カニエ・ウェスト『Graduation』発売15周年を記念したApple Musicのラジオ・エピソードが公開
Apple Musicは、2007年9月11日にリリースされたカニエ・ウェスト(Kayne West)の名盤『Graduation』の15周年を記念したラジオ・エピソード「Essential Album: Graduation」を公開した。同番組の司会を務めるのは、人気プロダクション・デュオ、ダ・インターンズ(Da Internz)のメンバーであるコサイン(Kosine)。
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ストリートと卒業
同番組の中でコサインは、子供時代を郊外で過ごしたカニエ・ウェストが、ストリートとはまた違った意味での努力が必要だったと考察し、こう語っている。
「このアルバムは、ストリートに対し、学校を卒業するということはどういうことなのか、つまり何かを成し遂げることへの挑戦がテーマになっている。なぜならこの日、彼は、“俺たちは伝説になる”と宣言するのだ。彼は幼い頃から音楽が大好きで、やがてその気持ちは強い執着心となる。シカゴ州立大学に通っていた彼が、自らの才能を伸ばすことに専念するために中退した時、もうプランBはなかった」
コサインは、カニエのソングライター、プロデューサーとしての経歴にも踏み込んでいる。
「その後は作曲や編曲を手掛けながら、サンプリングとプロダクションの複雑さを探求していったが、何より自分自身でマイクを握ることを熱望していた。そうして彼は、ビート作りに始まり、次にレコードを制作しながら、努力し続けていった。なぜなら、ビートではHot 100チャートで1位は獲れないけれど、歌なら獲れるからだ」
マイクDが語るカニエ
また、同番組のゲストで登場したビースティ・ボーイズのレジェンド、マイクDは、カニエの凄さについて次のようにコメント。
「僕は彼の作品を聴いてすぐにファンになったんだ。彼は、ピッチを上げたサンプリングやアグレッシブなビートといった、僕がそれまで聞いたこともなかったサウンドをプロダクションに取り入れていた。それこそが彼の、ポップな感覚も持ち合わせた縦横無尽のラップスタイルなんだ」
さらにコサインは、カニエとジェイ・Zの関係性が、プロデューサーとして、アーティストとしての彼をどのように形成したかについても考察している。
日本人アーティスト、村上隆が手掛けた『Graduation』のアートワークは、カニエ・ウェスト風のクマのキャラクターが空に向かって打ち上げられる印象的なイラストで、今作におけるカニエの宇宙規模の創造的野心を見事に表現している。
『Graduation』の凄さ
2005年の『Late Registration』で成功を収めた当時のカニエは、自身のファン層を広げるべく、U2のツアーでサポートアクトを務めていた。U2が満員のアリーナで演奏する様子を目にした彼は、ラップにロックとポップのダイナミクスを取り入れ、大観衆に伝わるようなシンプルな歌詞の楽曲を作るようになったのだ。
最初の2作のアルバムの中核を成していたソウルのサンプリングや壮大なオーケストレーションからは一転、アルバム『Graduation』では、ザ・キラーズやレディオヘッド、キーンといったバンドを彷彿とさせるスタジアム・ロックを取り入れ、多彩なサンプルのセレクションがアルバムの多様性をさらに押し広げている。
リード・シングル「Stronger」は、ダフト・パンクの「Harder, Better, Faster, Stronger」をサンプリングに、ヘヴィメタルっぽいビートとヘアメタルのシンセサウンドを組み合わせた革新的なヒップホップのテンプレートで、その後の展開を予感させる1曲で、カニエにとって初の全英No.1シングルとなった。
Written By Will Schube
カニエ・ウェスト『Graduation』
2007年9月11日発売
iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music
2021年11月14日発売
iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music
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