スマッシング・パンプキンズ、1993年の代表作『Siamese Dream』がアナログ盤で再発
シカゴ出身のスマッシング・パンプキンズ(Smashing Pumpkins)が、1993年にリリースした2作目のスタジオ・アルバム『Siamese Dream』を新たなアナログ盤で再発することを発表した。
今回の再発盤は、1993年のオリジナル・パッケージを再現し、180gブラック・ヴァイナル仕様の2LPで4月11日にリリースされる。
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1991年のデビュー作『Gish』をリリース後、スマッシング・パンプキンズ(フロントマンのビリー・コーガン、ギタリストのジェームス・イハ、ベーシストのダーシー・レッキー、ドラマーのジミー・チェンバレン)は、さらなる成功を期待される存在となった。
とりわけオルタナティヴ・ロックのシーンでは、ニルヴァーナ以降の“次の大物”として大々的に宣伝され、ビリー・コーガンによれば、「世界を燃え上がらせるような次のアルバムを作らなければならない 」という強いプレッシャーを感じていたという。
『Siamese Dream』では、ガービッジのドラマーであるブッチ・ヴィグとビリー・コーガンが共同プロデューサーを務め、何重にもレイヤー化された重厚な“ウォール・オブ・サウンド”のようなエフェクトを実現させた。一部の楽曲では、最大32ものギター・トラックが重ねられている。
レコーディングはジョージア州マリエッタで行われたが、その制作過程は決して順調とは言えなかった。ジミー・チェンバレンはヘロイン中毒と闘い、ダーシー・レッキーとジェームス・イハはそれぞれ恋愛関係に終止符を打ったばかりで、ビリー・コーガン自身も深刻な鬱状態に陥っていた。
最終的なアルバムのレコーディングでは、ビリー・コーガンがほとんどの楽器を演奏することになり、彼とブッチ・ヴィグは時に16時間にも及ぶセッションを何週間も続けながら、サウンドを徹底的に磨き上げた。
今日、『Siamese Dream』は、この時代の最高のオルタナティヴ・ロックの1枚とみなされている。また、発売と同時に批評家から絶賛され、全米アルバム・チャートで初登場10位を記録。バンドをメインストリームでの成功へと導いた。全米レコード協会(RIAA)から4度のプラチナ認定を受け、2011年には多形態で再発されている。
ビリー・コーガンは2011年のインタビューで、当時を次のように振り返っている。
「1992年、世界の重圧を背負ったような気持ちで、私たちは駐車場のガレージにこもり、私たちの人生を永遠に変えることになったこの(アルバムの)楽曲を作り上げた。”Siamese Dream”は、私たちの夢がすべて叶った瞬間を象徴する作品だが、同時に幸せなバンドの夢がバラバラになってしまったアルバムでもあった」
Written By Sam Armstrong
スマッシング・パンプキンズ『Siamese Dream』
1993年7月27日発売
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