ・ラブ』の1番の魅力は?
ウイス:それはこのショウが視覚的にとても見応えがあって、クレイジーだという点だと思います。 この「ザ・ビートルズ・ラブ」は「ロック・ポエム」と呼ばれることがありますが、それはこのショウが本当に詩情に溢れているからです。また、このショウにはマッケンジー神父やエリナー・リグビー、ドクター・ロバートといったキャラクターが登場しますが、ジョン、ポール、ジョージ、リンゴはいません。 これはまさに、ザ・ビートルズが、彼らの音楽によって創り出した世界なんです。
ポール・マッカートニーやリンゴ・スターに会ったことは?
ソフィア:私は、このショウが進化して新たに生まれ変わった3年ほど前に、キャストに加わったばかりです。リンゴとポールが2人揃って初演を観に来てくれたんですが、その時はあまりお話しすることはできませんでした。だた、ポールは少なくとも年に一度は観に来てくれているので、彼に自己紹介をして、リヴァプール出身だと伝えることができました。 彼は私の話や、私がどんな風にしてこの場所に辿り着いたのかを熱心に聞き入ってくれました。ポールとそんな繋がりが持てて本当に嬉しかったです。 ポールが毎年観劇にきてくれて、このショウを誇りに思っていると私たちに言ってくれる度に、私たちの頑張りが報われていると感じるんです。私たちは、ザ・ビートルズの音楽遺産を存続するために、今シルク・ドゥ・ソレイユにいるのだと思っていますし、ポールとリンゴがこのショウを高く評価してくれているのは特別なことです。
Written By Tim Peacock
『Abbey Road』50周年記念エディション:フィジカル6形態とデジタル配信にて発売
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