アストル・ピアソラの生誕100周年を記念し、誕生日の3月にベスト盤と7枚のレア盤が発売決定
「リベルタンゴ(Libertango)」や「ブエノスアイレスの四季(Las Cuatro Estaciones Porteñas)」など数々の名曲を生み出し、“タンゴの破壊者”と呼ばれた作曲家でありバンドネオン奏者のアストル・ピアソラ(Astor Piazzolla)。
2021年3月11日に迎える彼の100回目の誕生日を記念して、ベスト盤『リベルタンゴ~ピアソラ・フォーエヴァー』、そして彼がフィリップスとポリドールに遺したレア盤7タイトルのリイシューが3月3日に発売されることが決定した。
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ベスト盤『リベルタンゴ~ピアソラ・フォーエヴァー』は、彼の代表曲でもある「リベルタンゴ」や「ブエノスアイレスの四季」など数々の有名曲を、ギターやフルート、オーケストラによる名録音で収録した、ピアソラの最高傑作がすべて網羅された内容。シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団や、マイケル・ティルソン=トーマス指揮ニュー・ワールド交響楽団による「アディオス・ノニーノ」や「タンガーソ」の迫力のあるフル・オーケストラ演奏。また、名匠パトリック・ガロワ(フルート)とョラン・セルシェル(ギター)のデュオによる名作「タンゴの歴史」も必聴だ。
7タイトルのレア盤リイシューでは、ピアソラがフィリップスとポリドールに遺した音源をほぼ網羅する7枚を初のUHQ-CD化で発売。ピアソラ研究の世界的権威である斎藤充正が全タイトルの解説を担当し、資料としても貴重な内容に仕上がっている。
リイシューの中でも彼の最高傑作のひとつに数えられる『ニューヨークのアストル・ピアソラ+6』は、今回世界で初めてオリジナル・アートワークを使用したリイシュー。さらに『コラボレーションズ』と『オランピア ‘77』は世界初の単独CD化となる。
そしてピアソラの生誕100周年、ベスト盤とリイシューの発売を記念して、ピアソラにゆかりのあるミュージシャンたちからのコメントも到着している。
「革命家ピアソラ」を強調するあまり、彼が古典的タンゴを愛した事実を隠したい人たちへは「タンゴの歴史/第1~3集」を、ジャジーでブッちぎりな80年代だけがピアソラの本質と思い込む人には「モダン・タンゴの20年」を突きつけよう。ピアソラはタンゴのひとつ。他ジャンルの人々の玩具ではないことを明確にする重要リイシューだ。(小松亮太)
きっとまた、巷によくある‟A級代表曲”が並べられたコンピレーションだろうと高を括っていたら…僕ですら聴いたことのなかった秘蔵音源が、これでもかと収録されていたことに思わず目を見開いてしまった。これは、間違いなく「生誕100周年」という節目でもない限り、我々が俯瞰することのできなかったピアソラの「軌跡」と言えるだろう。(三浦一馬)
ピアソラの音楽が存在していなかったら、タンゴはまだ遠い世界だったかもしれない。
私はギターのお蔭でピアソラの音楽に触れる幸運を得た。心をえぐられるような激しさと
一種の諦観も仰せ持つ音世界。私自身、歳を重ねるほど好きになっている気がする。
現存する珠玉の自作自演の録音を、私達はどう活かしていけるだろうか。(村治佳織)
アストル・ピアソラとは?
アストル・ピアソラはアルゼンチンの作曲家、バンドネオン奏者。タンゴを元にクラシック、ジャズの要素を融合させた独自の演奏形態を産み出した。
1921年にアルゼンチンのマル・デル・プラタに生まれる。子どもの頃にニューヨークへ移住し、1931年にブロードウェイのラジオ局でバンドネオンのフォルクローレを録音し、以降積極的に演奏活動、作曲活動を開始。
アルゼンチンに帰国後バンドネオン奏者として頭角を現し、1944年から自らの楽団を率いて活動をスタート。その後パリ留学を経てタンゴが自らのルーツであることを再確認し、帰国後1955年にブエノスアイレス八重奏団を結成。
エレキギターを取り入れるなど先鋭的な作風は賛否両論を巻き起こし、「タンゴの破壊者」と言われるほどであった。1959年に亡き父に捧げた代表作「アディオス・ノニーノ」を作曲。翌年からピアソラの標準的グループ構成である五重奏団を結成、以降様々な楽団の結成、解体を経て理想的な音楽を追い求めた。
1990年にパリの自宅で倒れ闘病生活に入り、1992年ブエノスアイレスにて死去。71歳だった。生前はその先鋭的な作風から批判を受けることも多かったが、タンゴの可能性をローカルな音楽から押し広げたという功績は現在国際的に高く評価され続けている。
アストル・ピアソラ『リベルタンゴ~ピアソラ・フォーエヴァー』
2021年3月3日発売
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収録曲:
1. アディオス・ノニーノ/ダニエル・ビネッリ(バンドネオン)、モントリオール交響楽団、指揮:シャルル・デュトワ
2. リベルタンゴ(ルイス・バカロフ編)/エクトル・ウリセス・パサレジャ(バンドネオン)、ルイス・バカロフ(ピアノ)、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団、指揮:チョン・ミュンフン
3. 天使のミロンガ/ダニエル・ビネッリ(バンドネオン)、モントリオール交響楽団、指揮:シャルル・デュトワ
4. ブエノスアイレスの四季 – I. ブエノスアイレスの秋(アグスティン・カルレバーロ編)/イョラン・セルシェル(ギター)
5. タンゴの歴史 – I. 酒場 1900/パトリック・ガロワ(フルート)、イョラン・セルシェル(ギター )
6. タンゴの歴史 – II. カフェ1930/パトリック・ガロワ(フルート)、イョラン・セルシェル(ギター )
7. タンゴの歴史 – III. ナイトクラブ1960/パトリック・ガロワ(フルート)、イョラン・セルシェル(ギター )
8. タンゴの歴史 – IV. 現代のコンサート/パトリック・ガロワ(フルート)、イョラン・セルシェル(ギター )
9.リベルタンゴ/ボンド
10. オブリヴィオン/ダニエル・ビネッリ(バンドネオン)、ルイーズ・ペルラン(オーボエ)、モントリオール交響楽団、指揮:シャルル・デュトワ
11. フルート・ソロのための6つのタンゴ的エチュード – III. Molto marcato e energico/パトリック・ガロワ(フルート)
12. タンガーソ/ニュー・ワールド交響楽団、指揮:マイケル・ティルソン=トーマス
『モダン・タンゴの20年』
2021年3月3日発売 UCCM-45001 UHQ-CD ¥2,200(税込)
オリジナル:1964 年リリース
『エル・タンゴ』
2021年3月3日発売 UCCM-45002 UHQ-CD ¥2,200(税込)
オリジナル:1965年リリース
『ニューヨークのアストル・ピアソラ』
2021年3月3日発売 UCCM-45003 UHQ-CD ¥2,200(税込)
オリジナル:1965年リリース
『タンゴの歴史 第1集~グアルディア・ビエハ』
2021年3月3日発売 UCCM-45004 UHQ-CD ¥2,200(税込)
オリジナル:1967年リリース
『タンゴの歴史 第2集~ロマンティック時代+7』
2021年3月3日発売 UCCM-45005 UHQ-CD ¥2,200(税込)
オリジナル:1967年リリース
『コラボレーションズ』
2021年3月3日発売 UCCM-45006 UHQ-CD ¥2,200(税込)
1975~1985年リリース
『オランピア ‘77』
2021年3月3日発売 UCCM-45007 UHQ-CD ¥2,200(税込)
オリジナル:1977年リリース