映画『ボヘミアン・ラプソディ』 サントラ発売決定。クイーン名曲の新ヴァージョンや音源初登場が多数収録
世界で初めて、クイーンの伝説的なライヴ・エイドでのパフォーマンスが、バンド、その楽曲、そして不世出の天才シンガー、フレディ・マーキュリーにスポットを当てた20世紀フォックスとリージェンシー・エンタープライズ製作の映画『ボヘミアン・ラプソディ』のサウンドトラック・アルバムの一部としてリリースされることになった。1985年7月、英国ウェンブリーの会場で収録されたライヴ・エイドのセットは、バンドの豊富なレパートリーの中でも、これまで音源のみで公開されることなく未発表となっていた。
ライヴ・エイドでの「Bohemian Rhapsody」「RADIO GA GA」「Hammer To Fall」、そして「We Are the Champions」という名曲の他、アルバムにはクイーンのキャリア全体に渡っての稀有なライヴ・トラック、懐かしい曲の新ヴァージョン、そして選りすぐられたバンドのスタジオ・レコーディング曲が収録されている。その中にはクイーンの偉大なヒット曲、全世界で第1位に輝いた楽曲が11曲含まれている。アルバムの収録曲は2018年9月5日、フレディの72歳の誕生日となるはずだった日に発表された。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』は、10月23日のイギリスでのワールド・プレミアの後、11月初旬に全世界で公開される(日本公開は11月9日)。出演はフレディ役としてラミ・マレック、ブライアン・メイ役としてグウィリム・リー、ロジャー・テイラー役のベン・ハーディ、ジョン・ディーコン役のジョセフ・マッゼロ、そしてフレディの生涯に渡るパートナーとなったメアリー・オースティン役のルーシー・ボイントンなど。ヴォーカルを含めて全てクイーンによってレコーディングされたサウンドトラックは、10月19日、CD及びデジタル・フォーマットで全世界同時発売される。
昔から、クイーンの映画的な音楽は、映画製作者たちにとっては垂涎の的であり、幾度となく、スクリーンへの転用が図られた。バンドの1986年のアルバム『A Kind of Magic』は、荒唐無稽なタイムトラベルを扱った映画『ハイランダー』のために書き下ろされた名曲「A Kind of Magic」 や 「Who Wants to Live Forever」を含む6曲を中心に制作された。一方、今回の映画『ボヘミアン・ラプソディ』は、1980年の映画の名サウンドトラックである『Flash Gordon』に続き、バンドにとって2枚目の完全オリジナル・サウンドトラック・アルバムとなる。
『ボヘミアン・ラプソディ』のサウンドトラックに含まれる22曲は、ブライアン・メイとロジャー・テイラーによってプロデュースされ、エンジニアリングと共同プロデュースには長年クイーンとスタジオ作業を行ったジャスティン・シャーリー=スミス、クリス・フレドリクソン、そしてジョシュア・J・マクレー、マスタリングはアダム・アヤンとボブ・ラドウィックが手がけている。
『ボヘミアン・ラプソディ』のサウンドトラック・チームの主要任務は、バンドの楽曲の中で最も適したヴァージョンを見つけ出すことで、特にライヴ・ヴァージョンの中で脚本にマッチしたものを探すことだった。彼らの信条は単なるグレイテスト・ヒット集を作ることではなく、サウンドトラック・アルバムとしても成立する映画の名場面を演出するだけの力量を持ったものを制作することにあった。メイ、テイラー、そして共同プロデューサーたちは、映画製作者たちと共に、それぞれの楽曲にとって最善のヴァージョンを探し出し、各シーンのドラマティックな演出を盛り上げることに尽力した。
リスナーが、サウンドトラック・アルバムを聴いている、ということを忘れないようにと、ブライアンはクイーンとして20世紀フォックスの有名なファンファーレをレコーディングすることを提案した。メイらしいマルチ・レイヤーのギターに、やはりロジャー・テイラーらしいパーカッションを重ね、このサウンドは映画とアルバム双方の幕を開ける華やかで大胆なオープニングを演じている。
過去にクイーンがサウンドトラックを手掛けた映画『フラッシュ・ゴードン』とは違い、『ボヘミアン・ラプソディ』のサウンドトラックには映画からのセリフなどは含まれない。しかし、映画本編ではこれらのサウンドトラックの楽曲の一部しか使用されないが、アルバムでは、多くのファンに愛されたバンドのスタジオ・レコーディング、そしてライヴ録音をフルに堪能することができる。
1985年7月13日のライヴ・エイドからの5曲、21分におよぶクイーンのライヴ・パフォーマンスはこれまでオーディオ形式ではリリースされておらず、一部が1981年11月にモントリオール・フォーラムで行なわれたショーを収録した『伝説の証~ロック・モントリオール1981』のDVD/Blu-rayで特別映像として公開されていたが、ライヴ・エイドからの音声は今回のサウンドトラック・アルバムが初収録となる。
その他の曲も様々な時代に様々な場所で収録されている。「Fat Bottomed Girls」は、1979年のパリ、『Jazz』のワールド・ツアーからで、過去未発表である。「Now I’m Here」は、1975年にロンドン、ハマースミス・オデオンで行なわれたクリスマス・イヴ・ショーでレコーディングされている。「Love Of My Life」でのフレディとブライアンの歴史的なデュエットは、1985年1月のロック・イン・リオで歌われた30万人のブラジルのファンの声が背後に聴こえている。このヴァージョンは、これまでビデオでしかリリースされていなかった。
アルバムのレコーディングに際して、クイーンは最高傑作とされる2011年のボブ・ラドウィックによるリマスター盤を元に行なうことになった。
残る3曲は、新旧のクイーン・ファンにとって新鮮なものとなる。「We Will Rock You」 は、スタジオ・ヴァージョンから始まり、そのまま観客が参加するライヴ・パフォーマンスへと移行する。これは映画のために特別に制作されたものだ。「Don’t Stop Me Now」では、ブライアンは新たにギター・トラックをレコーディングし、現在バンドがライヴで演奏しているものに近い姿になっている。
「Doing All Right」は、元々はクイーン結成前、ブライアンとロジャーがヴォーカルのティム・スタッフェルと組んでいたバンド、”スマイル”によってレコーディングされていた。ティムが脱退したあと、ロジャーとブライアンはフレディと共にクイーンを結成する。デビュー・アルバムには、フレディは彼なりの曲の解釈を行ないったものが収録されている。オリジナルのスマイルのヴァージョンを再現するために、ブライアンとロジャーはスタッフェルとアビイ・ロード・スタジオに赴き、『ボヘミアン・ラプソディ』のサウンドトラック・アルバム用に「Doing All Right」を再レコーディングした。オリジナルのスマイル・ヴァージョンが録音されてから50年ぶりに、ロジャー、ティム、そしてブライアンの3人が再びリード・ヴォーカルを担当したのだった。
全世界で3億を超える売り上げを記録したクイーンの楽曲は、今でも瑞々しく、ロックの名曲としてファンを魅了し続けている。1991年にフレディを失ったにも関わらず、舞台のミュージカル『ウィ・ウィル・ロック・ユー』やテレビドラマ「グリー」、「アメリカン・アイドル」や「Xファクター」などの音楽番組を通してバンドの音楽を知ったファンによって、クイーンの支持層は今日まで増え続けている。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』とそのオリジナル・サウンドトラックは、クイーンの偉業を若い世代に紹介するのにうってつけであり、ファンには最盛期の彼らがどれだけ素晴らしかったかを改めて思い起こさせてくれるだろう。クイーンは今日まで、ライヴでもスタジオ・アルバムでも素晴らしいパフォーマーとしての地位を譲ることなく、その楽曲の魅力は時代が変わっても色褪せることがない。結成されて50年近く、クイーンはロック史上、最もエキサイティングで愛されるバンドであり続けているのだ。
クイーン『Bohemian Rhapsody (The Original Soundtrack)』
2018年10月19日世界同時発売
CD品番:UICY-15762
価格:¥2,700 (税込)、¥2,500 (税抜)
日本盤のみSMH-CD仕様
1. 20th Century Fox Fanfare – 初収録
2. Somebody To Love
3. Doing All Right… revisited (Performed by Smile) – 初収録
4. Keep Yourself Alive (Live At The Rainbow)
5. Killer Queen
6. Fat Bottomed Girls (Live In Paris) – 初収録
7. Bohemian Rhapsody
8. Now I’m Here (Live At Hammersmith Odeon)
9. Crazy Little Thing Called Love
10. Love Of My Life (Rock In Rio) – オーディオは初収録
11. We Will Rock You (Movie Mix) – 初収録
12. Another One Bites The Dust
13. I Want To Break Free
14. Under Pressure (Performed by Queen & David Bowie)
15. Who Wants To Live Forever
16. Bohemian Rhapsody (Live Aid) – オーディオは初収録
17. Radio Ga Ga (Live Aid) – オーディオは初収録
18. Ay-Oh (Live Aid) – オーディオは初収録
19. Hammer To Fall (Live Aid) – オーディオは初収録
20. We Are The Champions (Live Aid) – オーディオは初収録
21. Don’t Stop Me Now… revisited – 初収録
22. The Show Must Go On
映画『ボヘミアン・ラプソディ』
2018年11月9日日本全国ロードショー
配給:20世紀フォックス映画
© 2018 Twentieth Century Fox
映画公式サイト
映画『ボヘミアン・ラプソディ』フレディ バースデー特別映像