第67回グラミー賞︎®️、ヴィキングル・オラフソンなどドイツ・グラモフォンから3作品受賞
日本時間の2月3日(月)にロサンゼルスで開催された第67回グラミー賞®️で、クラシックの名門レーベル、ドイツ・グラモフォンの作品が3つの賞を受賞した。
最優秀クラシック・インストゥルメンタル・ソロ
ヴィキングル・オラフソン『J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲』
最優秀映像作品サウンドトラック・アルバム
ヤニック・ネゼ=セガン『マエストロ:その音楽と愛と [オリジナル・サウンドトラック]』
最優秀オペラ・レコーディング
エサ=ペッカ・サロネン/サーリアホ:歌劇《アドリアナ・マーテル》
「最優秀クラシック・インストゥルメンタル・ソロ」を受賞したヴィキングル・オラフソンは初めてのノミネートで初の受賞となった。J.S.バッハの壮大な《ゴルトベルク変奏曲》を録音することを25年間夢見ていたという彼のこの作品は発売直後から各国の批評家から絶賛され、イギリスを代表する日曜紙『サンデー・タイムズ』は「オラフソンの手にかかると、バッハのアリアと30の変奏を巡る旅は、人間の経験のメタファーとなる。個人的でありながら普遍的、忠実でありながら革新的、技術的に輝かしく、感情的に高揚する。それは魂の中心へと至る旅だ。」と評した。
2023年から2024年にかけて6大陸で《ゴルトベルク変奏曲》を演奏するツアーを行った彼は、今回の受賞に際し「昨シーズン、私は世界中でゴルトベルク変奏曲を100回近く演奏しました。その経験で自分自身を知ることができましたし、全ての国で受け入れられるバッハの魅力を目の当たりにしました。それは人生を変えるような経験で、とても感謝しています。このアルバムでグラミー賞を受賞できたことは、言葉にできないほど特別なことです。世界中で今作を聴き、応援してくださったリスナーの皆さんになによりも感謝しています。」とコメントを寄せた。
「最優秀オペラ・レコーディング」に輝いたカイヤ・サーリアホのオペラ第2作《アドリアナ・マーテル》は、作曲者の急逝からわずか数日後の2023年6月にデイヴィス・シンフォニー・ホールで録音された作品。世界初録音となり、ピーター・セラーズの演出のもと、エサ=ペッカ・サロネン指揮、演奏はサンフランシスコ交響楽団およびサンフランシスコ交響合唱団によるもので、フルール・バロン、アクセル・ファニョ、ニコラス・ファン、クリストファー・パーヴスがソリストを務めている。
また、「最優秀映像作品サウンドトラック・アルバム」を受賞したNetflix映画『マエストロ: その音楽と愛と』のオリジナル・サウンドトラックは、レナード・バーンスタインの多彩で時代を超えた音楽の魅力を見事に捉えている。主演のブラッドリー・クーパーの選曲によるこの作品の演奏は、ヤニック・ネゼ=セガン率いるロンドン交響楽団が担当。アルバムには映画内でクーパーが指揮した「マーラー:交響曲第2番」も収録されている。
ブラッドリー・クーパーの指揮指導も務めたネゼ=セガンは「ブラッドリーと私は、バーンスタインの遺産をより多くの人々に伝えることができて光栄です。私たちは彼の精神に忠実でありながら、ロンドン交響楽団とともに彼の音楽を新たに録音し、もし彼が今も生きていたらどのように演奏していたかを探求しました。この賞を、アルバム制作に関わったすべてのアーティストと分かち合いたいと思います。」とコメントした。
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