洋楽アーティストが歌う“桜ソングス”のおすすめ4曲+アルバム1枚
ラジオDJ、ライナー執筆など幅広く活躍されている今泉圭姫子さんの連載「今泉圭姫子のThrow Back to the Future」の第70回。今回は洋楽アーティストが歌う“桜ソングス”についてご紹介。
そんな桜ソングも収録したプレイリスト『春ドライブで聴きたい洋楽ベスト』が公開中(Apple Music / Spotify)。
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今年は桜の開花が早く、あっという間に桜の季節が過ぎようとしています。雨の日が続いたこともあって、3月下旬には、ハラハラ花びらが舞ってしまいましたね。でも、各地でお花見も再開され、久しぶりに桜の季節を多くの人が堪能したはずです。今回は、そんな桜の季節にぴったりの「Cherry Blossom」をタイトルにした曲をご紹介しましょう。
1. ケイシー・マスグレイヴス「Cherry Blossom」
2021年に発売されたケイシー・マスグレイヴス(Kacey Musgraves)のアルバム『star-crossed』に収録されている「Cherry Blossom」。このアルバムは、一つの愛を乗り越えた彼女の愛の物語。映画のように、喜び、悲しみ、葛藤、別れが描かれています。そのアルバムの3曲目に収録されている「Cherry Blossom」は、大の日本好きな彼女が、散りゆく桜の花びらを自分自身に重ね合わせた歌です。ライトタッチのサウンドに乗った、穏やかな彼女の歌声は、桜の花びらのように、軽やかに舞っているようです。
初来日時に、日本が大好きで、トトロで育ったことを熱弁してくれましたが、その後サマーソニック2022出演のために来日した際も、長期に渡って滞在し、日本を存分に楽しんだ様子がSNSにアップされていましたね。
2. ラナ・デル・レイ「Cherry Blossom」
続いては、3月24日に新作『Did You Know That There’s A Tunnel Under Ocean Blvd』をリリースしたラナ・デル・レイ(Lana Del Rey)も、2021年にリリースしたアルバム『Blue Banisters』に「Cherry Blossom」を収録。ピアノをバックに悲しげに歌うラナの桜の曲は、数多くのヒット曲を生み、Songwriters Hall of Fameの殿堂入りを果たしているリック・ノウェルズとラナとの共作です。
2011年からこのコンビは楽曲を作り始め、数々の名曲を生んでいます。彼女はリリース前の2016年に、SNSを通じて、「Cherry Blossom」をララバイのような曲として、アカペラ・ヴァージョンで披露していました。
3. R3HAB「Cherry Blossom」
そして、オランダ系モロッコ人の人気DJ、プロデューサーのR3HAB(リハブ)が2018年のアルバム『The Wave』に、インストルメンタル・ナンバーの「Cherry Blossom」を収録(囁き声は入っています)。オリエンタルな雰囲気を出しているサウンドは、数多くの日本人アーティストを手掛ける彼の日本へのオマージュなのでしょうか? R3HABもかなりの親日家で、他にも「Karate」「Samurai」というタイトルの曲があります。
4. サーフェシズ「Cherry Blossom」
最後は、テキサスのサーフ・ポップ・デュオ、サーフェシズ(Surfaces)です。2022年のアルバム『Hidden Youth』に「Cherry Blossom」が収録されています。海のイメージが強いグループですが、この曲では、穏やかな春風を感じさせるサウンドに仕上げています。
今や世界各地で桜は見られますが、“Japanese Cherry”という名もあるように、「Cherry Blossom」と名のつく楽曲には、海外のアーティストが思い描く日本を感じさせてくれます。そして日本人にとっても、穏やかな気持ちにさせてくれるサウンド、歌声に癒されます。散りゆく花びらを見ながら、ぜひさまざまな「Cherry Blossom」を楽しんでください。
+α. ザ・ヴァンプス『Cherry Blossom』
最後は楽曲ではなくアルバムですが、ザ・ヴァンプス(The Vamps)です。2020年にリリースとなった、彼らにとって5枚目のアルバムのタイトルが『Cherry Blossom』でした。ザ・ヴァンプスは、来日の度に、日本でのオフを楽しんでいたと聞きます。その年のサマーソニック出演後も、個人的に延泊して、日本を満喫するほどの親日家。ブラッドは、「日本から大きな影響を受けた。滞在中にタイトルが思い浮かんだんだ。僕らはそれぞれの人生を歩んでいるけれど、バンドとしてこれまでとは全く違う作品にしたくて、“生まれ変わる” “再生”の意味を持つ桜からインスピレーションを受けた」と語っていました。
今年2月には、3年振りの来日公演が実現。Greatest Hits Tourと題されたツアーで世界を回っている彼らの新作は、2024年になるようです。また、日本での楽しい思い出がインスピレーションとなって、作品に刺激になってくれたら嬉しいですね。
Written By 今泉圭姫子
桜ソングも収録したプレイリスト『春ドライブで聴きたい洋楽ベスト』
今泉圭姫子のThrow Back to the Future』 バックナンバー
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- 第2回 :バグルス『ラジオ・スターの悲劇』
- 第3回 :ジャパン『Tin Drum』(邦題:錻力の太鼓)
- 第4回 :クイーンとの出会い…
- 第5回:クイーン『世界に捧ぐ』
- 第6回:フレディ・マーキュリーの命日に…
- 第7回:”18 til I Die” ブライアン・アダムスのと想い出
- 第8回:ロキシー・ミュージックとブライアン・フェリー
- 第9回:ヴァレンシアとマイケル・モンロー
- 第10回:ディスコのミュージシャン達
- 第11回:「レディ・プレイヤー1」出演俳優、森崎ウィンさんインタビュー
- 第12回:ガンズ、伝説のマーキーとモンスターズ・オブ・ロックでのライブ
- 第13回:デフ・レパード、当時のロンドン音楽事情やガールとの想い出
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- 第16回:映画「ボヘミアン・ラプソディ」公開前に…
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- 第18回:映画「ボヘミアン・ラプソディ」解説
- 第19回:クイーンのメンバーに直接尋ねたバンド解散説
- 第20回:映画とは違ったクイーン4人のソロ活動
- 第21回:モトリー・クルーの伝記映画『The Dirt』
- 第22回:7月に来日が決定したコリー・ハートとの思い出
- 第23回:スティング新作『My Songs』と初来日時のインタビュー
- 第24回:再結成10年ぶりの新作を発売するジョナス・ブラザーズとの想い出
- 第25回:テイラー・スウィフトの今までとこれから:過去発言と新作『Lover』
- 第26回:“クイーンの再来”と称されるザ・ストラッツとのインタビュー
- 第27回:新作を控えたMIKA(ミーカ)とのインタビューを振り返って
- 第28回:新曲「Stack It Up」を発売したリアム・ペインとのインタビューを振り返って
- 第29回:オーストラリアから世界へ羽ばたいたINXS(インエクセス)の軌跡
- 第30回:デビュー20周年の復活作『Spectrum』を発売したウエストライフの軌跡を辿る
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- 第32回:アダム・ランバートの歌声がクイーンの音楽を新しい世代に伝えていく
- 第33回:ジャスティン・ビーバーの新作『Changes』発売と初来日時の想い出
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- 第35回:ボン・ジョヴィのジョンとリッチー、二人が同じステージに立つことを夢見て
- 第36回:テイク・ザット&ロビー・ウィリアムズによるリモートコンサート
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- 第38回:ザ・ヴァンプスが過去のインタビューで語ったことと新作について
- 第39回:セレーナ・ゴメス、BLACKPINKとの新曲と過去に語ったこと
- 第40回:シン・リジィの想い出:フィル、ゲイリーらとのインタビューを振り返って
- 第41回:クイーン+アダム・ランバート『Live Around The World』
- 第42回:【インタビュー】ゲイリー・バーロウ、7年ぶりのソロ作品
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- 第53回:ロジャー・テイラーのヴォーカルと楽曲
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- 第57回:80年代後半に活躍したグラス・タイガーを振り返る
- 第58回:ブライアン・メイのソロ2作目『Another World』を振り返る
- 第59回:ブライアン・メイ復刻盤『Another World』の聴き所
- 第60回:ポリスのドキュメンタリー『Around The World』とインタビュー
- 第61回:フィル・ライノットの生涯と音楽を振り返るドキュメンタリー映画
- 第62回:10代のジャネット・ジャクソンとのインタビューを思い返して
- 第63回:ブロンディのデボラ・ハリーとUK音楽シーンの女性達を振り返る
- 第64回:セバスチャン・イザンバールが語る新作や、故カルロス・マリンへの想い
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- 第67回:アリアナ・グランデとのインタビューを振り返って
- 第68回:サム・スミスの最新アルバム『Gloria』と初来日の時に語ったこと
- 第69回:ブライアン・アダムス、6年ぶりの来日公演前に最近の活動を語る
今泉圭姫子(いまいずみ・けいこ)
ラジオDJ、音楽評論家、音楽プロデューサー
1978年4月、湯川れい子氏のラジオ番組「全米Top40」のアシスタントDJのオーディションに合格し、この世界に入る。翌年大貫憲章氏とのコンビでラジオ番組「全英Top20」をスタート。以来現在までにラジオDJ以外他にも、テレビやイベント、ライナー執筆など幅広く活動。また、氷室京介のソロ・デビューに際し、チャーリー・セクストンのコーディネーションを行い、「Angel」のLAレコーディングに参加。1988年7月、ジャーナリスト・ビザを取得し、1年間渡英。BBCのDJマーク・グッドイヤーと組み、ロンドン制作による番組DJを担当。
1997年、ラジオ番組制作、企画プロデュースなど活動の場を広げるため、株式会社リフレックスを設立。デュラン・デュランのジョン・テイラーのソロとしてのアジア地域のマネージメントを担当し2枚のアルバムをリリース。日本、台湾ツアーも行う。
現在は、Fm yokohama「Radio HITS Radio」に出演中。
HP:http://keikoimaizumi.com
Twitter:https://twitter.com/radiodjsnoopy
Radio:Fm yokohama「Radio HITS Radio」