62歳でデビューした遅咲きのソウル・マンのチャールズ・ブラッドリー68歳で死去
愛されたシンガーであり、”ソウル・ミュージックの叫ぶ鷹”と言われたチャールズ・ブラッドリーが長い癌との闘病の末、68歳で亡くなった。
「チャールズ・ブラッドリーが亡くなったことを悲しみと共にお伝えします」とパブリシストが声明で発表した。「常にファイターだったチャールズは、2016年の秋に胃がんと診断され、治療を開始して全力で癌と闘っていました。今年の前半には健康を取り戻し、ツアーにも出向きましたが、最近になって癌が再発し肝臓に転移していました」。
「このつらい時に皆様のご支援に感謝します。ブラッドリー氏は本当にファンの皆様の愛情に感謝しており、彼の愛のメッセージが皆さんの記憶に残り、受け継がれていくことを願っています」。
チャールズ・ブラッドリーはステージに立つと衝撃的なまでの存在感を発揮するミュージシャンだった。人生の後半で世界的なソウル・シンガーになるまでに様々な道を辿ってきた。個人的な弊害をいくつも乗り越え、遊牧民のようなライフ・スタイルを送り、その後にブルックリンに拠点を置いて自慢の声でジェームス・ブラウンのモノマネをする”ブラック・ベルベット”として知られるようになった。
昨年癌で命を落としたレーベル・メイトのシャロン・ジョーンズと同様に、チャールズ・ブラッドリーはダプトーン・レコードと契約し、2011年に62歳という年齢でデビュー・アルバム『No Time For Dreaming』をリリースし、晩年になって成功を掴み取った。さらにダプトーンで3枚のアルバムをリリースし、2013年に『Victim of Love』、2016年にブラック・サバスの人気曲のカヴァーからその名をとった『Changes』をリリースした。
チャールズ・ブラッドリーは昨年ローリング・ストーン誌に「今は止まるところが見えないよ、だって止まって満足できること自体考えられないから。ただお客さんのためにライヴをやって、お客さんの中に入った時に感じる愛だったり、みんなとハグしたり、直接かけてくれる言葉がね、すごいんだよ。僕だけがステージに立ってパフォーマンスしているんじゃないんだ。みんなの心を開くことで、僕の心の愛をみんなが感じるんだ。だから中に入って行ったらお客さんは本当に応えてくれるし、話しかけるといろんなことを言ってくれるんだ」。
チャールズ・ブラッドリーの素晴らしい人生とその辿った旅は、2012年パウル・ブライエン監督のドキュメンタリー映画『Charles Bradley: Soul of America』で見ることができる。トレイラーは下記。
Written by Laura Stavropoulos