ジョージにとって10作目となるスタジオ・アルバムは、1982年5月上旬から8月末にかけてその大部分がレコーディングされた。それは『Somewhere In England』がリリースされてから1年余りが経った時のことだった。本作はワーナー・ブラザーズとの契約下で制作された最後のアルバムであり、そのことを念頭に置いて作られた感もあるが、多くの驚きに満ちた本作の概説としては、それはあまりに単純化が過ぎるというものだ。
「Wake Up My Love(邦題:愛に気づいて)」は、本アルバムからの第1弾シングルのA面で、全米シングル・チャート最高位53位。「That’s The Way It Goes」はハワイとオーストラリアで書かれたもので、世の中がカネと地位にばかり夢中になっていることに対するジョージの見解が表されており、それが不可逆的であることを彼は受け入れるようになっていた。この曲は、本作の中でも特にジョージが気に入っているものの1つで、評論家の間でも人気が高く、コンピレーション・アルバム『Best of Dark Horse 1976-1989』にも収録。2002年11月、ジョージが亡くなってから1年後、ロンドンで開催された『コンサート・フォー・ジョージ』では、ジョー・ブラウンがこの曲を披露している。本作に収録されているカヴァー曲は1曲。 リロイ・スウェアリンジェンが書き、ヴォーカル・グループのザ・ステレオズが1961年にレコーディングして全米29位となった「I Really Love You」がそれだ。