2018年、世界のベスト・ミュージック・フェスティバル・ベスト16
かつて音楽フェスティバルは特定の音楽ジャンルに分けられ、音楽ファンが個人の人生や体力を犠牲にしてでも参加していたが、近年では音楽ジャンルを特化せず家族でも行きやすく、誰もが参加しやすい形態に進化している。しかし様々な音楽フェスティバルが存在するため、どこにいけば良いのか? そこで、2018年に開催される世界中の音楽フェスティバルをご紹介しよう。
1. モントルー・ジャズ・フェスティバル:スイス、モントルー(6月29日〜7月14日)
1967年に初めて開催されてから主にジャズに特化したフェスティバルだが、最近では伝統的なロックやミニマル・エレクトロニカからヒップホップまで幅広いジャンルのアーティストが出演している。今年も変わらず開催されるので、大御所のミュージシャンを観に行く前日にレマン湖に行くのも良いのではないでしょうか。
注目アクト:ヴァン・モリソン、タイラー・ザ・クリエイター、ニック・ケイヴ・アンド・ザ・バッド・シーズ
2. ランブリン・マン・フェア:イギリス、メイドストーン(6月30日〜7月1日)
もしサザン・コンフォート(アメリカのニューオーリンズ発祥のリキュール)が似合うクラシックなロックがお好きであれば、ランブリン・マンは最適なフェスティバルだろう。数年間に渡り、ジー・ジー・トップ、ユーライア・ヒープ、ホワイトスネイクらが、このデニムとレザーを身にまとった人々が集結するフェスティバルに出演している。今年は、モット・ザ・フープルなどの1973年から1974年を思わせる昔ながらの特別アクトを含むラインアップになっている。これを踏まえて、ランブリン・マン・フェアはクラシック・ロックのファンにとって2018年の最高なフェスティバルになる事だろう。
注目アクト:モット・ザ・フープル、ザ・カルト、スティーヴ・アール
2018年ランブリン・マン・フェアのプレイリストはこちら
3. ロスキルド・フェスティバル、デンマーク、ロスキレ(6月30日〜7月7日)
もともと北欧のヘヴィー・ロックに特化したフェスティバルだったが、ここ数年間でロスキルドはヨーロッパのグラストンベリー・フェスティバルと呼ばれるほどに幅広いジャンルのラインアップに進化した。イギリスのフェスティバルを思わせるような大規模であり、様々なジャンルのラインアップでありながら、若い人々に支持を得ているコアなアーティストが1週間に渡り出演し、私生活を忘れさせてくれるような時間を提供してくれるフェスティバルだ。
注目アクト:エミネム、ブルーノ・マーズ、ゴリラズ
4. マッド・クール・フェスティバル、スペイン、マドリッド(7月12日〜7月14日)
歴史の浅いフェスティバルだが、2018年のベスト・ミュージック・フェスティバルを代表する素晴らしいラインアップである。このフェスティバルは2016年から始まったが、既にニール・ヤング、ウィルコ、エム・アイ・エー、ライアン・アダムス、そしてザ・フーなど様々なアーティストが出演してきた。今年も勢いは止まらない。ラ・カハ・マヒカに小旅行がてら行き、夜の7時から始まるこのフェスティバルに参加してみてはいかがでしょうか?ヘッドライナーの出演後はその場がダンス・パーティーに変わり、さらに数時間楽しむ事ができる。
注目アクト:デペッシュ・モード、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ、マッシヴ・アタック
5. ラブ・ボックス、イギリス、ロンドン(7月13日〜7月14日)
ロンドンの週末に行われるフェスティバルを代表して、今年開催されるラブ・ボックスはガナーズベリー・パークで行われ、イギリスのアーティストからヒップホップ、グライム、そしてダンスなどの旬なアーティストのラインアップになっている。音楽やテレビでも活躍し、世界中の人々を魅了する博学者のドナルド・グローヴァーがチャイルディッシュ・ガンビーノを見る事ができ、彼がイギリスでライヴをするのは2015年のワイアレス・フェスティバル以来だ。
注目アクト:チャイルディッシュ・ガンビーノ、スケプタ、シザ
6. ノース・シー・ジャズ・フェスティバル、オランダ、ロッテルダム(7月13日〜7月15日)
1976年から開催されているノース・シー・ジャズ・フェスティバルは「世界で最も大きいインドア・ジャズ・フェスティバル」である。ジャズという音楽ジャンルのように、革新的で多様なフェスティバルだ。15個のステージが設けられ、純粋なジャズ・ミュージシャンの他、ジャズに影響を受けているR&B、ブルース、ファンク、ヒップホップなど様々な音楽ジャンルのアーティストが参加し、珍しく気品のあるラインアップになっている。
注目アクト:ディアンジェロ、R+R=Now、ナイル・ロジャーズ&シック
7. ピッチフォーク・ミュージック・フェスティバル、アメリカ、シカゴ(7月20日〜7月22日)
音楽ウェブサイトのピッチフォークがキュレーションしている音楽フェスティバルであるゆえに、ヒップなアーティストから現在でも活躍している影響力のある大御所ミュージシャンまで勢揃いのラインアップになっている。昨年は、エル・シー・ディー・サウンドシステム、ソランジュ、そしてア・トライブ・コールド・クエストが出演した。今年も変わらず素晴らしいラインアップが期待できる。
注目アクト:ローリン・ヒル、テーム・インパラ、チャカ・カーン
8. スプレンダー・イン・ザ・グラス、オーストラリア、ノース・バイロン・パークランズ(7月20日〜7月22日)
2001年からバイロン・ベイで開催されているこのフェスティバルは、オーストラリアの冬に行われるホットなイベントだ。誰もが楽しめるように様々なジャンルのアーティストを集めたラインナップになっていると同時に、オーストラリア国内のアーティストも活躍できるフェスティバルになっている。また、スプレンダーはオーストラリアの定番であるバーベキューもあるので、食べ物にも期待ができる。2018年のベスト・ミュージック・フェスティバルに悠々と選ばれる南半球のフェスティバルだ。
注目アクト:ロード、ケンドリック・ラマー、ザ・アヴァランチーズ
9. フジロック、日本、苗場スキー場(7月27日〜7月29日)
他の2018年ベスト・ミュージック・フェスティバルも全て共通して素晴らしいロケーションで行われるが、フジロックの開催地はもっと特別だ。新潟の山々の間の深く緑が茂っている谷間で開催されるので、フェスティバルの合間に川辺でパドリングしたい人は特に楽しめるだろう。平和で気軽に楽しめるフェスティバルなので、酔っぱらいやゴミまみれのフェスを避けたい人は今すぐフジロックへのフライトを予約しよう。
注目アクト:ケンドリック・ラマー、ボブ・ディラン、エヌ・エー・アール・ディー
10. ベスティバル、ドーセット、ラルワース・エステイト(8月2日〜8月5日)
ベスティバルは、きらびやかな数ヶ月間を過ごした後の私生活に戻っても楽しめる、スパイナル・タップのキーボードのヴィヴ・サヴェージが言っていたマントラ(’Have a good time, all the time / 楽しい時間をいつまでも’)を形にしたようなフェスティバルだ。雨にぬれる心配もなく、今年も例年と変わらずファンシーな服を着ていきたくなるようなラインアップとなっている。我々のテントはディスコボールが外に飾ってあるテントだ。
注目アクト:グレイス・ ジョーンズ、エム・アイ・エー、サンダーキャット
11. ロラパルーザ、アメリカ、シカゴ(8月2日〜8月5日)
ジェーンズ・アディクションのフロントマンであるピーター・ファレルが1991年に自身のバンドのさよならツアーを行った事をきっかけに始まり、1997年まで毎年行われた幅広いヘヴィー・ウェイトなラインアップのフェスティバルだ。2003年にシカゴのグランド・パークで復活してからヨーロッパと南米でも開催されるようになったインターナショナルなフェスティバルとなった。
ザ・シンプソンズにも登場するほどの影響力のあるフェスティバルだ。
注目アクト:アークティック・モンキーズ、ザ・ナショナル、ザ・ウェークエンド
12. オシアガ・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル、カナダ、モントリオール(8月3日〜8月5日)
カナダで最も有名なフェスティバルであるオシアガは、モントリオールのセントローレンス川の真ん中にある島で行われるので、素晴らしい景色を背にしたカナダのアーティストや他国の人気アーティストを見る事ができる。また、オーガナイザーの隅々まで行き届いた気配りにより、悪天候に見舞われた際のシェルター・エリアやキッズ・ゾーンが設けられているので、大切なお子様がいても自由な時間が過ごす事ができるだろう。
注目アクト:フロレンス・アンド・ザ・マシーン、ヤー・ヤー・ヤーズ、ジェイムス・ブレイク
13. エンド・オブ・ザ・ロード、サリスバリー、ラーマー・ツリー・ガーデンズ(8月30日〜9月2日)
2006年に始まったエンド・オブ・ザ・ロードは年々成長していて、インディーズ、サイケ、そしてフォークの世界のスターが出演する、親密でゆったりとした小さなフェスティバルだ。ローラ・マーリングが森の中でアコースティック・ライヴや、ジャーヴィス・コッカーの真夜中のDJセットと共に、明かりが照らされたダンスフロアがあるようなフェスティバルになっている。
注目アクト:セント・ヴィンセント、ヴァンパイア・ウィークエンド、オー・シーズ
14. ザ・ロング・ロード、レスターシャー、スタンフォード・ホール(9月7日〜9月9日)
マール・ハガードからウェイロン・ジェニングスなどのカントリー・ミュージック好きですか?リンダ・ロンシュタットからエミルー・ハリスなども好きですか?それならば、ボロタイをまっすぐに整えてイギリス中部の最新アメリカン・フェスティバルに行くべきた。イギリスのエキスパートであるBBCラジオのベイレン・レオナルドがキュレーションしたザ・ロング・ロードは確実に2018年ベスト・ミュージック・フェスティバルとなる事を約束できるセットであり、アメリカンな昔ながらの音楽が5つのステージで繰り広げられ、木工とスクエア・ダンシングなどのアメリカンなライフスタイルも楽しめるイベントになっている。
注目アクト:ビリー・ブラッグ、ワード・トーマス、ザ・シャイアーズ
15. アイスランド・エアウェイブズ、アイスランド、レイキャヴィーク(11月7日〜11月10日)
もし最先端のアート・ポップを楽しみながらオーロラを見る機会を試みるのであれば、このフェスティバルはきっと期待に添えられるので、今すぐアイスランド行きの航空券を予約しよう。エアウェーブスの合間に、古き良き街のレイキャヴィークは新しい音楽、教会、ビール醸造所、本屋、パブなどに囲まれているので、色々と楽しむ事ができるだろう。2018年ベスト・ミュージック・フェスティバルであるだけでなく、毎年おすすめできる最高のミュージック・フェスティバルだ。
注目アクト:オーラヴル・アルナルズ、フィーバー・レイ、ブラッド・オレンジ
16. ル・ゲス・フー?、オランダ、ユトレヒト(11月8日〜11月11日)
どんなアーティストもブッキングする斬新なル・ゲス・フー?はエクスペリメンタルな雰囲気が好きな人には必ず参加してほしいフェスティバルだ。しかし実験的でなく、音楽に対してオープン・マインドな愛がある人でも、このフェスに参加してから好みが変わるかもしれない。また、美しい建築の会場も見所だ。
注目アクト:ザ・ブリーダーズ、アート・アンサンブル・オブ・シカゴ、ハイル・メルジア
Written By Jamie Atkins