セバスチャン・ヤトラの5つの魅力:映画『ミラベルと魔法だらけの家』で注目の若きラテン・スター

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公開を前にして話題沸騰中のディズニー新作映画『ミラベルと魔法だらけの家』(原題:Encanto)。南米コロンビアの奥地を舞台にしたこの作品には、音楽でもコロンビアのアーティストが関わっている。そのひとりが、若きラテン・スターのセバスチャン・ヤトラ(Sebastián Yatra)だ(「2匹のオルギータス / Dos Oruguitas」と「ツー・オルギータス / Two Oruguitas」で歌唱)。

コロンビア国内だけでなくワールドワイドでヒットを飛ばし、今最も注目されているアーティストのひとりでもある。ここではなぜ彼がすごいのかを解説してみよう。

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1. サッカー、名門大学進学などマルチな才能を持つ男!

セバスチャン・ヤトラは、1994年生まれの27歳。コロンビア第二の都市であるメデジンで生まれている。5歳の時に母親とともに米国のマイアミに移住し、音楽を始めるよりも前に、サッカーにのめり込んだ。その後、ピアノやギターを学ぶことになるが、サッカーも継続。ハイスクールのチームでミッドフィルダーとして活躍したそうだが、かなりの凄腕だったそうだ。

音楽の仕事をしたいと決意してからは毎日のようにヴォーカル・トレーニングを行い、サッカーのチームメイトの前でも歌を披露していたという。ハイスクールを卒業した彼は、名門のボストン大学に進学する。しかし、どうしても母国で音楽活動をしたいと決意し、程なくしてドロップアウト。20歳で米国から故郷のコロンビアに戻ることになるのだ。サッカーで有望視され、有名大学に進み将来も有望だったことを捨ててまで、音楽の道に進んだ情熱家なのである。

 

2. レゲトンからバラードまで歌いこなせる実力派!

セバスチャン・ヤトラは、2013年に「El Psicólogo」というシングルでデビューを果たしている。この曲はアコースティック・テイストのレゲエを取り入れたソフトなナンバーで、彼の優しい雰囲気を表現した楽曲だったが、それほど話題にはならなかった。

その後、数枚のシングルを発表するがなかなかブレイクまでには至らず、2016年に発表した「Traicionera」が爆発的に大ヒットとなった。この曲はレゲトンをベースにEDMやトラップの要素を取り入れた最新サウンドと、彼の憂いのある声のマッチングで幅広く受け入れられ、それがそのまま個性となった。

そしてヒットの波はコロンビア国内だけでなく、中南米諸国や北米、そしてスペインを始めとするヨーロッパにも広がっていった。以来、『Mantra』(2018年)と『Fantasía』(2019年)という2枚のアルバムの他、多数のシングル・ナンバーを各国のチャートに送り込んでいった。その結果、ラテン・アメリカン・ミュージック・アワードなど数々の賞も受賞。ダンサブルなレゲトンはもちろん、切ないバラードもしっかりと歌える実力派シンガーとして絶大な人気を誇っているのだ。

 

3. 楽曲やMVの再生回数が桁外れ!

彼がどれほど評価されているかということは、ミュージック・ビデオの再生回数だけでも伝わるのではないだろうか。現在、彼のYouTubeチャンネルの登録数は約1650万人。ミュージック・ビデオやライヴ映像を含めて170本以上もの様々な動画が公開されているが、そのうち15本が億を超える再生数を誇っている。「No Hay Nadie Más」と「Ya No Tiene Novio (with Mau y Ricky)」が約8億6千万回、「Un Año (with Reik)」が約6億4千万回となっており、数字だけでも彼の絶大な人気ぶりがわかるだろう。

また、Spotifyを見てみると、最もストリーミング再生されている「Pareja del Año (with Myke Towers)」が3億8千万回数以上となっている。シャキーラやリッキー・マーティンといったラテンのトップスターの再生数も4~5億回くらいがトップなので、まさにそのレベルに肉薄する数字であることがわかる。

 

4. アーティストとの交流が幅広すぎ!

デビュー以来、とにかく多くのアーティストとコラボレートしてきたセバスチャン・ヤトラ。リッキー・マーティンやフアネス、そして「Despacito」の爆発的なヒットも記憶に新しいルイス・フォンシやダディ・ヤンキーといった日本でも知られるアーティストを筆頭に、ラテン・ミュージックのVIPたちが名を連ねている。

母国コロンビアからはカルロス・ビベス、スペインのダビッド・ビスバル、ブラジルのイヴェッチ・サンガロ、ベネズエラのマウ・イ・リッキー、メキシコのアレハンドロ・フェルナンデスなどなど、いずれも日本ではそれほど知られていなくても世界的には有名なスターばかり。

英語圏でいえば、ワンリパブリックやジョナス・ブラザーズ、元テイク・ザットのゲイリー・バーロウも名前を連ねているし、変わったところではカナダのジャズ・シンガーのマイケル・ブーブレも重要な共演者のひとりだ。

しかも2019年にはK-POPの人気グループ、MONSTA Xとの共演曲も話題になっている。とにかく国籍もジャンルも超越し、果敢にコラボレーションにトライしているアーティストなのだ。

 

5. 間違いなく次世代のトップスター!

今回の映画『ミラベルと魔法だらけの家』に抜擢されたように、ラテン・ポップ界ではもっとも新鮮で勢いのあるアーティストというイメージが強い。しかも、レゲトンからバラードまでしっかりと歌いこなせる歌唱力や、幅広い人脈でさらに大きく開花する可能性を秘めている。

一例を挙げておこう。2021年9月から11月まで、リッキー・マーティンとエンリケ・イグレシアスによるラテン界のトップスター2人のジョイント・ツアーが実施されているが、実はこの大規模なツアーのすべての会場に、セバスチャン・ヤトラがオープニングアクトとして同行しているのだ。ビッグ・アーティストのサポートを経て、さらにもう一段階上のステップに踏み込むのも時間の問題だろう。

さらにいえば、今回の映画をきっかけに、日本を含めた非スペイン語圏でも大ブレイクする可能性も考えられる。とにかく、セバスチャン・ヤトラは、今後も要注目アーティストであるのは確かなのだ。

Written by 栗本 斉



映画『ミラベルと魔法だらけの家』オリジナル・サウンドトラック

2021年11月19日配信
国内盤CD:12月17日発売予定
CD / iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music


【映画情報】

映画『ミラベルと魔法だらけの家』
2021年11月26日(金)日本劇場公開
日本公式HP

監督:バイロン・ハワード(『塔の上のラプンツェル』『ズートピア』)、ジャレド・ブッシュ(『ズートピア』)
音楽:リン=マニュエル・ミランダ(『モアナと伝説の海』)



 

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