ザ・スミスのベーシスト、アンディ・ロークが59歳で逝去。その功績を辿る

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5月 19, 2023

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Andy Rourke - Photo: Monica Schipper/Film Magic

1980年代のインディーズ・アイコン、ザ・スミス（The Smiths）のベーシストだったアンディ・ローク（Andy Rourke）が2023年5月19日に亡くなったとバンドが発表した。享年59。

ギタリストのジョニー・マーは、アンディは膵臓癌との長い闘いの末に旅立ったことを深い悲しみとともに公表し、Twitterに投稿さした声明の中で、次のように述べている。

「アンディは、彼を知る人々からは優しく美しい魂として、音楽ファンからは最高の才能を持ったミュージシャンとして記憶されることでしょう。この悲しい時にプライバシーを守ることをお願いします」

アンディへの追悼の言葉は、すでにネット上で多く上がっており、スウェードのベーシストであるマット・オスマンは彼のことを「完全に唯一無二な存在で、すぐにその音がわかる稀有なベーシストでした」と評している。

その生涯

1964年1月17日に生まれたアンディ・ロークは、生涯の友であるジョニー・マーと学校で出会った。幼い頃から大の音楽好きだったアンディは、ジョニー・マーが組んでいたホワイトダイスやフリークパーティといったバンドに参加。

1982年、モリッシーとジョニー・マーが初めてザ・スミスを結成した直後、アンディはバンドに引き抜かれた。彼のミュージシャンとしての価値を知っていたジョニー・マーが、バンドが最初のベーシストだったデール・ヒバートとマンチェスターのリッツ・ボールルームで1回だけライブを行った後、アンディをザ・スミスに引き入れたのだ。

その年の暮れ、ザ・スミスはクラシックなラインナップで最初のデモを録音し、「What Difference Does It Make?」にてバンドの真髄となるサウンドを確立。それはモリッシーのワスプ的でファルセットフレックなヴォーカル、ジョニー・マーの複雑でメロディアスなリードギター、そしてロークとドラマーのマイク・ジョイスの闊達で多彩なセクション、ロークはしばしばマーと激しいメロディーを交錯させるという特徴的なものだった。

アンディ・ロークは、4枚の傑作スタジオアルバム『The Smiths』『Meat Is Murder』『The Queen Is Dead』『Strangeways Here We Come』を含む、ザ・スミスの全レコーディングに参加した。彼の演奏はメロディアスで独創的なスタイルで知られ、「Hand In Glove」「Barbarism Begins At Home」「Rusholme Ruffians」、そしてバンドがブレイクした「This Charming Man」など、数々の名曲で彼のベースラインは常に彼らの魅力の大きな部分を占めてきた。

ザ・スミス解散後

1987年秋にザ・スミスが解散した後、アンディ・ロークは、「The Last Of The Famous International Playboys」「Interesting Drug」「November Spawned A Monster」など、元フロントマンのモリッシーの最も長く愛されるソロ・シングルにも参加。また、「Girl Least Likely To」を含む数曲をモリッシーと共作もしている。

後年、アンディは、ストーン・ローゼズのゲイリー・”マニ”・マウンフィールドとニュー・オーダーのピーター・フックという2人のマンチェスター出身ベーシストとともに、フリーベース（Freebass）というスーパーグループの一員としても活動している。

他にも、シネイド・オコナー、プリテンダーズ、キリング・ジョーク、バドリー・ドローン・ボーイ、アジズ・イブラヒム（元ストーン・ローゼズ）、クランベリーズのヴォーカル、ドロレス・オリオーダンとのスーパーグループ、ダークなど、さまざまなアーティストと作曲、録音、ライブを行い、そのキャリアは数十年に及んでいる。