若きブルーノート・オールスターズが作り上げ、彼ら自身の歴史となる『Point Of View』

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ブルーノートの75周年を記念して2014年に結成されたジャズのスーパーグループ、ブルーノート・オールスターズによるデビュー・アルバム『Our Point Of View』が9月29日にリリースされる。

現在のラインナップはロバート・グラスパー(キーボード)、アンブローズ・アキンムシーレ(トランペット)、マーカス・ストリックランド(テナー・サックス)、リオーネル・ルエケ(ギター)、デリック・ホッジ(ベース)、ケンドリック・スコット(ドラム)。またブルーノートでデビューを飾ったハービー・ハンコックウェイン・ショーターというジャズの二大巨匠もゲストとしてアルバムに参加している。

アルバムからのリードトラック「Second Light」は現在ストリーミングで試聴可能。

ブルーノート・オールスターズのメンバー6人全員がブルーノートでそれぞれが自身の作品を作っている最中だが、それぞれが時間を捻出し、11曲90分間ものアルバムを共同で制作を行った。1965年にブルーノートからリリースされたウェイン・ショーターの 『Speak No Evil』に収録された「Witch Hunt」の18分間にも及ぶカヴァー、同じくウェイン・ショーターが作曲した「Masquelero」のカバーには、ウェイン・ショーター自身がソプラノ・サックスで、そしてハービー・ハンコックはピアノで参加している。ウェイン・ショーター作曲のこの2曲に加えて、各ミュージシャンによるオリジナル曲も収録されている。

アルバムはグラミー賞受賞アーティストのロバート・グラスパーとブルーノートの社長、ドン・ウォズによってプロデュースされた。「(この作品は)ジャズがいかに有意義になれるかを表しているんだ」とロバート・グラスパーは語る。「音楽は自分が今居る時代を反映すべきなんだ。これまでもずっとそうだった。俺たちは皆、音楽の歴史を愛していて、ジャスの歴史に夢中になるけれど、俺たちは誰もジャズの歴史にコントロールされたことはない。俺達自身の歴史を自分たちが作っていると感じでいるよ」。

ロバート・グラスパーは続ける。「このバンドは音楽を愛する気持ちから集まった柔軟で才能溢れるミュージシャン達によって成り立ってる。これに勝るものなんてないよ。振り返るんじゃなく、次に進むために間口を広げようとしているんだ」。ドン・ウォズはこう付け加えた。「この作品は俺にとって、ブルーノートとは何なのか?というものを象徴しているよ」。

さらにドラマーのケンドリック・スコットも続けた。「俺たちはブルーノートの基礎を築いた偉大なるマスターたちの域に達したいと願っている若者だ。俺達はそこまで到達しようと挑戦を続けている。恐らく正しい道を進んでいるんだと思う。予想外のことを期待できることこそが、俺達がやっていることの美学なんだ」

マーカス・ストリックランドは言う。「みんな瞬間瞬間を生きているんだ。当然、最高レヴェルの自由を見せることができる」。リオーネル・ルエケはこう述べる。「俺たちはお互いから学んで、お互いに挑んでいる。心が狭いやつなんて誰もいないよ。みんなオープンで、音楽に向かい合っている。そうである限り、マジックは起きるもんさ」。

ブルーノート・オールスターズは2014年にモントレー・ジャズ・フェスティバルでデビューを果たしてから数回ライブを行った後、ハリウッドのキャピトル・スタジオで今作がレコーディングされた。彼らのデビュー・アルバム『Our Point of View』は 1984年にお蔵入りしていたインプリントを復活させ、その名高い評判を取り戻す手助けをし、残念ながら2015年5月19日に亡くなった後期ブルーノートの社長ブルース・ランドヴァルに捧げられている。

Written by Paul Sexton



ブルーノート・オールスターズ『Our Point Of View』
   


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