クリス・コーネルのキャリアを総括したアルバム『Chris Cornell』がグラミー賞＜最優秀レコーディング・パッケージ＞を受賞

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1月 30, 2020

ItoMasaki

Photo: Jason Merritt/Getty Images

故クリス・コーネルの未発表スタジオ・アルバム曲とライヴ音源全17曲を収録した2枚組アナログ盤『Chris Cornell』が、第62回グラミー賞で＜最優秀レコーディング・パッケージ＞を受賞し、音楽業界での評価がますます高まっている。今作がグラミー賞を受賞するのは今回が2度目で、昨年の第61回グラミー賞では、今作に収録の未発表曲「When Bad Does Good」が＜最優秀ロック・パフォーマンス＞を受賞していた。

『Chris Cornell』は、シンガーとしてのみならず、詩人、そして現代ロック界が誇る最も多作な作曲家であり、最も偉大な世代の代弁者の1人だったクリス・コーネルの人生とレガシーを記念するアルバムである。

妻のヴィッキー・コーネルが、彼のファンのために、彼が遺した膨大な作品と音楽史への功績を総括する特別なアルバムをつくりたい思ったのがきっかけとなり、彼が在籍した3つの重要バンド、サウンドガーデン、テンプル・オブ・ザ・ドッグ、オーディオスレイヴ、そしてソロ作の中から選りすぐりの楽曲をまとめたものが今作である。ヴィッキー・コーネルは、生前クリス・コーネルが信頼を寄せていた長年の共作者である音楽プロデューサーのブレンダン・オブライエンと、このパッケージによってグラミー受賞者となったジェフ・アメンに今作の制作を託した。

So honored and so proud! Congratulations #JeffAment #BarryAment, thank you for this amazing work of art, your dedication and love for Chris – you put your hearts into it. I know he would be so proud. Thank you @RecordingAcad. #GRAMMYs pic.twitter.com/pDkB0i9TEw

— Chris Cornell (@chriscornell) January 26, 2020

ヴィッキー・コーネルはグラミー賞授賞式のスピーチでこう感謝の意を述べている。

「ジェフ・アメンと、クリスへの愛に溢れるオマージュとなる、このような美しい芸術作品の制作を最初から最後まで手助けしてくれた関係者の皆さんに感謝します。彼も（この受賞を）とても誇りに思ってくれているはずです。そして彼のレガシーを残していくために愛とサポートを送ってくださっているファンの皆様には本当に感謝しています。彼の記憶をその心に留めていただけていることに、私も子供たちも心から感謝します。クリス・コーネルよ、永遠なれ」

クリス・コーネルが自らプロデュース、録音、ミックスの全てを手掛けた「When Bad Does Good」は、彼のパーソナル・アーカイブから発見された。クリス・コーネルにとってお気に入りの1曲だったというこの未発表曲は、友人のジョシュ・ブローリンがヴィッキー・コーネルにその存在を知らせたことで新たに発掘され、ファンに公開された後、昨年の第61回グラミー賞で＜最優秀ロック・パフォーマンス＞を受賞していた。

アルバム『Chris Cornell』は、今年グラミー賞を受賞した2枚組アナログ盤のパッケージ以外にも、4枚組CDのデラックス・エディション、1CD、デジタル配信、そして2018年に一度リリースされた後、絶大な需要により2019年に再発された限定カラー・ヴァイナル入りのスーパー・デラックスLPボックス・セットといった多形態で入手可能である。豪華ボックス・セットは、クリス・コーネル財団を代表して、妻ヴィッキー・コーネルの働きかけによって、ユニバーサル・ミュージック・エンタープライズから再発に至った。

4枚組CDとDVD、そしてカラーヴァイナル仕様の7枚組アナログ（180グラム重量盤）が1つになった限定ボックス・セットには、64曲の音源と24曲の映像（うち11曲の音源と2つの映像が未発表）から成る全88曲と、リネン加工に赤で箔押しされた表紙付き66ページのハードカバーフォトブック（多数のレアフォト、バンドメンバーと関係者によるライナーノーツ入り）、さらにクリス・コーネルが太陽をテーマに制作した3枚の特殊加工が施されたリソグラフ、ターンテーブルマット、ヴァイナル用クリーニングクロス、約90cm×120cmのポスターが収められている。