クインシー・ジョーンズと共に多数のヒット曲を手掛けたブルース・スウェーデン逝去。その功績を辿る

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Photo: Maury Phillips/Getty Images for Pensado Awards

史上最大のヒット曲のいくつかのミックスと録音を手掛けた伝説のオーディオ・エンジニア兼プロデューサー、ブルース・スウェーデン(Bruce Swedien)が2020年11月16日に86歳で逝去した。過去5度のグラミー受賞歴を誇る彼は、クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)の長年のコラボレーターとして、マイケル・ジャクソンの最も象徴的なアルバムに携わった。

ブルース・スウェーデンはその65年のキャリアを通じて、ポール・マッカートニーハービー・ハンコックミック・ジャガーダイアナ・ロス、バーブラ・ストライサンド、ディジー・ガレスピードナ・サマージェニファー・ロペスなど、ジャズやポップス界の錚々たる顔ぶれと仕事を共にしてきた。

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彼の娘ロベルタはFacebookにこう投稿している。

「彼は溢れんばかりの愛と素晴らしい音楽、大きな船、そして美しい結婚生活に恵まれた長い人生を送りました。私たちはそんな彼の人生を祝福したいと思います。彼は皆に愛されていました」

1934年にミネアポリスに生まれた彼は、21歳の時に初のレコーディング作品を手掛けたRCAビクターでそのキャリアをスタートさせた後、ユニバーサル・レコーディングで、“現代レコーディングの父”と呼ばれたビル・パットナムに師事。そこでオスカー・ピーターソンカウント・ベイシー、デューク・エリントンといったジャズ界の巨匠たちと共作を果たし、1962年には、フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズのNo.1ヒット曲「Big Girls Don’t Cry」で自身初のグラミー賞にノミネートされている。

ブルース・スウェーデンが盟友クインシー・ジョーンズに出会ったのもこの頃だった。 以降彼らは、ダイナ・ワシントン、サラ・ヴォーン、レスリー・ゴーアらのアルバムのレコーディングで共作し、多作なクリエイティブ・パートナーシップを築いていく。

2人のコラボレーション作品の中で最も有名なのは、『Off The Wall 』(1979年)、記録的なヒットを記録した『Thriller』(1982年)、『Bad』(1987年)を含むマイケル・ジャクソンの名作アルバムで、彼らは1991年のアルバム『Dangerous』の共同プロデュースも担当。

彼の革新的な技巧は「Billie Jean」「Don’t Stop ‘Til You Get Enough」「Beat It」などの不朽のヒット曲で聴くことができる。

ブルース・スウェーデンとクインシー・ジョーンズの他の共作リストには、ジョージ・ベンソンの1980年のグラミー受賞アルバム『Give Me the Night』や、1978年の『ウィズ』や1985年の『カラーパープル』といった映画のサウンドトラックなども含まれている。

 

クインシー・ジョーンズは自身のインスタグラムで、こう哀悼の意を捧げている。

「私の親愛なる戦友で、伝説的ブルース・スウィーディーンの訃報を知り、悲しみに打ちひしがれています。ブルースが私にとってどれだけ大切な存在だったかを言葉では言い表すことはできません…。彼は間違いなく、業界最高峰のエンジニアであり、私は70年以上もの間、ブルースがミキシング・ボードに座っていなければ、レコーディング・セッションを始める気にはなれませんでした」

クインシー・ジョーンズはまた、ブルース・スウェーデンを“音の天才”と呼び、「私たちは想像を絶する高みに到達し、一緒に歴史を作っていきました」と彼の功績を称えた。

Written By Sophie Smith



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