新時代のクリスマスソングのプリンセス、アリアナ・グランデとのインタビューを振り返って

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ラジオDJ、ライナー執筆など幅広く活躍されている今泉圭姫子さんの連載「今泉圭姫子のThrow Back to the Future」の第67回。

今回は2014年に発売したオリジナルのクリスマス曲「Santa Tell Me」が、年末にストリ―ミングチャートを上昇して、クリスマスのプリンセスとなりつつあるアリアナ・グランデについて、過去のインタビューを振り返っていただきました。

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新時代のクリスマス・ソングの定番

クリスマスの定番ソングといえば、マライア・キャリーの「All I Want For Christmas is You」、ジャスティン・ビーバーとのデュエット・ヴァージョンも大好きです。また、ワム!の「Last Christmas」は、本家はもちろんのこと、カバー・ヴァージョンも毎年12月を賑わせてくれます。今年はバックストリート・ボーイズのヴァージョンが届けられましたね。

そして新時代のクリスマス・ソングの定番となっているのが、アリアナ・グランデの「Santa Tell Me」です。アリアナのお茶目な雰囲気がクリスマス・ソングとなって誕生し、多くの人たちの共感を得ています。クリスマスを愛する人と過ごす歌ではなく、片思いの切ない気持ちをサンタに託す歌です。アリアナだからこそ、リアルに女子たちの心をキュンとさせてくれます。

アリアナは、レディー・ガガの「Rain On Me」にフィーチャーされ、昨年にはグラミー賞を受賞。シンガーとしての魅力をさらに磨き上げました。親日家でもあり、日本語を勉強し、インタビューでも可愛らしい言葉を連発して、ファンを喜ばせてくれるアーティストです。そんなアリアナとの4回のインタビューから、印象的な彼女の言葉をまとめてみました。

 

過去のインタビューの発言

ファンをとても大切にするアリアナ。ファンからロール・モデルになっていることについて聞くと「ファンこそが、私にインスピレーションを与えてくれる存在」。多くのアーティストとの共演については次のように語ってくれました。

「ベイビーフェイスはレジェンドな音楽家だけでなく、人間としても素晴らしい人だった。いろいろなことを知ってるだけでなく、一緒にいるだけでインスピレーションが湧いてくるの。彼がスタジオに入ってくると、それだけで緊張するけれど、その緊張感でうまく歌えることができた。レコーディング・ブースで、実験的にアドリブで声を出していたりすると、それに対しても、いいね、綺麗だね〜と反応してくれて。彼が興奮している姿を見ると、私も盛り上がることができて、いい作品に仕上げられたよ」

「MIKAは、同じレーベルのアーティストとして共演が実現したんだけど、最初は彼のアルバムに参加する予定だったの。でも仕上がりがとても良かったので、私のアルバムにも収録できるようにお願いしたってわけ。MIKAの“Life In Cartoon Motion”(2007年)は、子供の頃、学校に行く車の中で、よく聴いていたのよ。だから共演は嬉しかった」

「ハリー・スタイルズは才能溢れるソングライター。“Just Little Bit of Your Heart”は彼が私のために書き下ろしてくれた曲。プロデューサーを通じて知り合ったんだけど、LAにライヴで来ていた時に会って、素晴らしい曲を書いてもらったの」

アーティストとして常に進化を求めてきたアリアナ。ラヴレターのように書き上げたデビュー・アルバム『Yours Truly』が全米1位になり、セカンド・アルバム『My Everything』では、さらなる冒険を試みました。ダイアナ・ロスの「I’m Coming Out」をサンプリングした「Break Your Heart Right Back」。ダイアナとアリアナの歌声がうまくシンクロし、アリアナ・ヴァージョンの「I’m Coming Out」を聴きたいと言うと、口ずさみながら「インスピレーションが湧いてきたわ。ツアーでは、この曲を歌い始めて、“Break Your Heart Right Back”に繋げていくといいかも」とプロデューサーとしての一面も見せてくれました。

セカンド・アルバムでは、「Break Free」でEDMに初挑戦。「リスクを持ってチャレンジして良かったわ。マックス・マーティンと仕事をしている時、彼がZEDDと書いた曲のデモを聴かせてくれたのがこの曲。ホイットニー・ヒューストンのような歌い方でマックスが歌入れしていたのが、とてもユニークに聴こえたんだけど、“今、この時代の音をホイットニーが歌ったら”、というイメージ」カラオケに行くと、必ずホイットニーの曲を歌うほどの大ファン。そんな彼女へのリスペクトが込められた作品だったんですね。

デビュー時のアリアナは、新しい時代のマライア・キャリーと言われました。そして、その質問に対しては敏感になっているという話を聞いていたのですが、本人はいたって、自然な気持ちでその反応を受け止めていました。

「とても名誉なこと。だって、ディーヴァと比較されるなんて、素晴らしい。それに第三者が比べたくなる気持ちもわかる。ポップシーンの中で、高音を出して歌う人はそう多くいないし。ただ、サウンド的には違うと思っているけれど。マライアが出てきた時は、ホイットニーと比べられただろうし、ホイットニーが出てきた時は、アレサ・フランクリンと比べられたでしょ。その時代に自然に出てくることだと思ってるし、そういった流れの中に、自分の名前を入れてもらえたのは嬉しいことよ」

アリアナの歌声は、水をたくさん飲み、たくさん寝ることだと言います。これが守られれば、100%の声が出るそうです。

3枚目のアルバム『Dangerous Woman』は、等身大の自分と向き合った作品。

「人間は進化していくもの。生まれた時から死ぬまで進化よ。より良い人間になれる要素は、まだまだ残っていて、学ばなければならないことがたくさんある。そんなことを考えている22歳よ。だからこそ、楽しみながら過ごさないとね」

そんなアリアナは、2017年5月22日マンチェスター公演後に起こった自爆テロ事件でファンを22名失い、59名の負傷者を出し、それ以降日本公演は行われましたが、明るく、元気な姿でインタビューに答えることはなくなりました。その代わり、『Sweetener』『thank u, next』『positions』と立て続けにアルバムをリリースし、アーティストとしての進化を続けています。そして私生活でも昨年結婚し、ようやく穏やかな人生の一歩を歩み始めています。来年は30代に突入するアリアナ。新しい時代にどんな新しいアリアナを見せてくれるのでしょうか!?

お餅が大好きなアリアナにとっても、「イチゴダイフクオイシイデス」と笑顔で日本を楽しむ日がまた来ますように!

Written By 今泉圭姫子




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今泉圭姫子(いまいずみ・けいこ)

ラジオDJ、音楽評論家、音楽プロデューサー
1978年4月、湯川れい子氏のラジオ番組「全米Top40」のアシスタントDJのオーディションに合格し、この世界に入る。翌年大貫憲章氏とのコンビでラジオ番組「全英Top20」をスタート。以来現在までにラジオDJ以外他にも、テレビやイベント、ライナー執筆など幅広く活動。また、氷室京介のソロ・デビューに際し、チャーリー・セクストンのコーディネーションを行い、「Angel」のLAレコーディングに参加。1988年7月、ジャーナリスト・ビザを取得し、1年間渡英。BBCのDJマーク・グッドイヤーと組み、ロンドン制作による番組DJを担当。
1997年、ラジオ番組制作、企画プロデュースなど活動の場を広げるため、株式会社リフレックスを設立。デュラン・デュランのジョン・テイラーのソロとしてのアジア地域のマネージメントを担当し2枚のアルバムをリリース。日本、台湾ツアーも行う。
現在は、Fm yokohama「Radio HITS Radio」に出演中。

HP:http://keikoimaizumi.com
Twitter:https://twitter.com/radiodjsnoopy
Radio:Fm yokohama「Radio HITS Radio」

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