ディアンジェロ 『Brown Sugar』のデラックス・エディションが発売に
プラチナディスクに認定されたディアンジェロのデビュー・アルバムであり、1995年に発表されたネオ・ソウルの傑作『Brown Sugar』が新たにデラックス・エディションで、8月25日に発売される(リマスター/ボーナストラック付きCD2枚組とデジタル・ダウンロードの2フォーマット)。
このデラックス・エディションでは、グラミー賞を受賞したエンジニア、ラッセル・エルヴァドがリマスターを担当。またレア音源が21トラック追加されており、その中にはC.J.マッキントッシュ、ダラス・オースティン、キング・テック、エリック・サーモン、インコグニートによるリミックス、さらにはインストゥルメンタル・ヴァージョンやアカペラ・ヴァージョンが含まれている。
この新たに追加された21トラックのうち、15トラックは過去LPでしか発表されていなかった。また7トラックは、今回のデラックス・エディションが初めての正式発表となる。
『Brown Sugar』デラックス・エディションのCD2枚組版はデジパック仕様で、20ページのブックレットには、著名なライター/映画作家であるネルソン・ジョージの解説のほか、レアな写真、オリジナル版に収録されていた10曲分の歌詞が掲載されている。
1995年7月4日に発売されたアルバム『Brown Sugar』はソウル・ミュージックの新たな方向性を切り開く作品であり、また伝統と革新性の両方を合わせ持つ作品でもあった。当時21歳だったディアンジェロは、ほとんどの収録曲で作詞・作曲・アレンジ・演奏・プロデュースをひとりでこなしている。ここでの彼は古典的なジャズ、ゴスペル、ソウル、ヒップホップからの影響を土台にしつつ、ビンテージ物の楽器と新たな機材を両方使い、自らのクリエイティヴなヴィジョンを作品化している。
今回のデラックス・エディションのブックレットには、アルバムの共同プロデューサーを務めたボブ・パワーがこんなコメントを寄せている。「ディアンジェロは、登場した時点で一人前だった。それだけでない。まさしくジャンルを融合させるアーティストだった。いや、ジャンルを作り出すアーティストだったと言うほうが適切だろう」。
『Brown Sugar』には、他にもア・トライブ・コールド・クエストのアリ・シャヒード・ムハマド(アルバム・タイトル曲を共作)やラファエル・サーディク(「レディ」を共作)が参加している。
このデビュー・アルバムは、やがて”ネオ・ソウル”の代表作と呼ばれるようになった。ビルボード誌のアルバム・チャートには65週ランク入りし、全世界の音楽評論家から絶賛されており、ローリング・ストーン誌のレコード評では四つ星の評価を受けている。そのレコード評では、チェオ・ホダリ・コーカーが次のように述べていた。「『Brown Sugar』は、従来のR&Bがどういう位置にあったのかを思い出させてくれるアルバムだ。そして、もしR&Bというジャンルが不死鳥のように再びクリエイティヴな今日性を取り戻すのなら、このアルバムはR&Bが進むべき道をも指し示しているはずだ」。
今回のデラックス・エディションの解説で、ネルソン・ジョージはこう述べている。「若きディアンジェロは順当に新たな音楽の救世主となり、ブラック・カルチャーを新たな約束の地へと導く役割を負わされた」。
この画期的なアルバム『Brown Sugar』は、グラミー賞で4部門にノミネートされた。またMOJO誌の”100 Modern Classics(現代の名盤100点)”やローリング・ストーン誌の選定した”Essential Recordings of the ‘90s(’90年代の必聴アルバム)”といった特集記事でも取り上げられてきた。
(ロサンゼルス発、2017年7月14日)
Brown Sugar (Deluxe Edition)
2017年8月25日発売
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