バックマン・ターナー・オーヴァードライヴのティム・バックマンが逝去。その功績を辿る
カナダ出身の人気ロック・バンド、バックマン・ターナー・オーヴァードライヴ(Bachman-Turner Overdrive)の創設メンバーであるティム・バックマン(Tim Bachman)が71歳で逝去した。
2023年4月28日、フェイスブック上でこの訃報を伝えた彼の息子ライダーは、父が脳腫瘍との闘病を経て、ホスピスに入院していたことを明かし、こう述べている。
「本日午後、父が亡くなりました。皆さん、温かい言葉をかけていただきありがとうございます。最期の時を、父と一緒に過ごせたことに感謝しています。どうか皆さんの愛する人を抱き寄せてあげてください。いつまで一緒にいられるかは誰にも分かりません」
<関連記事>
・バックマン・ターナー・オーバードライブのドラマー、ロビー・バックマン逝去
・2023年に亡くなったミュージシャン、音楽業界の関係者たち
その生涯
1951年8月1日、カナダのマニトバ州ウィニペグ生まれたティム・バックマンは、ギタリスト、ヴォーカリストとして、バックマン・ターナー・オーヴァードライヴの前身バンドであるブレイヴ・ベルトに後期メンバーとして加入し、1973年、兄であるランディ、ロビーのバックマン兄弟、フレッド・ターナーと共に、ハードロックの旗手としてその名を知らしめることになるバックマン・ターナー・オーヴァードライヴを結成した。
その後、マーキュリー・レコードと契約を結んだ彼らは、セルフタイトルのデビュー作でカナダのチャートでTOP10入りを果たし、ティムはアルバム収録曲「Down and Out Man」の共同作曲とリード・ヴォーカルを担当した。このアルバムには、全米シングル・チャート(Billboard Hot 100)でデビューを飾り、後にアメリカでゴールドに認定された「Blue Collar」も収録されている。
そのわずか7ヶ月後、バンドは2作目のスタジオ・アルバム『Bachman-Turner Overdrive II』をリリースし、ティムは全米23位を記録したヒット曲「Let It Ride」を含む2曲でリード・ヴォーカルを担当。翌1974年にティムが脱退し、後任のブレア・ソーントン加入後、同アルバムから、ランディ・バックマンが作曲、リード・ヴォーカルを務めた「Takin’ Care Of Business」が全米12位のヒットを記録するなど、バンドはキャリア最大の商業的成功を収めていく。
同年リリースされた3作目のアルバム『Not Fragile』には、バンドの代表曲として知られている2つのクロスオーバー・ヒット「You Ain’t Seen Nothing Yet」(B面にデュアン・オールマンに捧げた「Free Wheelin’」 )と 「Roll On Down The Highway」が収録されている。
ティム・バックマンは1984年のに行われたバンドの再結成ツアーで再びラインナップに加わり、以降の80年代後半のツアーにも参加を果たしたが、その後は音楽活動から退き、カナダのアルバータ州で不動産業者として働いていた。
Written By Paul Sexton
- バックマン・ターナー・オーバードライブのドラマー、ロビー・バックマン逝去
- 伝説的ギター・ヒーロー、ジェフ・ベックが78歳で逝去
- 最高のギター・ソロ・ベスト100
- ロック界のベスト・サイドマン10人:正当に評価されるべきミュージシャン達
- 2023年に亡くなったミュージシャン、音楽業界の関係者たち