ブレイキン・カルチャーの歴史を称えるプレイリスト「Breaking Essentials」が公開
今年のパリ2024大会で初めてオリンピック種目となったブレイキン(Breaking)では、現地時間8月9日と10日、パリ中心部のコンコルド広場で16人の女性ブレイカーと16人の男性ブレイカーがメダルをかけて競い合う。
大会にあわせて、ユニバーサル ミュージック グループは、ブレイキン・カルチャーの歴史を称える「Breaking Essentials」と題した新たなプレイリストを公開した。
このプレイリストには、LL・クール・J、メソッド・マン、フォクシー・ブラウン、ビースティ・ボーイズ、パブリック・エナミー、EPMDなど、1980年代から今日までを代表するヒップホップ・アーティストの楽曲に加え、伝説的なジェームス・ブラウンの1986年のアルバム『In The Jungle Groove』からのトラックなどブレイキンのムーブメントとカルチャーに欠かせない楽曲が収録されている。
<関連記事>
・Def Jam創設40周年を祝うプレイリスト第一弾は1984年から1994年まで
・Def Jam:世界一にして唯一無二のヒップホップ・レーベルの軌跡をたどる
ブレイキンとは?
ブレイキンは1970年代初頭、ヒップホップの台頭とともにブロンクスで生まれた。当時、ブロンクスのパーティ・シーンを牽引していた中心人物のひとりであるDJクール・ハークは、ダンサーに即興ダンスを披露するためのパーカッション・メインで構成された間奏を提供する“ブレイクビーツ”のスタイルを発明した。
彼はジャーナリストのジェフ・チャンの取材に、「一度それを聴いたら、それまでだ。もう後戻りはできない。彼らは常にブレイクビーツを求め続けた」と語っていた。
それ以来、ブレイキンは進化を続けている。世界ダンススポーツ連盟のセルゲイ・ニフォントフ事務局長はCNNの取材に対し、ブレイキンに内在する運動能力について次のように語っている。
「このダンス・スタイルには、体操や武道、さらにはジェームス・ブラウンの複雑なフットワークなど、さまざまな要素から大きく影響を受けた動きが取り入れられています」
しかし、どのような状況であっても、音楽は常にダンスの中心にある。創造性、個性、バラエティ、テクニック、パフォーマンス性と並んで、審査員がこの大会で考慮する6つのカテゴリーのひとつが音楽性だ。ワールドダンススポーツ連盟のザック・スラッサーは、こう説明する。
「DJがムードを作り、ダンサーはそれに反応しなければなりません。審査において最も重要なのは、ダンサーが自分の武器となる動きをどれだけ音楽と共鳴させることができるかという点です」
Written By Hannah Zwick
- Def Jam創設40周年を祝うプレイリスト第一弾は1984年から1994年まで
- Def Jam創設40周年を祝うプレイリスト第二弾は1994から2004年まで
- デフ・ジャム創設40周年を記念した特設サイト開設
- デフ・ジャムのエポック・メイキングな5曲【丸屋九兵衛連載】
- デフ・ジャムとマーベル・コミックがコラボ
- 8月11日を“ヒップホップ記念日”にする決議案が米上院で可決
- 30年前のヒップホップ名作・生誕ラッシュ
- グラミー賞にてHIPHOP50周年を祝う盛大なトリビュートが披露
- 50周年の年に考える、ジャマイカの影響と“パチモン”によるヒット曲
- 【特集】ヒップホップ・ゴールデン・エイジ
- 「Black Lives Matter 2020」:繰り返される人種問題と抗議運動
- ヒップホップ・サウンドトラックの名盤8枚+α
- ヒップホップとは何か、定義とは:既存の価値観をひっくり返す、下克上の文化
- 00年年代に活躍したUSのラッパー達:NASが嘆き、サウスが勃興した10年間