マーベル最新映画『ブラック・ウィドウ』サントラ配信。作曲家ロアン・バルフェが語るその中身
2年ぶりのマーベル・スタジオ映画作品として劇場とディズニープラスにて公開されている『ブラック・ウィドウ』のオリジナル・サウンドトラックが2021年7月9日に配信された。
劇中で流れるスコアの作曲とプロデュースを務めたのは、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』『ザ・クラウン』の音楽を手掛けたことでも知られるスコットランド出身の作曲家、ロアン・バルフェ(Lorne Balfe)。本作のサウンドトラックのエクゼクティブ・プロデューサー陣の中には、マーベル・スタジオのプロデューサー兼プレジデントであるケヴィン・ファイギも名前を連ねている。
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このオリジナル・サウンドトラックのレコード盤のライナーノーツ内で、ロアン・バルフェのスコアについて、監督のケイト・ショートランドは次のようにコメントしている。
「このスコアは時にもろく、ナターシャ(=ブラック・ウィドウ)の恐怖心やつながりへの憧れを体現しています。彼女と地球との希薄な絆を表現しているとも言える。しかし、それでいてとてもパワフルで、私は音楽の楽しさと壮大さに思わず体が震えてしまうほど。ロアンは私たちを壮大な旅に連れて行ってくれるのです」
映画の映像を最初に見た瞬間から、ナターシャというキャラクターを音楽を通して語り継ぐ必要があるとバルフェは感じていたいう。
「彼女の人生のサウンドトラックを紹介したかったのです。私は(ナターシャの出身地である)ロシアの民俗音楽をたくさん聴ききました、とても特徴があるサウンドなんですよね。音楽はいつも彼女と共にある過去の亡霊のようなものなんです」
バルフェは、音楽の観点からナターシャを定義するのに役立つ民俗音楽(フォーク・ミュージック)をモチーフに作曲し、サウンドトラックにはロシア語で歌う20人の女性合唱団も参加している。
「これらの曲のDNAとして、バラライカ、ドゥドゥク、ドンブラ、ハーディ・ガーディなどが含まれています。さらに、その土地に基づくこれらの楽器に加えて、女性の声も必要だと感じたんです。ロシア語は少し難しいか攻撃的に聞こえるときがあるけれど、でもそこには非常に魔法のような何かがある。美しく素朴なものなんです」
サウンドトラックは、ギャビン・グリーナウェイの指揮のもと、118人のミュージシャンと、男性40人、女性20人のクラシックとゴスペルからなる60人の聖歌隊によって、アビイ・ロード・スタジオで録音。ロアン・バルフェはこう語る。
「アビイ・ロードは、長年にわたってアベンジャーズ・ファミリーの音楽の本拠地となっています。映画『ブラック・ウィドウ』における彼女の物語の壮大さに匹敵するスタジオは世界に1つしかない。さらにそんなアビイ・ロード・スタジオで収録された中でも史上最大級のオーケストラで録音するというのも本作に合っていると思うのです」
Written by uDiscover Team
ロアン・バルフェ『ブラック・ウィドウ オリジナル・サウンドトラック』
2021年7月9日配信
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《映画情報》
マーベル・スタジオ最新作『ブラック・ウィドウ』
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