ビートルズの前身バンド、ザ・クオリーメンがアヴイ・ロード・スタジオに集結&バンドに纏わるドキュメンタリー映画が公開予定
アメリカ拠点の映画製作会社である“スターズ・ノース”は、現存するザ・クオリーメンのメンバーをロンドンのアヴイ・ロード・スタジオに集結させ、レコーディングを行なった。参加メンバーは、コリン・ハントン、チャス・ニュービー、レン・ギャリー、そしてロッド・デイヴィスで、この記録映像は彼らの新たなドキュメンタリー映画『PRE FAB!』に使われる予定だ。
映画『PRE FAB!』は、若き日のジョン・レノンが結成したスキッフル・グループであり、ザ・ビートルズの前身バンドとして知られるザ・クオリーメンのオリジナル・メンバーで、リヴァプール出身のドラマー、コリン・ハントンの半生を描いたドキュメンタリー作品で、今作の撮影は現在リヴァプール、ロンドン、ロサンゼルス、そしてニューヨークなどで行われている。
ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、そしてジョージ・ハリスンの元バンド仲間として、コリン・ハントンはザ・ビートルズの進化を内側から目撃してきた。彼は、ジョン・レノンとポール・マッカートニーが初めて出会った運命の日も、1958年にジョージ・ハリスンがジョンとポールと共に初めてステージに立った日もその場に居合わせ、ジョン・レノンがかの有名なリヴァプールのキャヴァーン・クラブでライヴ・デビューを飾った日もその隣にいた。さらに、ジョン、ポール、ジョージにとって、プロとしての初レコーディング作品であるバディ・ホリーの「That’ll Be The Day」の演奏にも参加していた。
このドキュメンタリーのプロデューサーであるマーク・ベントレーは次のようにコメントをしている。「この映画の観客は、世界で最も偉大なバンドのひとつであるザ・ビートルズの始まりを目の当たりにし、いかにしてマージー・ビートが進化を遂げていったのかをご覧いただけると思います。コリンがザ・クオリーメンを脱退した時、後にザ・ビートルズの核を成していくものをそこに残しました。ザ・クオリーメンなくして、アビイ・ロード・スタジオの名を世界に知らしめたザ・ビートルズは存在しなかった。だからこそ、ザ・ビートルズの礎を築いたザ・クオリーメンには、このアイコニックな場所でレコーディングしてもらいたかったんです」。
コリン・ハントン以外の、チャス・ニュービー、レン・ギャリー、そしてロッド・デイヴィスは、1956年から1959年にかけてザ・クオリーメンのメンバーとして様々なステージに立った。その2年間あまりの経験を、コリン・ハントンは、元々ジョン・レノンが所有していたリヴァープールのウールトンにある家の管理人でもある作家のコリン・ホールに託したのだ。そうして彼は、映画と同名の著書『PRE-FAB!』の中で、コリン・ハントンや他のメンバーたちの思い出を織り交ぜながら、細心の注意を払い、未来のスーパースターたちや当時のリヴァプールで巻き起こっていた音楽シーンをコリン・ハントンの視点から詳細且つ鮮明に書き出していった。
映画『PRE-FAB!』では、ただ音楽が好きで集まった若者たちが、いかにして世界的な影響力を誇り、音楽業界を永遠に変えるバンドへと成長を遂げていったのかが時系列に沿って描かれている。コリン・ハントンは、ジョン・レノンとポール・マッカートニーの二人が、オリジナル楽曲を書き進める中で友情を深め、壮大な未来の音楽ヴィジョンを分かち合っていった姿を目撃している。その3年間、彼はその後恐ろしく巨大なものへと変貌を遂げる“何か”の始まりの一部だった。この映画はそんな彼の実体験へと誘う。
Written By Tim Peacock
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