ブライアン・メイ『Another World』復刻版リリースを記念した新YouTubeシリーズ第1話公開

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4月 14, 2022

ItoMasaki

Brian May - Photo: Richard Gray/Copyright Duck Productions Ltd

クイーンのブライアン・メイ（Brian May）が、1998年に発表した2作目のソロ・スタジオ・アルバム『Another World』の復刻版リリースに先駆けて、今作所縁の土地での思い出について語る新YouTubeシリーズの第1話「Another World：Back To The Tree」を公開した。

全50話にわたるクイーンの最新アーカイヴ・シリーズ「Queen: The Greatest」で知られるサイモン・ラプトンが制作を手掛けた同シリーズは、ブライアン・メイの公式YouTubeチャンネルで公開されたばかりのこの第1話を皮切りに、今後5月中旬にかけて毎週1話ずつ公開される予定だ。

シリーズ第1話「Another World：Back To The Tree」の中で、ブライアン・メイは、1998年にアフリカ北西部の沖に位置するカナリア諸島で2番目に小さな島、エル・イエロ島を訪れ、象徴的且つ歴史的な大木とアルバム『Another World』のジャケット写真の撮影を行った当時、そして2022年3月に同島を再訪した時のエピソードについて語っている。映像は下記よりご覧いただける。

「この木を“私の木（My Tree）”と呼んでいます。実際には、エル・イエロ島のシンボルのような存在です」

彼は、初めてこの木を見て、深い感銘を受けた時のことをこう振り返っている。

「あの大木を初めて見たのは新聞記事に載っていたモノクロ写真でした。何て素晴らしいんだろうと思いました。なぜなら、当時の私は精神的にというか、とにかく辛く、大変な時期を過ごしていましたから。もし自分が変われなかったら、このまま死んでしまうだろうとまで思っていて、なんとか乗り越える術を見つけなければなりませんでした」

「この木は逆境の中、生きてきました。海風や塩水にさらされながらも、どうにか生き延びてきたのです。でもどうやって？適応することです。私はその木に会いに行きたいと思いました。それで、旅行雑誌で見つけたんです。その木は、エル・イエロ島のサビノサという場所にありました。衝動的に、“よし、そこへ行ってみよう”と思ったんです。人生には、衝動任せて行動しなければならない時がありますよね」

「その木と写真を撮る時に、どうしたらその木のようになれるかを考えて、木のポーズを真似るように、私もポーズをとってみました。そして、ほぼ偶然の賜物でしたが、最終的にこの写真のポーズを思い付いたんです。ただ体を曲げて木と一体化するような感じで。そんな風に私はこの木の横にいます」

さらに、この撮影がフォトショップが普及する以前の時代に行われたため、別の苦労もあったことも明かしている。

「当時は写真の加工なんてできませんでしたから、まさに見た目通りです。幸か不幸かあの木は本当に大きくて、僕の2倍くらいはありましたから、思い通りの効果を出すために遠近法を使いました。そうして、あの木は“Another World”の素晴らしいシンボルになったんです」

それから24年後の再訪も感慨深いものがあったという。

「今はロープに囲まれていて、“立ち入り禁止”の標識がありました。私は、その木に駆け寄り、抱きしめて、触れて、あの頃の自分と同じように接したい衝動に駆られましたが、“模範にならなければ”と踏み留まりました。私も皆さん同様に、あそこに不法侵入してはならないのです。あの木に敬意を払い、触れることなく、ただその側で楽しむべきであり、願わくばあと300年はあそこにあってほしいと思っています」

1992年のソロ・デビュー・アルバム『Back To The Light』に続き、オリジナル・シングル「On My Way Up」を収めた1998年の2作目のソロ・アルバム『Another World』が、“ブライアン・メイ・ゴールド・シリーズ”第2弾として4月22日に復刻リリースされる予定だ。ブライアンのトレードマークでもある焼けつくようなギター、忘れられないメロディー、印象的なカヴァー曲を収めたこの復刻版は、2CDとボックス・セットで登場し、未発表のリミックス、レア音源、ライヴ音源などが追加収録されている。

Written By Tim Peacock

ブライアン・メイ『Another World』
2022年4月22日発売
国内盤2CD / 国内盤1CD / iTunes Store / Apple Music / Amazon Music /