TDE初の女性ラッパー、ドーチの新ミックステープ『Alligator Bites Never Heal』発売中

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9月 25, 2024

ItoMasaki

Doechii - Photo: Aaron J. Thornton/Getty Images

トップ・ドッグ・エンターテインメント（TDE）と契約した初の女性ラッパーとして注目を集めているドーチ（Doechii）の新たなミックステープ『Alligator Bites Never Heal』が8月30日にリリースされた。彼女の稀有な才能を最も生々しい形でとらえ、リスナーにその唯一無二の芸術性を19の異なる窓から提示するこのミックステープのリリースに際し、彼女は次のような声明を発表している。

「私のスワンプ、献身的なファンの皆さんがこのミックステープを大事し、美しい思い出を作ってくれることを願っています。私の音楽で辛い日々を乗り越え、より良い日々を想像してください。皆さんが私にインスピレーションを与えてくれたように、“Alligator Bites Never Heal”が皆さんにもインスピレーションを与えられることを願っています。永遠に愛しています」

ヒップホップ界で注目すべき存在

TDEのインハウス・プロデューサーであるデヴィン・マリク（リル・ヨッティ、ケン・カーソン）がプロデュースを手掛け、KUNTFETISHをゲストに迎えたシングル「GTFO」は、2人のアーティストによる鋭い言葉遊びをフィーチャーし、彼女たちの批判者を罵倒している。

先週リリースされたばかりの「Boom Bap」は、ローリング・ストーン誌で “今週知っておくべき曲”の1つに選出され、ESSENCE誌の“ベスト・ニュー・ミュージック”のリスト入りもしたほか、米ビルボードは「ヒップホップ界で注目すべき存在であることを何度も証明するドーチのA+のフロウ」と絶賛している。

その他にもこのアルバムには、鈍重で力強いラップを披露している「Bullfrog」、ホラーコア風の唸り声を放つ「Catfish」、数々の名言を残している（“私は新たなヒップホップ界のマドンナ／トラップ界のグレイス・ジョーンズ”）「Nissan Altima」などが収録されている。

アルビノのワニを抱えたアルバムジャケット

彼女の故郷であるタンパと、現在活動の拠点としているロサンゼルスを等しく体現するアルバム『Alligator Bites Never Heal』において、彼女は過去であり、現在であり、そして未來でもある。その1時間足らずの作品の中で、彼女は数え切れないほどのジャンルやムーブメント、時代やアイデアを私たちの前に打ち出している。

ヴィヴィアン・ウエストウッドを身にまとい、三つ編みにビーズを飾り、膝の上にアルビノのワニを乗せ、まるで「期待はずれだった？」とでも言いたげな、石のように無表情な女王の風格を持つジャケット写真の女性が彼女である。

このミックステープは、R&B界のスーパースターであるSZAが「今年一番クレイジーな曲」と評したユーロダンス風のヒット曲「Alter Ego」に続くものだ。JTのヴァースをフィーチャーした「Alter Ego」のリミックス・ヴァージョンはドーチの成功をさらに後押しした。同曲は、Spotifyだけで1,500万回以上のストリーミング数を記録している。

今年夏の初めには、熱狂的なダンスビートに乗せて躍動する「MPH」をリリース。また、ミュージック・ビデオでSprite Limelightとタッグを組んだメロディックなシングル「ROCKET」は、Hypebeastから「夏にぴったり1曲」と称されている。

“スワンプ・プリンセス”による快進撃

昨年、「What It Is (Block Boy)」が全世界で6億回以上のストリーミング数を達成した後、ニュージャージー・クラブに影響を受けたシングル「Booty Drop」、そしてStereogumが“電子的な要素と刺激的なロックギターを融合させた過激主義者の叫び声のようなアンセム”と評した「Pacer」を発表。

“スワンプ・プリンセス”を自称する彼女は、9月にビヨンセのロサンゼルス公演でオープニングアクトを務め、同年秋には、ドージャ・キャットの“Scarlet ”ツアーに同行し、その勢いをさらに加速させた。

この成功は、2022年のEP『she/ her/black b**ch』に続くもので、高速ラップから魅惑的な歌唱まで、ドーチは独特の声を持った多彩な才能としてその存在感を際立たせた。彼女は、新人ラッパーの登竜門として知られている“XXLフレッシュマン・クラス”入りした他、ローリング・ストーン、NPR、Vulture、Complex、Uproxx、Pigeons and Planes、FADERなど、多くのメディアによる“注目すべきアーティスト”に選出。さらには、ケイティ・ペリーの最新スタジオアルバム『143』収録楽曲の「I’M HIS, HE’S MINE」にゲストとして参加。