ビートルズ、2000年以来の公式本『The Beatles: Get Back』をドキュメンタリー映画にあわせて出版決定
海外の出版社Callaway Arts & EntertainmentとApple Corps Ltd.が、書籍『The Beatles: Get Back』を2021年8月31日に出版することを発表した。ザ・ビートルズによる書籍が単体で公式に発売されるのは、2000年に世界的ベストセラーとなった『ザ・ビートルズ・アンソロジー』以来、約20年ぶりとなる(海外版の予約はこちら)。
美しくデザインされ、製本された240ページのハードカバーの本は、ビートルズがどのようにして1970年に発売されたアルバム『Let It Be』を制作したのかが、彼ら自身の言葉で語られている。120時間以上に及ぶバンドのセッションでの録音から書き起こされた会話を基に、イーサン・ラッセルやリンダ・マッカートニーによる写真を含む数百枚の未発表画像も収録される。
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書籍『The Beatles: Get Back』には、映画監督ピーター・ジャクソンが執筆した序文とハニフ・クレイシによる紹介文も収録されている。ピーター・ジャクソンが2018年に制作を開始した『The Beatles: Get Back』の長編ドキュメンタリー映画は、当初2020年9月の公開予定から、欧米では2021年8月27日に劇場公開されることが決定している。この映画は、1969年にマイケル・リンゼイ・ホッグが撮影した55時間以上の未公開のオリジナル16ミリ映像が使用され、伝説なったレコーディング・セッションが再検証される予定だ。また、映画内には120時間に及ぶ未発表音源も使用されている。
また、この豪華な本には、同じ映像から未公開の高解像度のフィルム・フレームも多数収録される。音楽ライターのジョン・ハリスによって編集されたテキストは、アップルの屋上で行った最後のコンサートで最高潮に達した3週間のレコーディング・セッションからジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターによる会話が抜粋される。
この本はザ・ビートルズのバンドとしての最後の年、1969年に読者を連れてゆく。当初は『Get Back』と呼ばれていた新しいセッションのためにロンドンに集まったとき、アルバム『The Beatles(ホワイト・アルバム)』はまだチャートで1位を記録していた。最初はトゥイッケナム・フィルム・スタジオにて、その後は自分たちの新しいアップル・スタジオでセッションは続けられ、彼らは最後のコンサートのために膨大な楽曲をリハーサルし、カメラとテープレコーダーは毎日の仕事を記録していたのだ。
“最高の作品を生み出した時期”
著名な小説家であるハニフ・クレイシは、この本の紹介文の中で、ギスギスした雰囲気が当時のバンド内には流れていたという定説とは対照的にこう記している。
「実際、この時期は彼らにとって生産的な時期であり、最高の作品を生み出した時期だった。ここで私たちは、彼らの初期の草稿、失敗、漂流と迷走、退屈、興奮、喜びのジャミング、そして今私たちが知っていて賞賛する作品へと導いた突然の突破口を目撃するという特権を得るのだ」
ニューヨークとロンドンのThe Wylie Agencyが本書の世界的な共同出版権を有し、米国、カナダ、英国、アイルランドではIngram Publisher Servicesが販売代理店となる。「ビートルズは私の世代に彼らの天才性と喜びを与え、彼らの芸術を通して世界を変えた」と、Callaway Arts & Entertainmentの創始者であり出版社であるニコラス・キャロウェイはこう言う。「この画期的な本とピーター・ジャクソンの映画で表現された創造性とインスピレーションは、今日においても重要であり、関連性があるのです」。
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