映画『ARGYLLE/アーガイル』に登場する楽曲を紹介

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The Beatles - Photo: Bruce McBroom / © Apple Corps Ltd.

海外では2024年2月に公開され全米興行収入で1位を獲得、ここ日本では3月1日に公開となった映画『ARGYLLE/アーガイル』。

『キック・アス』や『キングスマン』シリーズなどで日本でも人気が高い監督、マシュー・ヴォーンによる最新作は、謎のスパイ組織の正体に迫る凄腕エージェント・アーガイルの活躍を描いたベストセラー小説を描く女性が主役の物語だ。

この中で流れるスコア楽曲以外の印象的な楽曲たちをネタバレしないように解説をしてみよう。また、映画の登場する楽曲はスコアとあわせてプレイリストとなってまとめられている(Spotify / YouTube)。

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バリー・ホワイト「You’re the First, the Last, My Everything」

エージェント・アーガイル(ヘンリー・カヴィル)がラグランジ(デュア・リパ)と踊る最初のシーンや後半のダンス・シーンでも流れるのがこの曲だ。

バリー・ホワイトはアメリカのシンガーソングライターで音楽プロデューサー。1974年に発売した「Can’t Get Enough of Your Love, Babe」は全米チャートで1位を獲得、日本でも「あふれる愛を」という邦題で知られている。

映画『ARGYLLE/アーガイル』の劇中で流れる「You’re the First, the Last, My Everything」は、「Can’t Get Enough of Your Love, Babe」と同じく1974年のアルバム『Can’t Get Enough』に収録された楽曲で全米チャート2位、全英チャートで1位を獲得している。

 

ザ・ビートルズ「Now and Then」

映画『ARGYLLE/アーガイル』の中でもっとも印象的に、そして何度も流れてくるのが2023年11月に発売されたザ・ビートルズの最後の新曲「Now and Then」だ。

この曲は劇中で、原曲そのものが複数回使用されるだけではなく、インストヴァージョンやオーケストラ・ヴァージョンまで登場。監督のマシュー・ヴォーンはロンドン生まれということもあり、もちろんザ・ビートルズは大好きで自身の作品にも使用したいとは思っていたが、権利や使用料の問題で実現することはなかった。しかし、ザ・ビートルズのプロデューサーであったジョージ・マーティンの息子であり、昨今のザ・ビートルズの再発ものやドキュメンタリー映画のサウンドプロデュースを全て手掛けるジャイルズ・マーティンからの申し出によって、今回「Now and Then」が使用されることになったそうだ。

「Now and Then」は、ジョン・レノンが70年代に残していたデモ・テープから、最新技術でノイズを取り除き、90年代のジョージのギター、そして現在のポールとリンゴの録音を加えて発売されると、全世界で話題となり、全英シングルチャートにて54年振りの1位を獲得した。

 

パトリック・カウリー & シルヴェスター「Do You Wanna Funk?」

電車の中でのシーンで使用されたのが、ディスコ音楽のプロデューサーであるパトリック・カウリーが作曲し、同じくディスコ音楽で台頭し、まだ差別が色濃い1978年にゲイであることを公表したシルヴェスターが作詞とボーカルを担当したこの曲。

本国アメリカでは大きなヒットとはならなかったが、ヨーロッパの国ではTOP10ヒットを記録。発売当時は「Do Ya Wanna Funk」としてリリースされていたが、現在は「Do You Wanna Funk」として配信されているようだ。

 

アリアナ・デボーズ&ボーイ・ジョージ feat. ナイル・ロジャース「Electric Energy」

映画の中盤にサム・ロックウェル演じるエイデン・ワイルドの格闘シーンや、エンドロールで流れるのがこの曲。一聴すると70年代か80年代の隠れたソウル/ディスコの名曲のようにも聞こえるが、この映画のために書き下ろされた新曲だ。

カルチャー・クラブのヴォーカリスト、ボーイ・ジョージと一緒に歌っているのは、スピルバーグ監督による2021年の映画『ウエスト・サイド・ストーリー』で、主役であるマリアの兄ベルナルドの恋人アニータ役で出演し、ゴールデングローブやアカデミー賞にて助演女優賞を獲得したアリアナ・デボーズだ。彼女は劇中でアーガイルをサポートするキーラとしても登場している。また楽曲では、シックのナイル・ロジャースがギターで華を添えている。

楽曲は、マドンナやカイリー・ミノーグとの仕事で知られるスチュアート・プライスが主に制作しているが、監督のマシュー・ヴォーンも共にクレジットされている。

 

レオナ・ルイス「Run」

映画の終盤、登場人物二人のタッグを彩るのがこの曲。歌っているレオナ・ルイスは人気オーディション番組『The X-Factor』2006年シリーズの優勝者で、2007年の「Bleeding Love」が大ヒットし、2009年には『アバター』の主題歌を担当した。

「Run」はもともとはスコットランドのバンドであるスノー・パトロールが2003年に発売したヒット曲。

 

アリアナ・デボーズ「Get Up and Start Again」

前述のアリアナ・デボーズが歌い、エンド・クレジットで流れるのが映画のために書き下ろされたこの曲。アリアナはこの曲について次のように語っている。

「エンド・クレジットで流れるこの曲は、ジェームズ・ボンドの曲の1つのように感じます」「ずっとこういう曲を歌いたかった。こんなチャンスが来るなんて思ってもみなかったし、みんなに楽しんでもらえたら嬉しいです」

監督のマシュー・ヴォーンと並び、テイク・ザットのゲイリー・バーロウも楽曲クレジットに記載されている。

 

「Now and Then (Argylle Symphony)」

劇中で何度も使われるザ・ビートルズの最後の新曲「Now and Then」をこの映画のためにオーケストラ・ヴァージョンにして新録したのがこの曲。公式でザ・ビートルズの楽曲がカバーされるのはとてもレアなケースだ。

元々の楽曲のメロディを損なわずにオーケストラのために編曲したのは、この映画の他のスコアも手掛けている作曲家のロアン・バルフェ。

Written By uDiscover Music


映画『ARGYLLE/アーガイル』で流れる曲
プレイリストで公開中
Spotify / YouTube


映画情報

映画『ARGYLLE/アーガイル』
2024年3月1日日本劇場公開

公式サイト

キャスト:ヘンリー・カヴィル、ブライス・ダラス・ハワード、サム・ロックウェル、ブライアン・クランストン、キャサリン・オハラ、デュア・リパ、アリアナ・デボーズ with ジョン・シナ and サミュエル・L・ジャクソン
監督:マシュー・ヴォーン
脚本:ジェイソン・フュークス
製作:マシュー・ヴォーン、アダム・ボーリング、ジェイソン・フュークス 、デヴィッド・リード
製作総指揮:アダム・フィッシュバック、ジギー・カマサ、カルロス・ペレス、クラウディア・ヴォーン

配給:東宝東和 / © Universal Pictures


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