ブライアン・アダムス、6年ぶりの来日公演直前に最近の活動やロックへのこだわりを語る

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3月 1, 2023

管理人

ブライアン・アダムスと筆者（1982年）

ラジオDJ、ライナー執筆など幅広く活躍されている今泉圭姫子さんの連載「今泉圭姫子のThrow Back to the Future」の第69回。

今回は2023年3月4日から来日公演が行われるブライアン・アダムス（Bryan Adams）について、最新インタビューをご紹介。

また、来日公演予習用のプレイリストが公開されている（Apple Music / Spotify）。

6年ぶりの来日公演

間もなく日本公演がスタートするブライアン・アダムス。6年振りのツアーの東京公演は、日本武道館！毎回、日本武道館のステージに立ってくれることが、ファンにとっては何よりの楽しみ。ブライアンにはブドーカンが似合います。

パンデミックの時期を乗り越え、ブライアンは2021年『Shine A Light』ツアーを再開し、2022年には『So Happy It Hurts』ツアーをスタートさせています。アグレッシブに世界を回り続けるブライアンのロック・スピリットには、いつも驚かされます。今年は、「So Happy It Hurts」が、グラミー賞最優秀ロック・パフォーマンス部門にノミネートされるといった話題もあり、来日公演では、ノリに乗った、これぞロック・コンサートといったショウを見せてくれるはずです。

そんなブライアンに、来日直前インタビューを試みました。公演のため、ラスヴェガスに滞在していたブライアン。「オハヨーゴザイマス、スヌーピーサン！」と元気に登場。その声は、デビュー当時と変わりません。ブライアンに初めてインタビューしたのは、1982年、音楽祭出演のための初来日時でした。私にとっては、31年が経った今でも、ブライアンは快くインタビューに応じてくれるアーティストの1人です。

最近の活動について

まずは、この数年の活動状況について話をしてくれました。

「前回の来日から、6年が経ってしまったけれど、あれからものすごく忙しい毎日を送っていた。新しい曲作り、そして過去作の録り直し、ロンドン・ロイヤル・アルバート・ホールでの3日間連続のライヴ。これは、毎日違うアルバムから演奏して、初日は『Cuts Like A Knife』、2日目は『Into the Fire』、そして3日目は『Waking Up the Neighbours』の全曲を披露したんだ。そのライヴ・テイクはYouTubeで何曲か見ることができるよ。今年は、ライヴ・アルバム3枚を制作して、そして年明けには新作を出す予定だよ」

最近、ジョーン・ジェットをスペシャル・ゲストに迎えての北米ツアーも発表され、一体いつクリエイティヴな制作に入れるのだろうか、と思ってしまうほどのスケジュール。きっと彼の頭の中には、アイデアがいっぱい詰まっているのでしょう。ちなみに今年になって、ライヴ・アルバム『Cuts Like A Knife – 40th Anniversary, Live From The Royal Albert Hall』がリリースされています。

「今回のツアーは、まずパット・スチュワードがドラマーとして再びツアーに参加してくれている。80年代の日本ツアーで一緒にやってくれていたんだ。もちろんキース・スコット、キースさんも一緒さ。新しい将来の名曲をいくつか披露するし、もちろん、みんなが知っているヒット曲も演奏するので楽しみにしていて欲しい」

新作とグラミー賞ノミネート

気になるグラミー賞のノミネートについても聞いてみました。残念ながら受賞には至りませんでしたが、過去にも、グラミー、ジュノ、アカデミー賞の常連と言える音楽家として知られているブライアンにとって、このノミネートはどのような意味をもたらしたのでしょうか？

「たくさんの意味をもたらしたよ。実際すごく驚いた。受賞は期待していなかったけど、ノミネートされた段階で、これは受賞したのも同然の価値を感じた」

この言葉で彼の喜びの大きさを感じると共に、新作『So Happy It Hurts』は、絶対的な自信作であるという思いが伝わってきました。

「パンデミックというか、あのどうしようもない時期に、なんとか自分がポジティヴにいたいという思いの中で作ったのが『So Happy It Hurts』。その時間に惑わされることなく、前向きにいたかった。だから、あの時間は僕にとっては問題はなかったんだよ。もちろんベストタイムではなかったけれど、家族と過し、たくさん曲を作り、その間30曲も完成したから、いい期間だったといえる。あの時期があって『So Happy It Hurts』は生まれたんだからね」

またブライアンは、「Classic」というタイトルで、過去の楽曲を、今の解釈でレコーディングし直しています。新しい歌声による「Straight From The Heart」を聴いていると、20代のブライアンの表現とは違った、大人の雰囲気を感じさせる新たなヴォーカルが、エモーショナルな気持ちを誘いました。

「過去の作品に向き合ったレコーディングは、とても面白い経験だった。“Run To You”では、当時使ったギターとかアンプ、その時に使用した機材でレコーディングしてみたいと思ったんだ。できるだけオリジナルに忠実に扱いながら、大切に録り直したかった。とてもいい実験的体験だったよ。ある時、地下室を探していたら当時のギター・ペダルが出てきたんだ。それがそのまま使えたんだよね。改めて当時のレコーディングを聴いてみると、どれだけ自分がたくさん考えて、一つ一つにこだわって作ってきたかに気づいた。過去の制作のプロセスを思い起こさせてくれたんだ。昔のレコーディング過程に比べると今はとても楽にできる。そうじゃなかった頃のことを思い出したんだよね」

ロックへのこだわり

ブライアンなりの過去への思いが、再録音に生かされた作品となったわけです。最後にブライアンのロックへのこだわりを聞いてみました。

「僕は常にロックをやってきた。アルバム『Get Up』(2015)の中に、“Go Down Rockin‘”という曲があるんだけど、まさに僕のロックへの想いを歌っている。まぁ、あの時の僕の周りにいた人たちに向けて書いた曲だったんだけどね。ギターサウンドがなかなかラジオで流れない時代だったけど、そんなことは僕は構わないって歌。これからも自分がやりたいことをやっていく。それは変わらないよ」

今回の来日では、12歳と10歳の娘さんたちも同行するそうです。「一緒にいて楽しい」と少しだけパパの顔も見せてくれました。来年は、ライヴ・アルバム、新作などに加え、『Reckless』40周年が控えているので、さらに忙しくなりそうです。

「えっ『Reckless』って何のアニヴァーサリーだっけ？あ〜40周年ね。思い出させてくれてありがとう（笑）」

ブライアンがロックし続ける限り、彼の熱いロック魂を、永遠に私たちは楽しむことができます。彼のリアルなロック・スピリットを肌で感じ取れる日本公演を、存分にお楽しみください。

Written By 今泉圭姫子（Thanks to Kazumi Someya）

ブライアン・アダムス2023年来日公演日程

3月4日（宮城　仙台サンプラザホール）
3月6日（大阪　大阪城ホール）
3月7日（東京　日本武道館）
3月8日（愛知　Zepp Nagoya）
来日公演公式サイト

ブライアン・アダムス来日公演予習プレイリスト公開中

Apple Music / Spotify

今泉圭姫子のThrow Back to the Future』バックナンバー

今泉圭姫子（いまいずみ・けいこ）

ラジオDJ、音楽評論家、音楽プロデューサー
1978年4月、湯川れい子氏のラジオ番組「全米Top40」のアシスタントDJのオーディションに合格し、この世界に入る。翌年大貫憲章氏とのコンビでラジオ番組「全英Top20」をスタート。以来現在までにラジオDJ以外他にも、テレビやイベント、ライナー執筆など幅広く活動。また、氷室京介のソロ・デビューに際し、チャーリー・セクストンのコーディネーションを行い、「Angel」のLAレコーディングに参加。1988年7月、ジャーナリスト・ビザを取得し、1年間渡英。BBCのDJマーク・グッドイヤーと組み、ロンドン制作による番組DJを担当。
1997年、ラジオ番組制作、企画プロデュースなど活動の場を広げるため、株式会社リフレックスを設立。デュラン・デュランのジョン・テイラーのソロとしてのアジア地域のマネージメントを担当し2枚のアルバムをリリース。日本、台湾ツアーも行う。
現在は、Fm yokohama「Radio HITS Radio」に出演中。

HP：http://keikoimaizumi.com
Twitter：https://twitter.com/radiodjsnoopy
Radio：Fm yokohama「Radio HITS Radio」

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