デフ・レパード、80年代のキャリアを総括するボックス・セットの発売決定
2018年6月1日、デフ・レパードのキャリアを総括するボックス・セットの口火を切る第一弾として、4枚のオリジナル・アルバム(『On Through the Night』『High ‘n’ Dry』『Pyromania』『Hysteria』)とその周辺音源を纏めた『Volume One』のLPとCDのボックス・セットが発売されることが発表となった。コレクションはこの夏話題のジャーニーとの共同ヘッドライナーで行なわれる全米ツアーの開催に合わせて発売される。
バンドの完全収録シリーズの第1弾として共に限定版でリリースされる180g重量盤LPボックスとCDボックス・セットは、デフ・レパードの最初の4枚のスタジオ・アルバムに加えてライヴおよびスタジオ音源がボーナスとしてチョイスされ、それぞれ8枚のLP、7枚のCDの仕様となる。
『Volume One』 コレクションには、2枚組だった『Pyromania (Deluxe Edition)』のボーナス・ディスクとしてリリースされた1983年のLAフォーラムでのライヴ・アルバムが含まれる。ショーを完全に収録したものとしては、アナログ版は初めてである。このLP2枚組版には新しいアルバム・スリーヴとインナー・バッグがついてくる。
『Rarities Volume 1』はジョー・エリオットの編集によるもので、レアなB面曲やデフ・レパード初期のレコーディング作品が新たに制作されたスリーヴに収められる。そして、このコレクションならではの企画として、デフ・レパードが自身の名を冠して最初に発表したEPの7インチ・ヴァイナルまたは3インチCDも含まれる。
『Volume One』 コレクションには1980年代のデフ・レパードの全てのレコーディングが、オリジナルのアルバム・ジャケットを再現したパッケージで収載されるだけでなく、ボーナスとしてバンドがインディーで発売した「Def Leppard EP」の7インチ・シングルと3インチCDのレプリカもついてくる。
ボックス・セットのアルバムはどれも、長年バンドのプロデューサー/サウンドマスターを務めたローナン・マックヒューによってマスタリング。LPのカッティングはグレッグ・ムーアが担当。堅牢なボックスに収められた『Volume One』 コレクションには、バンドの親しい友人でもあるロス・ハルフィンによるレア・フォトと「Classic Rock」誌のポール・エリオットによるライナーノーツが掲載されたハード・カヴァーのブックレットが封入。このブックレットにはデフ・レパードのメンバーたち、ジョー・エリオット、ベースのリック・サヴェージ、ドラマーのリック・アレン、そしてギタリストのフィル・コリンもこのコレクションについてのコメントを寄せている。
『Volume One』は 世界中の影響を与え続け、更なる成長を続けるバンドの類まれなコレクションである。デフ・レパードは全世界で合わせて1億枚以上のセールスを上げただけでなく、世界中でソールド・アウトのツアーを開催している。デフ・レパードは最近、そのすべてのレコーディング・カタログをストリーミングおよびダウン・ロードで配信し、その初日だけで400パーセントの売り上げを記録すると共に、30か国のiTunesでトップ10入りした。
『Volume One』 は、デフ・レパードの1980年のデビュー・アルバム『On Through The Night』から始まる。全英で15位、全米51位を記録して瞬く間に彼らの存在を世界に印象付けたアルバムはトム・アロム(ジューダス・プリースト、ブラック・サバス)がプロデュース。この『On Through The Night』には、バンドのライヴで今でも人気の曲「Rock Brigade」「Hello America」などを始め、初期のシングル「Rocks Off」のアップデート・ヴァージョンが収録。アルバムは1989年にプラチナ・アルバムを獲得。今回はレアなオーストラリア版のゲート・フォールド・スリーヴを採用している。
1981年発売の『High And Dry』はデフ・レパードの2枚目のプラチナ・アルバムであり、初めてロバート“マット”ラング(AC/DC、フォリナー)がプロデュースを手掛けた作品である。全英で26位、全米では38位まで上り、FM局によるヘヴィなエアプレイが後押しとなった「Let It Go」やバンドにとって、今日まで最も人気のシグネチャー・ソングである「Bringin’ On The Heartbreak」などが含まれている。
1983年の『Pyromania』(邦題:炎のターゲット)はバンドにとって、ロック・レジェンドとしての地位を確立させる作品となった。前任のピート・ウィリスに代わって、フィル・コリンがギターで参加した初めてのアルバムでもある。 MTVで大ヒットした「Photograph」や「Rock Of Ages」、拳を振り上げたくなる「Rock Rock (Till You Drop)」などを収録したこの 『Pyromania』は全米でNo.2を記録するとともにダイアモンド・アルバムとなり、1,000万枚以上のセールスを記録した。
デフ・レパードは1987年、『Hysteria』をリリース。現在までに全世界で2,500万枚以上を売り上げるなどバンドにとって最大のセールスとなったこの作品は、全英、全米そしてオーストラリアでNo.1となり、アメリカではダイアモンド・アルバム(1,000万枚越え)のステータスを獲得した。フィル・コリンは言う。「最近はプラチナだってなかなかいかないのにね! アメリカでダイアモンドってプラチナの10倍だから、すごいことだよね。それを2つ獲得したんだ。素晴らしいことだし、ものすごいことを達成したんだという気になるよ」。
マット・ラングのプロデュースによる『Hysteria』は、製作に3年かかり、結果として4枚のシングルをチャート入りさせ、(No.1となった「Love Bites」、「Pour Some Sugar On Me」の大ヒット曲を含む)へヴィ・メタル版『Thriller』と言われるまでに至った。収録時間62分強の『Hysteria』は当時一枚のヴァイナル・レコードに収められたアルバムとしては最も長いものだったが、今回のスペシャル・ボックス・セットでは最高の音質を目指すべく2枚組LPとして製作されている。
デフ・レパードの卓越したヴォーカル・テクニックは、彼らがロックの歴史において確かな足跡を残した証拠の一つとなっているが、ジョー・エリオットは「僕らのハーモニーのやり方は、基本的にはクイーンみたいなバンドのマルチ・トラッキング手法に基づいたものなんだけれど、それを更に推し進めた感じなんだ。クイーンはバッキング・ヴォーカルを3層か4層でやったけれど、僕たちは20層だった。目指したのはクイーンのクオリティでスレイドの壮大さだったんだ。それが僕らの独特のサウンドになったんだと思うし、それがアルバムの一番の目的だった。バンドの独特のダイナミクスを捉えることがね」と説明している。フィル・コリンもそれに付け加える。「アメリカのバンドは美しいヴォーカルと素晴らしいハーモニーを持っている。僕らはそれにパンクの精神を加えてみた。シャウトやスクリームが入って、より魅力的に、よりブリティッシュになったと思うんだよ。それが僕らとアメリカのバンドの一番の違いなんじゃないかな」。
デフ・レパードの『Volume One』は彼らのキャリアの更なる高みとなるだろう。
デフ・レパード『The CD Box Set: Volume One』
2018年6月1日発売
価格:13,000円+税/品番:UICY-78594
CD7枚組、40ページの豪華ブックレット付
<日本盤のみ>SHM-CD仕様、解説:伊藤政則/英文ライナー翻訳付/歌詞対訳付
デフ・レパード『The Vinyl Box Set: Volume One』
2018年6月1日発売
8LP + 7”ボックス・セット:輸入盤