ケミカル・ブラザーズ、グレイス・ジョーンズらのアルバム・アートを展示
グラフィック・デザイナーのトム・ヒングストンは、レディー・ガガ、ザ・ローリング・ストーンズ、ニック・ケイヴら独創的なアーティストと活動している。このたび、ファッション・デザイナーのポール・スミスのロンドンの店舗において、音楽に関連した作品のエキシビションを開催する。
ヒングストン・スタジオの創設者であり、デザイナーとしての20周年を祝うトム・ヒングストンは、ミュージシャンに提供してきたベスト作品を集めて展示する。『Progress』と題し行われるこの新しい展示会は、トム・ヒングストンのコレクションより16のレコード・スリーヴを展示しており、ケミカル・ブラザーズ、マッシヴ・アタック、グレイス・ジョーンズなど、影響力の強いミュージシャンとのプロジェクトをフィーチャーする。
作品はレンチキュラー・プリントとして作り直され、凹凸のある表面に光が当たることで、見る角度によって深みと動きがあるように見える仕掛けだ。
トム・ヒングストンは、ここ20年間で我々はイメージを紙面で見ることから動画をデジタル・スクリーンで見るようになったことから、表現するためにレンチキュラー・プリントとその技術がもたらすイメージの変化を活用した。レコード・スリーヴなどの有形のものから携帯電話のスクリーンでアートワークを見るようになった変遷に焦点を当てているとデザイナーは話す。
「物理的なスリーヴ、広告板、デジタル形式であろうと、キャンペーンの中心にあるアイコノグラフィーが常に優先されるものです」とトム・ヒングストンは説明する。「異なるメディアを介して作品がどう伝わるかを探求することが、常に我々のアプローチの中心にあります」。
プリントはエキシビションで販売され、すべての収益はティーンエイジ・キャンサー・トラストに寄付される。会場の壁に展示されるプリントの他に、レコード盤、ステッカー、ポスター、そしてヒングストン・スタジオのその他の音楽アーカイヴからの展示品が4つの棚に並べられる。
また、トム・ヒングストンとポール・スミスはエキシビションと同時にアパレルのコラボレーションも行う。ケミカル・ブラザーズやニック・ケイヴなどのミュージシャンのアルバム・アートワークに登場するトム・ヒングストンのカラーやパターンにインスパイアされた3枚のセーターとジャケットを制作。
『Progress』は5月20日まで、ロンドンのメイフェアにあるアルバマール・ストリート9に所在するポール・スミスの旗艦店で開催。入場は無料。
Written by Tim Peacock