ザ・ビーチ・ボーイズが『1967 –Sunshine Tomorrow』のリリースを発表
また伝説的な貴重品保管庫の扉が開く。54曲の入手困難だった1967年のザ・ビーチ・ボーイズ のレア音源が、『1967 –Sunshine Tomorrow』と名付けられた新しい2CD、デジタル・アルバムとしてリリースされることになったのだ。その中には、ザ・ビーチ・ボーイズの1967年の作品『Wild Honey』の初ステレオ・ミックスも収録される。
プロデューサーのマーク・リネットとアラン・ボイドの力を借り、ザ・ビーチ・ボーイズ自身もそのクリエイティヴ・プロセスを監督した新しいコレクションは、キャピトル/UMeから6月30日に世界中でリリースされる(日本盤リリースは2017年7月5日予定)。
この拡大版コレクションは、このグループのキャリアにおいてもっともクリエイティヴなチャプターのひとつが捉えられている。彼らのお蔵入りしたライヴ・アルバム『Lei’d in Hawaii』や『Wild Honey』のスタジオ・レコーディング音源、『Smiley Smile』のアルバム・セッション音源や、1967年から1970年にかけてのコンサート音源などが含まれている。『Wild Honey』のステレオ・ミックスは6月30日に、50周年記念盤として180g重量盤アナログとしてもリリースされる(アナログ盤は輸入盤での取り扱い)。
『1967 – Sunshine Tomorrow』 はバンドにとってツアー、スタジオ・ワークの両方の変換点となった『Pet Sounds』の次の時代を探索するものである。『Smiley Smile』と『Wild Honey』の両作は、ブライアン・ウィルソンの新しいホーム・スタジオで録音され、きっちり3か月おいてリリースされた。『Smiley Smile』は9月18日、続いて『Wild Honey』は12月18日にリリース。『1967 – Sunshine Tomorrow』のライナーノーツで、ブライアン・ウィルソンはどのようにアルバムを形作ったかを説明している。
「自分の家で録音するにあたって、住居環境でできるような面白いことにしたかったんだ」とブライアン・ウィルソンは回想する。「なにか違うことに挑戦したかったし、新しいものにしたかった。僕は、『Smiley Smile』をプロデュースしたけど、マイクが僕に刺激をくれたんだ。‘ブライアン、すごく良くて、お気楽なアルバムを作ろうよ’と彼は言ったんだよ。エンジニアに僕のすみかをスタジオにしてもらった。僕らはもっと音が鳴るようにピアノを調律したんだよ」。
1967年も引き続き、‘サマー・オブ・ラヴ’は放送電波を制覇し、当時のポピュラー・カルチャーを支配し続けていたので、マイク・ラヴがそのことを説明したところ、ブライアン・ウィルソンは彼の音楽的テリトリーがどこか明記しようとしていた。
「それ以前に、ブライアンは、自身のプロダクション・ピークを築きあげていたし、だから、今までとは裏返しにしてみたんだ、そして(『Smiley Smile』のために)なにか明るくて、軽快なものをやったんだ、わかるだろ、気楽にね」とマイク・ラヴは言った。「これはアンダーグラウンドなアルバムなんだよ、僕が理解する限り、僕たちにとってはね。当時メインストリームで起きていることとは全く外れていたし、すべてがハード・ロックで、サイケデリック・ミュージックだった、「Wind Chimes」といった曲みたいにね。とにかく当時おきていることはなにもやらなかった-それが僕らのアイディアだったんだ」。
宿命的なライヴ・コンサート・アルバム(リリースされなかったが)は結果として『Wild Honey』セッションの道を切り開くことになった。1967年8月25、26日にザ・ビーチ・ボーイズ(ブルース・ジョンストン抜き、しかしブライアン・ウィルソンがオルガンを担当)はホノルルでの2つの公演とリハーサルを『Lei’d In Hawaii』と名付けられた将来のライヴ・アルバムのために録音したのだ。
この素材が使用できないと判断した後、バンドは、ブライアン・ウィルソンの家のスタジオとハリウッドのウォーリー・ヘイダー・レコーディング(スタジオ)で、ライヴ・セットの再レコーディングを始めた、後から観客の声等を追加した。アルバムは完成し、ミックスされたが、最終的にリリースは中止された、後にこのスタジオでの素材が『Wild Honey』の素材へと発展していく。
ブルース・ジョンストンは、『Wild Honey』が持つ恒久的な魅力の主潮を捉えている。「まさにこれだよ、もっとも重要なのは、『Wild Honey』に関して君たちが知っておかなくてはならないことだよ。これは僕らにとっては息を吐き出すための作品で、なにか本当にシンプルなことをやろうとしてたんだ。だけど、これはブライアンとマイクの音楽だから、とても楽しいけど、シンプルではない。僕はこのアルバムが好きだよ」
「Mama Says」の8トラック・マスターは見つからなかったため、このトラックはオリジナルと同様にモノ・ミックスで収録されているとマーク・リネットとアラン・ボイドのプロダクション・ノーツに記されているのをお伝えしておこう。加えて、「How She Boogalooed It(邦題:すてきなブーガルー)」のオルガン・ソロはオーヴァーダブされていたため、この曲はモノでミックスされており(この曲の残りのオルガンも同様)、この曲もまたモノのまま収録されている。
The Beach Boys: 1967 – Sunshine Tomorrow [2CD, digital]収録曲
Disc 1
Wild Honey Album (Stereo)
(マーク・リネット&アラン・ボイドがオリジナルの8トラック・マスターから造り上げた『ワイルド・ハニー』の世界初ステレオ・ミックス。*はオリジナルマスターが見つけられない等の理由でMONO。1967年9月15日~11月15日までブライアン・ウィルソンの自宅とカリフォルニア州ハリウッドのウォーリー・ヘイダー・レコーディングで録音)
1. Wild Honey (2:45)
2. Aren’t You Glad (2:16)
3. I Was Made To Love Her (2:07)
4. Country Air (2:21)
5. A Thing Or Two (2:42)
6. Darlin’ (2:14)
7. I’d Love Just Once To See You (1:49)
8. Here Comes The Night (2:44)
9. Let The Wind Blow (2:23)
10. How She Boogalooed It (1:59)
11. Mama Says * (Original Mono Mix) (1:08)
Wild Honey Sessions:
1967年9月~11月。貴重な未発表音源&別テイク&セッション・ハイライト。
12. Lonely Days (Alternate Version) (1:45)
13. Cool Cool Water (Alternate Early Version) (2:08)
14. Time To Get Alone (Alternate Early Version) (3:08)
15. Can’t Wait Too Long (Alternate Early Version) (2:49)
16. I’d Love Just Once To See You (Alternate Version) (2:22)
17. I Was Made To Love Her (Vocal Insert Session) (1:35)
18. I Was Made To Love Her (Long Version) (2:35)
19. Hide Go Seek (0:51)
20. Honey Get Home (1:22)
21. Wild Honey (Session Highlights) (5:39)
22. Aren’t You Glad (Session Highlights) (4:21)
23. A Thing Or Two (Track And Backing Vocals) (1:01)
24. Darlin’ (Session Highlights) (4:36)
25. Let The Wind Blow (Session Highlights) (4:14)
Wild Honey Live: 1967 – 1970
(『Wild Honey』の楽曲の未発表ライヴ)
26. Wild Honey (Live) (2:53) – recorded in Detroit, November 17, 1967
27. Country Air (Live) (2:20) – recorded in Detroit, November 17, 1967
28. Darlin’ (Live) (2:25) – recorded in Pittsburgh, November 22, 1967
29. How She Boogalooed It (Live) (2:43) – recorded in Detroit, November 17, 1967
30. Aren’t You Glad (Live) (3:12) – recorded in 1970, location unknown
31. Mama Says (Session Highlights) (3:08)
(Previously unreleased vocal session highlights. Recorded at Wally Heider Recording, November 1967)
Disc 2
Smiley Smile Sessions:
1967年6月~7月 (ブライアンの家のスタジオで主に行われた『Smiley Smile 』制作時の未発表音源)
(Recorded June and July 1967 at Brian Wilson’s house, Western Recorders, SRS, and/or Columbia Studios, except as noted *)
1. Heroes And Villains (Single Version Backing Track) (3:38)
2. Vegetables (Long Version) (2:55)
3. Fall Breaks And Back To Winter (Alternate Mix) (2:28)
4. Wind Chimes (Alternate Tag Section) (0:48)
5. Wonderful (Backing Track) (2:23)
6. With Me Tonight (Alternate Version With Session Intro) (0:51)
7. Little Pad (Backing Track) (2:40)
8. All Day All Night (Whistle In) (Alternate Version 1) (1:04)
9. All Day All Night (Whistle In) (Alternate Version 2) (0:50)
10. Untitled (Redwood) * (0:35)
(Previously unreleased instrumental fragment. Studio and exact recording date unknown. Discovered in tape box labeled “Redwood”)
Lei’d In Hawaii “Live” Album:
(1967年9月11日にハリウッドのウォーリー・ウォーリー・ヘイダー・スタジオで録音、1967年9月29日に追加録音が行われた(*付の楽曲を除く)。オリジナルのモノ・ミックスの入った ½” リール・マスターは、1967年9月29日という日付が書かれ、ブラザー・レコードのアーカイヴから発見された。)
11. Fred Vail Intro (0:24)
12. The Letter (1:54)
13. You’re So Good To Me (2:31)
14. Help Me, Rhonda (2:24)
15. California Girls (2:30)
16. Surfer Girl (2:17)
17. Sloop John B (2:50)
18. With A Little Help From My Friends * (2:21)
(Recorded at Brian Wilson’s house, September 23, 1967)
19. Their Hearts Were Full Of Spring * (2:33)
(Recorded during rehearsal, August 26, 1967, Honolulu, Hawaii)
20. God Only Knows (2:45)
21. Good Vibrations (4:13)
22. Game Of Love (2:11)
23. The Letter (Alternate Take) (1:56)
24. With A Little Help From My Friends (Stereo Mix) (2:21)
Live In Hawaii: August 1967
(未発表ライヴ音源。1967年8月25日と26日にホノルルで行われたコンサートとリハーサルを収録。ブライアン・ウィルソンはこのコンサートでグループに再度参加しており、ブルース・ジョンストンは不参加。ブラザー・レコードのアーカイヴから発見された8トラック・マスターより )
25. Hawthorne Boulevard (1:05)
26. Surfin’ (1:40)
27. Gettin’ Hungry (3:19)
28. Hawaii (Rehearsal Take) (1:11)
29. Heroes And Villains (Rehearsal) (4:45)
Thanksgiving Tour 1967:
ワシントンD.Cとボストンのライヴ音源(未発表音源)
(マイク・ラヴ、カール・ウィルソン、デニス・ウィルソン、アル・ジャーディン、ブルース・ジョンストンによるザ・ビーチ・ボーイズはこのサンクス・ギヴィングのツアー着手後、すぐに『Wild Honey』アルバムを完成させ、キャピトル・レコードに届けた。このツアーのために、ロン・ブラウンをベースとして、ダリル・ドラゴンをキーボードとして追加で参加させた。)
30. California Girls (Live) (2:32) – recorded in Washington, DC, November 19, 1967
31. Graduation Day (Live) (2:56) – recorded in Washington, DC, November 19, 1967
32. I Get Around (Live) (2:53) – recorded in Boston, November 23, 1967
1967年のスタジオ追加録音 (未発表音源)
33. Surf’s Up (1967 Version) (5:25)
(Recorded during the Wild Honey sessions in November 1967)
34. Surfer Girl (1967 A Capella Mix) (2:17)
(1967年9月の『Lei’d In Hawaii 』のためのウォーリー・ヘイダー・レコーディング・セッションからの未発表楽曲)